全部知りたいの中身

最近好きでよく観てるゲーム実況者さんエーペックス界隈の大会によく出ている流れでVTuberさんたちや別の実況者さん、プロの方なんかのライブやら動画やら切り抜き何かを観るようになって、ちょこちょこ思うことがある。

それは「みんな視聴者(リスナー)に対してすごく真面目に向き合ってんだな」ということと、「コメント欄の空気って、本当に全然違うもんなんだな」ということ。

そういうヒトを伴う人気コンテンツ(アイドルをはじめとした崇拝というか好きになる対象の肉声やらリアルタイムな会話の内容がしれるもの)って、どうしても「0か100」になりがちだなと思う。特に異性間とか、憧れの強いものは余計にね。

色恋営業ではなかったとしても、対象がいる以上、色や、恋や、親のような気持ちや、俺らの代表っていう何らかの気持ちが生まれることは必至。その逆の妬み嫉みも含めて、そこに何が生まれるか、どんなバランスになるかは制御できない面もあるから難しいんだけど、何百何千、時には万単位の大きな大きな愛憎入り混じった気持ちの集合体って怖いなって思って外側から見てる。

大きな力だからこそ、怖い。

すごいもの、尊いものだから怖い。

気持ちの集合体だから、その元気球に手をかざした本人は自分がそこに含まれていることを忘れがちだということも含めて怖い。

この怖いは「ひどい」というよりかは、私自身が重たいなと思って勝手に恐れ慄いているというだけなので、その気持ちを受け取るヒトたちがどう思うかは知ったこっちゃないんだけども。

Instagramで漫画を連載してる人のコメント欄の話はどこかで書いたかもしれないけど、あれも怖いなって思ってみることが多くて。なんでそんなライバルキャラ、ちょっと意地悪するキャラに対して牙をむいて、けちょんけちょんに踏みつぶさないと、罵らないといけないんだろうかと。

それは一面で会って、全面ではないのに。

この人があなたの見えないところで、どんなヒトであるかなんて知りようがないはずなのに。

心は多面で、そのすべてが善である必要なんて全くないし、誰かにとってクズ野郎でも、誰かにとって気の置けない友人であるならば、人生なんとか生きてはいけるものだと思うのに、「今あなたの気にくわない一面を叩き潰して謝罪させなければ心が落ち着かない」ということを相手にそのまま剛速球で投げたり、さもみんなが思ってる風に告げ口したりするのって嫌だな。それに対して勝手に怒って本人を置いてけぼりにする人も嫌だなと思う。

ヒトの心はコントロールできるものではない。それはもちろん自分も含めてそうだと自覚しなければならない。

そしていつでも清らかではない。思うでしょ?面倒くさいとか、コイツなんやねんとか。それもまた普通のこと。

ここで表題の話になるけれど「全部知りたいの中身」には知ることで感じる優越感や、共感し並び立つ立場になれる(なったような気がする)だとか、知らないことがあると不安を感じるといったことが、ぎゅうぎゅうに詰まっているんだと思う。所為、所有したいという欲というか。

でもさ、所有のいきつく先は「飽き」や「放置」を経ての、次の「全部知りたい」の渇望で。

そうなることはできれば避けたいから、そうなることが怖いから寂しいから、配信者側は受け止めたり話に耳をかたむけるんだと思うんだけど。それがまたパワーバランスを崩す要因でもあるような気もして。

自分が視聴している人は、「求めてるものを完璧に提供してくれるヒト」ではなく、「自分が良かれと思ったコンテンツを提供してくれているヒト」なだけであって、自分が望むように振舞ってくれない(コラボして欲しい、今までの仲良しとだけつるんで欲しい、他と絡まないで単独で放送して欲しい、放送時間や頻度を増やして欲しい、このゲームはしないで欲しいとか諸々)と感じたときに取るべき行動は

「コメント欄とかマシュマロで配信者へ訴える」ことではなくて、自ら離れることだってことを忘れないで欲しい。もちろん今みんなはどう思ってるの?って聞かれたら存分に答えてあげて欲しいけども。

と、重苦しい話のような、めんどくさいおばさんのような話をしたけども、すごく上手にコメント欄と付き合ってる人も多いし、コメント欄との阿吽の呼吸でさらに面白くなることも多いって知ってるから、全ての面白いコンテンツを作るヒトが健やかに活動できるようになりますように。

(無理やり締めた)

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