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024 間違いない墓じまい①終活の準備、始めていますか?

私が代表を務めさせていただいている終活の専門家集団・プリエンド協会(終活パワーチーム)では終活では避けて通れない「墓じまい」のお手伝いを全国で手掛けています。

プリエンド協会ではシニア世代向けの終活セミナーを毎月開催させていただいているのですが、私が講師を務めた墓じまいがテーマの時は満席でした。終了後のご質問も多く、皆様がかなり関心を持たれていることを痛感。その講座に基づき、一部データをアップデートしてご紹介いたします。

Ⅰ 墓じまいが増加している!

◇墓じまい
墓を解体・撤去、更地にして使用権をお墓の管理者に返すこと。遺骨は別の場所に移す。※別名=改葬(かいそう)

◇墓じまいは年々増加(厚生労働省のデータ)
・2016年…9万7,317件
・2017年…10万4,493件
・2018年…11万5,384件
・2019年…12万4,346件(1日349件)

◇墓じまい増加の理由
・少子高齢化・核家族化
 一人暮らし、夫婦のみ、夫婦と未婚の子供などの家庭が増加。
 「後継ぎがいない」「管理が困難」が理由。
・過疎化
 親の高齢化で墓参りが減り、子世帯も頻繁な帰省が難しい。
 「いずれ墓の管理が困難になる」という思いが理由。
・価値観の多様化
 子世代:昔からの考えにとらわれないタイプが増加。
 親世代:子や孫に負担をかけたくないタイプが増加。

Ⅱ 墓じまいの進め方


①まずは親族の同意を
・関係する親族全員と話をして同意を得る。
・勝手に進めると、後々大きなトラブルの原因に。
・「なぜ墓じまいを考えたか」「後はどうするつもりか」
 これらを丁寧に説明し、納得してもらう。

②遺骨の確認
・墓に誰の遺骨が何体入っているのかを確認。
・それぞれの遺骨の行き先を計画。
・決定内容の覚書などを作ればトラブル回避できる。

③管理者に墓じまいをを連絡
・墓の管理者である霊園や寺院、町墓地の責任者に連絡。
・市区町村の役場で「埋葬証明書」を発行
・管理者に墓じまいに同意する署名・押印をもらう。

④気になる!離檀料って?
・離檀料は寺の檀家をやめる際に菩提寺にお渡しする。
・これまで墓を守っていただいたことへ感謝の気持ちをあらわす
「気持ち」として包むもの。

⑤離檀料の支払い義務はない!
・とはいえ、世話になった気持ちを表す手段が離檀料。
・墓じまいは寺の敷地内に工事が入り、手続きの書類も依頼するなど、
   お願いすることがたくさんある。
・依頼する様々な手続きへの御礼という意味合いも。

⑥離檀料の相場
・地域や寺によって異なるが、5~20万円程度。
・受け取らない寺もあるが、反対に寺から請求してくる場合も。
・相場を地元の方々や他の檀家さんなどに確かめ、こじれそうな場合は
 弁護士や司法書士などの専門家に相談を。

⑦遺骨の受け入れ先を決める
・遺骨の受入先は一般墓、樹木葬、納骨堂、
 合祀型の永代供養墓など。
・永代供養をする施設への「改葬」のほか、
 自宅での手元供養も。

⑧墓じまいの依頼先を決める
・墓を解体・撤去し、更地にする工事は難しいので、プロに依頼を。 
 ※代行をしている石材店や専門業者・複数の業者から見積もりを取り、
  内容を比較・検討するのがおすすめ。
・霊園によっては依頼できる専属業者が契約で決まっていることも。 
 ※墓の管理者に確認

⑨役所で改葬許可証を発行してもらう
・墓がある市区町村に「改葬許可申請書」を提出。
・「改葬許可証」を受け取れば遺骨を取り出せる。 
 ※改葬許可申請書は自治体の窓口での受け取りやウェブサイトから
  ダウンロード可能。(電話で確認)

⑩閉眼供養して遺骨を取り出す
・墓に宿る魂をお坊さんに抜いてもらう「閉眼供養」を行う。
・閉眼供養の別称:「魂抜き」「お性根抜き」など 
 ※供養なくては工事を行わない石材店が多い。

⑪墓地を更地にして管理者に返還
・遺骨を取り出したら、墓を解体し墓石を撤去。
・墓石だけでなく、土の中の基礎工事部分まで完全に撤去。
・土をならして整地してから管理者に土地を返還。

⑫墓じまいにかかる費用
◇解体・撤去工事費…1㎡あたり10万円程度が相場 
※以下の条件によって最終的な金額は異なる。
・重機や運搬機が使用不可(機械が入らない場所では手作業)
・墓石の大きさ、墓石の量、樹木など墓地内の撤去物
・作業人数(作業状況次第では警備員が必要)
◇書類の交付費用…数百円~1,000円程度
・埋葬証明書や改葬許可証などの書類発行。自治体によって差がある。
◇お布施などのお礼… 3万~5万円が相場
・墓じまいの閉眼供養でお坊さんに支払うお礼。
・地域ごとの常識も異なるため、経験者に相談を。

⑬新しい供養について

◇納骨堂 
 室内型の墓。骨壺を納めるロッカー型、位牌と遺骨を納める仏壇型、
 機械で遺骨が運ばれてくる自動搬送型などがある。
◇手元供養 
 骨壺やペンダントなどに遺骨を入れて自宅で管理・供養。
◇樹木葬 
 墓石の代わりに樹木や芝生を植えて、その下に遺骨を埋葬。 
 一般霊園内の一部に設けられた樹木葬が増えている。
◇散骨(海洋葬) 
 遺骨を粉骨し、海や山などにまく。 
 故人の遺志で行うケースが多い。自己流は不可能。
◇永代供養 
 永代といっても、期間の定めなく永遠に供養はしない。 
 十三回忌や三十三回忌など一定期間が過ぎれば合祀となるケースが大半。

Ⅲ 後悔しない墓じまいのために

◇トラブルは避ける
・親族での話し合いで反対意見を無視して強行に墓じまいを進めると
 後々トラブルの要因に。
・「墓じまいをしても先祖供養はできる」「供養には様々な方法がある」
 ことをしっかり伝えて親族の理解を得る努力を。
・お世話になった寺には「墓じまいの理由」「これまでのお礼」を伝える
 ことを忘れずに。

これまでとは供養の形が変わっても、供養の思いは変わらないようにしっかり事前準備をしましょう。

終活問題に関するご相談は、経験豊富なあらゆる専門職の揃っている一般社団法人プリエンド協会までどうぞ。


岡橋秀樹

一般社団法人プリエンド協会 代表理事
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