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ジャンプ バトル漫画持論

「クリリンのことかーっ!!!!!」

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 バトル漫画の名台詞といえばこれでしょう。皆さんも好きなバトル漫画の名台詞をそれぞれお持ちだと思います。
 少し話がそれますが、初代ジャンプ編集長の長野氏は少年ジャンプのテーマを「友情」「努力」「勝利」の3本柱とし、それに沿った雑誌づくりを心掛けました。その柱は今もなお受け継がれ、ジャンプに載る一つの基準になっています。

 話を戻します。持論ですが、バトル漫画には3つのカテゴリーに分けて読むと、作品の良さや作者のすごさが分かりやすくなると思っています。ただし、戦いの場面のみの分類で、その戦いに至るまでの背景などは加味していません。3つは以下の通りです。
①物理型
 パンチの強さのみで勝負がつきます。
②知能型
 頭の中で戦い勝負がつきますが、結果が分かりにくい場合もあります。
③ミックス(能力)型
 ①と②の混合型で戦います。

①物理型
 ドラゴンボールやキン肉マンなど、パワーアップ(努力)して敵よりも強いパンチを打って勝つタイプの漫画です。とても読みやすくわかりやすい迫力満点で、世界的に売れるのも納得です。ただ、難点は修行の期間を設けなくてはいけない点です。今回のキーワードです。
②知能型
 デスノートやヒカルの碁など、頭の中で戦い勝負がつくタイプの漫画です。読み返すたびに新たな発見がありますが、難点は、漫画に求める疾走感や動きを表現しにくいところです。ここをカバーすることに特化すると、ヤングジャンプの「ハチワンダイバー」のような漫画になります。
③ミックス(能力)型
 物理型の躍動的で迫力のある戦い方と知能型の駆け引きなどの見えない戦い方の良いところを合わせて表現するのがこの型です。


 その先駆者が荒木先生の「ジョジョの奇妙な冒険」の3部より登場するスタンド能力だと思っています。一つ例を挙げます。宿敵を倒すために、主人公一行は5人で旅に出ます。その道中ダービーという敵に出会います。彼は「ギャンブル」を用いて、主人公達に戦いを挑み、結果負けてしまいますが、一行を窮地に追い込みました。ダービーは腕っぷしは決して強くありませんが、戦略・能力を駆使して相手を追い詰めました。
※ここで「おい!能力バトルの先駆者はサンデーの横山先生だろ!」などお思いの方もいらっしゃると思いますが、ジャンプ論ですのでご了承ください。

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 ここで今までのジャンプ漫画史に革命が起きます。腕力だけが勝負を左右するわけではないのです。ただ相手の体力を奪うだけのものから、敵との相性や自分の能力の使い方を踏まえながら、勝つためのルートを描いた戦いに変わりました。それによって読者には考察する余地が生まれ、敵の能力、どういうバトルになるか、どうすれば勝てるか、など立ち止まってストーリーを深く味わうことができます。
 この革命後(1987年)はバトル漫画のトレンドも変化し、幽遊白書(1990年)やワンピース(1997年)の登場で「バトル漫画と言えばミックス(能力)型」が定石になります。ちなみにこのころ能力バトルのゲーム版「ポケットモンスター赤・緑(1996年)」が発売され大流行しました。そして今もなお、バトル漫画は能力バトルが主流となっています。


しかし!!現在新たな型が生まれました。それは「時短型」です。
④時短型
 ①と③の弱点として、修業期間を描かなくてはいけないことが挙げられます。時代なのかもしれませんが、だいたい5話程度を使い修行するので、その間に読者が飽きてしまい離れてしまう可能性があるのです。その弱点を補うにはどうすればよいか。

最初から強ければよいのです。

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 なるほど「目からうろこ」とはこのことですね。WEB漫画ですがワンパンマンなどがそれにあたります。確かに納得するところもある反面、少年ジャンプが掲げる3本柱の1つ「努力」を否定しかねない事態にもなってしまいますが、集英社常務取締役を務めた鈴木氏(キャプテン翼などを担当)はイベントの中でこう語っています。

「 ~ 中 略 ~ 努力はネタにならない。最近私は、「友情・個性・勝利」というようにしている。「友情・努力・勝利」は50年前の初代編集長が作った言葉で、それに振り回されるべきではない。」2019.7.9 おとなのジャンプ酒場より


 この言葉に出席していた元編集長たちも納得している様子でした。また、最近の「その年のテーマ」を読者にアンケートすると、なんと「健康」が上位に入ってきているそうです。
 健康をテーマにしたバトル漫画が出てくるのか、それとも努力を描き続けるのか、今後のジャンプも目が離せませんね!!




いやいやそれにしても、健康をテーマにしたバトル漫画なんて、あるわけないでしょ。バイ菌を倒すとか?しょうもない。そんな漫画あるわけ・・・・


あああっっ!!!!!

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