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日記2023 12月29日

 かなり久しぶりに映画館に行き、アキ・カリウスマキの”枯れ葉”を観た。

この映画はフィンランドが舞台で、普段目にすることの多いアメリカ、イギリス、日本の映画とはかなり雰囲気が異なるように感じた。具体的にどこが異なっているのかというと、アメリカやイギリスの映画でよく見るようなシニカルなユーモアが全く現れないこと、そして登場人物に全く愛想がなく、会派がとても淡泊なことなどだ。

愛情表現すらもほとんど感情的にならないというのが個人的にはすごく素敵に思えて、特にトラムに轢かれて重傷を負ったホラッパ(主人公の一人)が病院から退院して二人が再開した時に、アンサ(もう一人の主人公)がウィンクをするしぐさがとても印象的だった。

昨今日本ではいわゆる”アメリカっぽい”おおらかな感情表現が礼賛されがちな気がするのだが、好意や愛情を直接的に必ずしも表現する必要はないのだと実感した。
 
この独特の雰囲気のどこまでがアキカリウスマキの作品特有のものなのか、それともフィンランドの国民の雰囲気全体に根差したものなのか気になる。枯れ葉の公開に際して、藤沢にある映画館のシネ͡コヤでフィンランド映画フェアをやっているそうなので、観に行ってみようと思った。



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