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一句鑑賞~noteの森から~

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noteを通じて出会った句の中から、心に留まった句を鑑賞しました。(不定期投稿)
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#エッセイ

鑑賞*泳ぎ来てわが家の匂ふバスタオル

鈴木紗恵子 2024年6月21日発行「句具ネプリVol.15春分」所収。 海かプールか。 芋を洗うよう…

岡田耕
2か月前
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鑑賞*春日傘閉づるが如く節子逝く

岡田 風呂釜 作者は平成二十六年没。 掲句は、平成七年俳人協会全国俳句大会入賞句。 俳人野…

岡田耕
5か月前
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鑑賞*「花ふぶき」菓銘に父の三回忌

黒川 六文子 大正七年生まれ。五百年の伝統のある菓子屋「虎屋」十六代店主黒川光朝。六文子…

岡田耕
5か月前
130

鑑賞*しばらくは人の高さを石鹸玉

隣安  2024年3月20日発行「句具ネプリVol.14春分」所収。 古代ローマの諺 homo bulla「人間…

岡田耕
6か月前
125

鑑賞*匂ひなき世界にひとり春の風邪

島田由加 noteより 鼻声でマスクをしている。 それだけで、私と世の中との間に隔たりがある…

岡田耕
6か月前
147

鑑賞*全員の柏手そろふ淑気かな

十猪 2024年1月1日発行「句具ネプリVol.13 新年」所収。 神社の玉串奉奠。 総拝と呼ばれる方…

岡田耕
8か月前
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鑑賞*声ばかり大きく響き秋の暮れ

和泉名月子 2023年9月23日発行「句具ネプリVol.11 秋分」所収。 子供の頃の放課後は、近所の子や友達と外で遊んでいた。 学童保育がなくたって、安全だったのかどうか、見守られていたかどうかわからないが、それが普通だった。 暗くなれば、遠くから夕飯に呼ぶ母の大きな声がした。 (岡田 耕)

鑑賞*裏山の裏に山あり月見酒

いその松茸 2023年9月23日発行「句具ネプリVol.11 秋分」所収。 暗くなる前に芒を刈って来て…

岡田耕
1年前
134

鑑賞*秋高し子キリン首を重さうに

伊藤映雪 2023年9月23日発行「句具ネプリVol.11 秋分」所収 キリンは生まれてすぐに立ち上が…

岡田耕
1年前
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鑑賞*うなぎ屋のうの字だらりと灼けゐたり

釈求真 2023年6月23日発行「句具ネプリVol.10 夏至」所収 うなぎ屋の暖簾や看板の「うなぎ」…

岡田耕
1年前
157

鑑賞*合宿の同じかをりの洗ひ髪

鈴木沙恵子 2023年6月23日発行「句具ネプリVol.10 夏至」所収 合宿の意義は、練習成果だけで…

岡田耕
1年前
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鑑賞*清流の音どっと来て夏の宿

チズ (noteより) 部屋の窓を開けたら、目には豊かな清流が飛び込んでくる。 と、思ってい…

岡田耕
1年前
143

鑑賞*花のやや疲れてゐたる花御堂

あんこ/Akiko Kashiwayanagi 「炎環」「豆の木」所属。句集『揮発』『柔き棘』。 仏様のここ…

岡田耕
1年前
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鑑賞*卒業や靴紐のみな蝶結び

八日きりん 句具ネプリVol.9ー春分ー より それは小学生の頃。 掃除の前掛けの紐は、蝶結びが後ろでいつも縦結びになった。 友達が履いていた紐靴に憧れて、親に買ってもらった。 それが今、全員蝶結びができるようになった。 みんな、蝶のように羽ばたいて行け。 (岡田  耕)