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かき書き、しかじか。

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Okakiのエッセイ集です。
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#いま私にできること

取り除かれた焼きそばを眺めて、ペンギンに救われる人間。

「あ、お肉は抜いてください。あと上に乗せるかつお節もいらないです」 インド人の知人と一緒に京都の伏見稲荷に観光に行ったとき、「屋台で焼きそばを買おうよ」と彼が言った。その後、屋台の前で彼が冒頭の台詞を言ったのである。 彼の言葉を聞いた屋台のおじさんは一瞬「え?」ときょとんとした顔をして、あぁはいはいと小さく細切れになった豚肉と、熱い麺の上で踊っていたかつお節を丁寧に取り除いている。 そのやり取りを後ろから眺めていた私は、ぼんやりと「この人とご飯屋さんに行くのは大変そうだ

どうせ誰も気にも留めない、だから叫んでやろうと思った〜部落差別の記事を書いて〜

Twitterで「部落差別についてはもう二度と語らない」と言っておきながらこうして再び記事を書いてしまったことをまずは謝罪します。 前回の記事「部落差別という呪いを受けた村に生まれた話」(以後「あの記事」と呼びます)を公開して約半年が経とうとしています。 自分の想像を超える反響があったことで色々なことを考えさせられました。 「またこんなものを書いて何の意味があるのだろう」と思いましたが、きちんと自分の中で纏めておきたいと思ったので続編とも言えるこの記事を書きました。 あ

部落差別という呪いを受けた村に生まれた話

このnoteを公開するかどうかかなり悩んだ。 それは私の中での感情の着地点が見えず、これを公開することでなんの意味があるのだろうと自分でも分からなかったからだ。 だけど、もうこのタイミングではないと恐らく今後もう一生これを書くことはないだろうと思った。だから備忘録として残してみようと思う。 これは私の奥深くに居座り続ける一種のアイデンティティでもある。 ◇◇◇◇ アメリカで広がっている人種差別のニュースを観て愕然とした。 アメリカ建国の父の一人であるトーマス・ジェファー

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