2024/09/27
塾講師のバイトで週に二、三回、集団の小学生を相手にする仕事がある。小学生たちを後ろから見るのは結構面白い。
この仕事は、直接生徒たちに話しかけて解説をする役割の社員の先生と一緒に入ってやるのだが、この先生たちが話しかける生徒というのは大体決まっている。なんというか、その子たちからはこっちからしゃべりかけられる紐のようなものが自分にも見える。そういう紐を背中から醸せるのは結構才能だなーと思う。
もちろん自分には絶対そんな紐ついていない。小学生のころから先生に個人で話しかけられたことなんてほとんどないからね。
実際にまがいなりにも教師という立場になって気づいたのだが、自分は先生という生き物に気を遣い過ぎていた。こっちとしてはむしろ、いたずらっぽく自分のした悪いことを報告したりしてくれるほうが楽しい気持ちになる、だから絵にかいたような優等生よりもちょい悪ヤンキーみたいなやつのほうが先生と仲いいのか。
考えてみれば当たり前のことだけど、小中学校に通っていたころの自分はちゃんといい子にしていれば先生に認められると信じていた。いい子の顔しか見せないお前、全然ワクワクしないよって、もうちょっと早く親でも先生でも教えてくれたらよかったのに。
自分が小学生の時に自分だけあぶれているという忸怩たる思いを抱えていたのは自分にいたずらっ子気質がなかったせいでもあるだろう。
自分が小学生の頃にこうして自分が属する集団のことを俯瞰で見る機会があれば、もう少し穏やかに小学校生活を送れたのではないかと思う。
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