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いのちと向き合う

「わたしの何がこの現実を創っているのか」という視点で生きていくことは、わたしを自由にしてくれました。
この、何かは、小さい頃に養育者との間で生まれた誤解であることがほとんどで、多くは母親との関係です。でも、大人になった今、母親も当時は若かったことや、こどもの視点からだけでなく母親の視点で物事を理解できるようになることで、幼さからの誤解だったことを知り、現在の関わり方が改善されていきます。
ある程度の期間、そのことに取り組んでいくと、母親と自分だけの関係性から視野が広がり、だんだんと周りとの関係性にも気づけるようになってきました。
わたしでいえば、兄との関係です。
きょうだい関係は、どちらがより母親からの愛情を与えられるかのライバル関係になることが多いのでないかと思います。
本心の部分では、この人がいなければもっと愛されるのに憎みますが、そんな怖い感情を抱く自分を認められません。
こんな自分は愛されないのではないかという恐怖があるからです。
でも、実は認めてしまったらとても楽だし、認めるくらいで現実はどうにもなりません。むしろ、自分を開くことでよくなります。
認めたから今ここに書けています。そうして何が起こったか。
わたしは兄と不仲ではないが仲良いわけでもありません。最近、ちょっと話し合う機会があって久しぶりに会った時のことです。
私は男の人に見られることが苦手です。ちょっと年上の男性が怖いと思っています。なので、もう長い事兄の目も見ていませんでしたが、覚悟して兄の目を見て話してみました。
そうすると、兄の目からのすごく大きな「わたしに対する憎しみ」を感じることができたんです。
そうか、なるほど。すごく驚いたけど、腑に落ちました。
私が兄を憎むのと同様に兄も私を憎んでいる。
思えば、同じように幼いころに養育者を奪われたのだから、同じ感情があるはずなのに、何で気づかなかったんだろう。
幼い兄にとって、自分より弱くて小さい存在が急に表れて、今まで一身に浴びていた母親の関心を奪われるのは、どれほどの脅威だったんだろう。
むしろ、わたしより深く傷ついたのではないだろうか。
その時のショックが今もずっと互いの関係に影を落としている。
だからずっとわたしのこと隙あれば否定してきたんだなー。母からの愛情を奪い返すために。
この、兄からの否定をわたしは小さいころ真に受けて、「わたしが存在することはよくない事」という価値観を自分に着けてしまっていた。
その結果、母親の関心を取り戻したくてわたしを否定しまくるものの、母親の関心はわたしに向き続ける兄、兄の否定を真に受けて「自分は駄目な人間」だと思い込んでしまって現実から逃げ出したい私、そんな二人のことは知らず、同性である私のことを求め続けているけど逃げられ続けている母、という誰も幸せになれない関係性が出来上がってしまっていた。
わーすごい、見事なまでのすれ違い。
このことに気づいたわたしにできることは、自立して、わたし自身を幸せにすることだと強く思いました。
わたしは「自分は駄目な人間だ」という誤解は兄の否定を真に受けただけ、真実ではありません。
がんばって働かせてもらっているので、社会人としての自信も取り戻しつつあります。
「もしかしたら私、それほど駄目な人間ではないのかも…?」と薄々思えてきました。
それに、兄からの否定を受け入れることは、兄にとってもよくない。
ネガティブな価値観は後からつけられたことが多い。だからそのままでいることがどれだけよくないことなのかわかりました。でもそれは無理にポジティブになれという事ではなくて、ネガティブな意識が生まれた時を探し当てて誤解であることを知り、歪みを正していくという作業です。
この、兄と母の関係で私が気づいたことで大事なのは、まず最初に「わたし自身のネガティブな感情を認めた」ことで、兄の中にある同様の感情にきづくことができたんです。
自分のことを先にわかることで、周りの人に対して理解できるし、解決策も見つけられる。
まず自分を満たしてあげるというのは、いいものを与えるというだけではなくて、自分自身に関心を向けてあげること。
自分自身の命と深く深く向き合うことです。
どこまでも深まっていきます。
そうすると、同じよう周りの人たちに対する理解も深まっていきます。
そうしたら、相手とも向き合えるようになって、本当の関係性で繋がり直していくことができるんです。
わたしは、今まで兄にも母にも特に意見は述べずに何でも言うこと聞いてきたけど、最近は自分の考えている事、したいことを伝えることができるようになってきました。
そうしたら、母の関心がわたし自身だけでなく兄にも向くようになり、いいバランスが取れつつあります。
ここに父が加わって、いいバランスの家族関係を結びなおせたらいいな。
そのために、これからももっと自分と向き合っていきたいです。

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