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火龍が天に舞い、龍は天女に姿を変えた【仙台秋保・慈眼寺・夜の護摩修法参加レポ】

5月3日〜5日、慈眼寺で行われている 新緑の夜間特別参拝・護摩修法 に
#おかげくま参り  行ってまいりました。

正直、感動でした。
夜の護摩祈祷は、昼とはかなり違いました。
雰囲気も、空気感も、神聖な、厳かな、感じでした。
場所も違ったからでしょうか?

ライトアップされた慈眼寺は、日中とは異なり、幻想的な美しさです。

今回、5月3日〜5日まで3夜に渡りおこなわれる護摩祈祷は、いつもの護摩堂ではなく本堂で行われました。

空には!ほぼ満月。

護摩堂には不動明王様が。
そして、本堂には、蔵王大権現様が祀られています。
その違いもあったのかもしれません。

大きな違いは、見た目とかではなく、もっと内面のことかもしれません。
心願成就や商売繁盛といったいわゆる御利益的な願いを聞き届けてもらう、という普段の護摩とは異なり、今回の祈りにはテーマが設定されていました。

「世界安穏」「国家安寧」「世界平和」

天然痘、日照り、飢饉、大地震と災厄が続いた奈良・天平時代、聖武天皇は、「金光明経」と「妙法蓮華経」を写経し、「国分寺建立の詔」を発布、全国に国分寺・国分尼寺の建立を、そして、奈良に東大寺・大仏建立を命じ、国家安寧を祈りました。

およそ1280年後、大地震、そしてパンデミックという災厄が続いた東北・仙台で御本尊である蔵王大権現様の前で、塩沼大阿闍梨様が世界安穏、国家安穏を祈る護摩祈祷だったからこそ、より深く心動かす祈りだったのかもしれません。

5月4日の昨晩はその2夜目。

塩沼大阿闍梨は、黒い袈裟姿で登場。

ドラムスティックのように、祈祷仏具を操り、澄んだ金属音が本堂に響く。

そして、読経。

高音で歌うように読み上げられる真言は、
ヘビーメタルバンドのヴォーカルのよう。

天に届く高音ボイスの読経が始まったかと思えば、囁くように九字を切り、真言を唱える。

護摩壇の上に並べられた仏具を縦横無尽に使いこなし、
護摩杓(ごましゃく)で油を注ぎ、
扇子で炎に風を送り、龍を舞い踊らせる様は、

アート・ブレーキー?
Art Blakey & The Jazz Messengers - Night in Tunisia 1961

いや、jazzyでヘビーなテリー・ボジオ?

いや、トニー・ウィリアムス?

Miles Davis, tr ,&, TONY WILLIAMS ,drums - solo ,Live 1967..

大阿闍梨の護摩によって、火龍が舞い、天女が現れる。

塩沼大阿闍梨は、炎から龍を、天女を、舞い踊らせながら、天に祈りを届かせる。

炎を操り、炎の中に現れた火龍を操ると、
火龍は、いつの間にか、吉祥天か、弁才天か?
天の女神へと変幻する。

はじめ、小さな炎は、無垢で清純な少女のよう。

大阿闍梨が護摩杓で油を注ぎ、扇子で風を送れば、徐々に優美な炎へ。まるで羽衣をまとった天女のよう。

さらに、大阿闍梨が風を送れば、

炎はますます燃え盛り、火龍は天龍へ。

天女は、エネルギーに満ち、
ふくよかで妖艶な女神へと変わる。

燃え盛った炎は徐々にラストシーンへ。

肉体的な豊満さから人格的な成熟へと
人が円熟していくように

炎は、荒々しさからたおやかに、たおやかに。

女神から優しい仙女へと進化する。

いつの間にか、龍は、天に登り、仙女は消え、
炎は小さくなり、そして、消えていく。

日本国の安寧、世界平和の祈りは届けられた。

護摩祈祷終了後の講話が心に沁みました。

「人生とは、思うがままにいかないもの。
思い通りにいかない修行の場でもあります。
その修行の場で、思い通りにいかないことと
正面からぶつかり、学ぶことから、
次の一歩が見えてくることもある。
それもまた修行。
思い通りにいかないことから学び、日々1歩ずつでも歩んで欲しい」

塩沼大阿闍梨様 護摩後のご講話より

今宵、本堂に集まった人たちへ必要なメッセージだったのだろう。

焦らず、弛まず、1歩ずつで良い。進め。

それは、塩沼大阿闍梨様を通じた蔵王大権現様からのメッセージだろうか。

時空を超えて、おかげくまを通じて、
持ち主の一人一人にこのメッセージも届くことでしょう。

あの空間を共に過ごした「おかげくま」だから、知らぬうちに持ち主の方々にも、その法力がおかげくまを通じて届いているに違いありません。

今回もおかげくま参り にご参加いただいた皆様方に心より感謝申し上げます。
あなたの祈りが届く塩沼大阿闍梨様のご祈祷は、5月21日に開催されます。
幸にして、お堂内での参列を許されました。ご一緒できると嬉しいです。

それではまた!

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