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FUTURE REPORT 2021年7月

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□ Future Lab 未来人
□ FUTURE REPORT 2021.07
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■2021年7月号
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 収集期間:2021年05月21日-2021年06月20日
 全国紙、経済紙、ブロック紙、WEBニュースで一部を補足
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■データ数
新規追加は206 mirai(前回203 mirai)
総数は57396 mirai(2004年より)

■未来の諸相
 今月、登場した予測からユニークなものをノージャンルで集めた「オススメミライ」と、その他「未来動向」の2部構成です。「未来動向」には「基本編」「市場編」「クルマ編」の3編があり、「オススメミライ」と「未来動向」は一部が重複します。
 文中の特徴的な単語を未来年表で「フリーワード検索」することで該当するデータを呼びだし、出処を確認することができます(公開対象は2150年まで、2151年以降はLABへ)。
 ※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味します。
  例)2020*=2020年度

【オススメミライ】
2022 NATOの戦略コンセプトが新しくなる(12年ぶり)
2023 図書館の蔵書、資料をオンライン送信するサービスが可能になる
2023 京都府が6時間前の洪水予測を実現(現状は一部河川の3時間前)
2023 FRBがこの年2回利上げする(急速な経済回復)
2023 JR木次線の観光列車「奥出雲おろち号」の運行が終了
2023 広島でスマート農機をシェアリングするアプリが完成
2024 浜松市が国内最大級のビーチコートをオープン
2024 首都圏の3次元地図が完成(地下構造、地質を可視化)
2024 静岡で世界最大級の植物工場がレタスの生産を開始
2024 京都の冷泉家が伝統工法で土蔵を復元(春)
2024 英国の最低賃金が中央値の2/3に引き上げられる
2025 蓄電池の劣化を早めに把握できるようになる
2025 この年までに平均気温が1.5度以上高い年が生じる(確率40%)
2025 保育所が定員割れになる(利用児童は約300万人でピーク)
2025 北海道仁木町が新しい道産ワインを出荷
2025 再生可能エネルギーのコストが石炭火力より安くなる
2025 造船大手が全長300メートルの水素運搬船を建造
2026 流通大手が執行役員の女性比率を3割に高める(現状は約1割)
2026 米IT大手が量子コンピューターをクラウド提供(2024-26年)
2026 トキが本州の空にかえる(本州での放鳥)
2026 米フロリダ州の最低賃金が15ドルになる(現状は8ドル台)
2028 民間AMラジオ44局がFMに転換(総数は47局)
2029 超音速旅客機が東京―サンフランシスコ間を10→6時間に短縮
2029 海運大手がアンモニア燃料の船を本格導入
2029 米国で超音速旅客機の商業運航がはじまる
2029 米国で新型小型原発の運転がはじまる(出力60万キロワット級)
2030 ISSの運用がこの年まで継続
2030 日米共同の超音速旅客機開発が実現
2030 NATOが「NATO 2030イニシアチブ」に取り組む(2021-30年)
2030 バイオエコノミー市場が約200兆円の規模に成長(AI、ITと融合)
2030 アルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」の最終報告がまとまる
2030* 長野が温室効果ガス排出量を60%削減する(2010年度比)
2043 自治体の水道料金が43%値上げされる(3人世帯で4642円)
2050 地球規模の環境保護に総額8兆ドルの投資が必要になる
2070 人間のあらゆる認知能力を超えたAI全能兵器が登場
102022 オリオン座ベテルギウスの超新星爆発がこの年以降になる

【未来動向――基本編】
2022 妻に合わせた男性の産休が普及(10月)
2022* 政府のマイナンバーカードが全国民に普及(骨太の方針)
2022* 「みなし輸出」の管理が強まる(骨太の方針)
2022 政府が財政健全化の目標年度を再確認(骨太の方針)
2022* 有人地域でのドローンの目視外飛行が可能になる(成長戦略実行計画)
2022* 転出転入の手続きがオンライン化(規制改革実施計画)
2022 民事裁判手続きのIT化が進む(規制改革実施計画)
2022 原発の処理水を海洋放出するための海域モニタリングがはじまる
2023* 5Gの地域カバー率が98%に高まる(骨太の方針)
2023 空飛ぶクルマの事業化が可能になる(成長戦略実行計画)
2023 大企業の育児休業取得率が公表される(従業員1000人以上)
2024* 社会保障費の増加が高齢化による分にとどまる(2022-24年度)
2024 企業誘致、移住に取り組む地方公共団体が1000に増える
2024 相続登記が義務になる(所有者不明の土地対策)
2025 行政手続の98%がオンライン化する(総数は約2万2000件)
2025 勤務間インターバル制度の導入割合が15%以上になる(過労死防止)
2025 大学入学共通テストが6教科8科目になる(現状は5教科7科目)
2025 週労働時間60時間以上の人が5%以下にとどまる(過労死防止大綱)
2025 年次有給休暇の取得率が70%以上になる(過労死防止大綱)
2025* 公正証書の作成手続きがデジタル化(規制改革実施計画)
2025 小学校が少人数学級になる(中学校は検討中)
2026 政府がデジタル時代の官民インフラを完成(骨太の方針。2021-26年)
2026 AI、量子などの研究開発に官民が120兆円を投資(成長戦略実行計画)
2026 スマートフォンを使える60歳以上の割合が70%に高まる
2030 G7が陸域と海域の各30%以上を保護区にする(生物多様性)
2030 洋上風力発電1000万キロワット分の案件がまとまる(成長戦略実行計画)
2030 水素ステーションが1000基整備される(成長戦略実行計画)
2030 EVの急速充電設備が3万基に増える(成長戦略実行計画)
2030 電動車の経済性、利便性がガソリン車なみになる(成長戦略実行計画)
2030 地熱発電施設が2倍に増える(規制改革実施計画)
2030 国と自治体の建物土地の半分に太陽光パネルが設置される
2030 外国企業の対日投資残高が80兆円に拡大(2020年末は39.7兆円)
2030 米国の洋上風力発電導入量が30ギガワットに達する
2030 英国の浮体式洋上風力発電が1ギガワットに達する
2030 北極評議会8カ国がこの年まで北極圏の「戦略プラン」に取り組む
2030 CO2から作った合成メタンが事業化に成功。都市ガスの1%を代替
2031 政府が2兆円の基金で技術革新を支援(10年間。成長戦略実行計画)
2040 小型商用車の新車がすべて電動車になる(乗用車は2035年)
2040 洋上風力発電3000万-4500万キロワット分の案件がまとまる(成長戦略実行計画)
2040 国と自治体の建物、土地すべてに太陽光パネルが設置される
2050 人が身体、脳、空間、時間の制約から解放される(ロボット技術)
2050 超早期の疾患予測、予防が実現する(未病)
2050 人と共生するAIロボットが登場
2050 地球環境を再生する資源循環が実現
2050 生物機能の研究が持続的な食料供給を可能にする
2050 汎用量子コンピューターが実用化
2050 100歳まで人生を楽しめる医療、介護が実現
2050 CO2から作った合成メタンが都市ガスの90%を代替

【未来動向――市場編】
2023 FRBがこの年2回利上げする(急速な経済回復)
2025 再生可能エネルギーのコストが石炭火力より安くなる
2025 中国が穀物、鉄鉱石、銅など商品の価格管理を厳しくする
 (第14次5カ年計画)
2025 白物家電と食材を定額で提供する事業が20億円の黒字を計上
2025 IoTシステム基盤の国内市場が2.2倍に達する(2312億円)
2025 エッジコンピューティング基盤の国内市場が1061億円に拡大
2026 スマートフォンを使える60歳以上の割合が70%に高まる
2027 データのストリーム処理が約5兆円市場を形成(2020年比で11倍)
2028 顔認証の世界市場が1.3兆円の規模に拡大
2030 米国の洋上風力発電導入量が30ギガワットに達する
2030 CO2から作った合成メタンが事業化に成功。都市ガスの1%を代替
2030 バイオエコノミー市場が約200兆円の規模に成長(AI、ITと融合)
2030 世界の(陸上)風力発電導入量が1787ギガワットに達する
2030 世界の洋上風力発電導入量が228ギガワットに達する
2030 グリーン産業の投資が90兆円の経済効果と850万人の雇用を生む
2030 EVバスが世界で300万-500万台普及(現状は50万台)
2030* 電力大手が再生可能エネルギーの発電量を約3割増やす
2030 超音速旅客機が1000-2000機需要される(今後10年)
2035 台湾の洋上風力発電導入量が15.5ギガワットに達する
2035 乗用車タイプのEVが世界で1969万台販売される(全体の18.5%)
2035 国内のEV販売が41万台に拡大(約11倍。割合は11.7%)
2035 HV、PHV販売台数が国内で約5割を占める(約170万台)
2040 日本の洋上風力発電導入量が30-45ギガワットに拡大
2040 ドイツの洋上風力発電導入量が40ギガワットに拡大
2050 CO2から作った合成メタンが都市ガスの90%を代替
2050 世界の(陸上)風力発電導入量が5044ギガワットに拡大
2050 世界の洋上風力発電導入量が1000ギガワットに拡大(40倍)

【未来動向――クルマ編】
2022 新型車にバックカメラの搭載が義務付けられる(5月以降)
2023 東京モーターショーが再開(テーマはグリーン&デジタル)
2023 新型車に燃費記録装置の搭載が義務付けられる(10月以降)
2023* 日産が電動車の年間販売100万台を達成(現状は同18万台)
2024 すべての新車がバックカメラを搭載(5月以降)
2024 すべての新型車が実燃費を計算、記録する機能を搭載(10月以降)
2024 日産がEV約70万台分の電池工場を稼動(投資額は2000億円超)
2025 EUのEV生産台数が年間330万台に達する(全体の24%)
2025 すべての新車が燃費記録装置を搭載(10月以降)
2025 マツダが新しいEVを3車種発表(日欧米市場向け)
2025 米GMがEVと自動運転技術に350億ドルを投資
2025 ホンダが栃木県真岡市の部品工場を閉鎖(雇用は維持)
2025 米フォードがEV開発に300億ドル以上を投じる(2021-25年)
2025 マツダが合計13車種を日中欧市場に投入(EV3、HV5、PHV5)
2030 EVバスが世界で300万-500万台普及(現状は50万台)
2030 電動車の経済性、利便性がガソリン車なみになる(成長戦略実行計画)
2030 全国に1000基の水素ステーションが整備される
2030 EUのEV生産台数がガソリン車を上まわる(年間670万台)
2030 独BMWが全固体電池搭載車を発売
2030 国産全固体電池のコストがリチウムイオン電池と肩をならべる
2030 スウェーデンの電池メーカーが年産150ギガワット時を達成
2030 国内の急速充電器が約4倍(3万基)に増える
2035 乗用車タイプのEVが世界で1969万台販売される(全体の18.5%)
2035 国内のEV販売が41万台に拡大(約11倍。割合は11.7%)
2035 HV、PHV販売台数が国内で約5割を占める(約170万台)
2035 トヨタがCO2の工場排出を実質ゼロにする(世界が対象)
2035 タイが東南アジアのEV生産拠点になる
2040 小型商用車の新車がすべて電動車になる(乗用車は2035年)

■影響の大きなレポート、活動
 今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。

【海外】
・主要7カ国(G7)首脳会議合意文書「ネイチャー・コンパクト」最終調整
・北大西洋条約機構(NATO)改革指針「NATO 2030イニシアチブ」
・北極評議会閣僚会議「閣僚宣言」「戦略プラン」採択

【国内】
・政府「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針)
・政府「成長戦略実行計画」(閣議決定)
・政府「規制改革実施計画」(閣議決定)
・政府「まち・ひと・しごと創生基本方針」(閣議決定)
・政府、規制改革推進会議答申
・相続土地国庫帰属法(新法)の成立
・政府、ムーンショット目標7項目の研究開始
・改正育児・介護休業法成立
・国・地方脱炭素実現会議「地域脱炭素ロードマップ案」
・産業技術総合研究所の東京23区3次元地図開発
・厚生労働省「過労死防止大綱」(2015年)見直し最終案(3年ごと2回目)
・四国地方整備局「5か年対策プログラム」
・四国8の字ネットワーク(高速道路網)
・川崎重工業の水素船実用化工程発表
・宇宙航空研究開発機構(JAXA)、IHIなどの
 「ジャパン・スーパーソニック・リサーチ」(JSR)

【企業/大学全国区】
・川崎重工業の水素船実用化工程
・中部電力、日本エスコン、スプレッドの「テクノファーム袋井」建設
・日本GLP「GLP ALFALINK流山」
・千葉商科、国際基督教、上智など9大学の「自然エネルギー大学リーグ」設立
・ルイス・A・デルモンテ「AI・兵器・戦争の未来」東洋経済新報社

【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・ニセコマウンテンビレッジ開発事業住民説明会
・福島駅東口地区市街地再開発組合事業計画書
・京都府と京都大学(防災研究所)の洪水予測システム共同研究

■後記
 骨太の方針をはじめとする政府4計画とその関連の未来が多くを占めています。地球環境はより厳しい転換をわたしたちに迫っています。政策が多いせいかどこか重厚長大な印象が付きまといます。そんな未来をまとめてオミットして眺めてみてはいかがでしょうか。国際情勢の外から影響してくるもの、急角度で入ってくる未来が、シナリオ分析を難しくしている気がします。次回の未来年表をおたのしみに。

 その他、未収録の未来などは次のとおり。
 毎月20日の締切までに話題になった1カ月分のみを掲載しています。

【今月登場した近未来】
・処理水放出方法の発表(夏)
・男性の育児休業を容易にする包括パッケージ(年内)
・会社設立時の定款認証に関する公証人手数料値下げ(2021年度中)
・農山漁村の再生可能エネルギー導入目標
・交通違反の反則金の振り込み納付
・最低賃金の全国平均1000円(早期)
・ソニー製EV「VISION-S」国内公道実験(年内)

【今月登場した未収録の未来】
・ダンテ・アリギエリの有罪無効(没後700年)
・EUガソリン車禁止(2035年)
・EU再生可能エネルギー電源65%(2030年)
・G7_国際的な法人税の最低税率、デジタル課税合意
・多数の衛星網を構築するメガコンステレーション計画
・中国、産児制限緩和(3人まで)
・新築住宅への省エネ基準適合義務化
・オール九州の長崎IR誘致
・国公私立学校の教室面積拡大
・子宮移植容認
・水産物の取扱金額、数量の減少傾向(東京)
・高速道路の永久有料化
・宇宙開発と軍事との線引き
・タクシーメーターに代わるソフトメーター導入

【今月決着した未来】
・アジアゾウの北進(中国雲南省)
・COVAX(コバックス)の新型コロナウイルスワクチン不足1億9000万回分
・運用中の人工衛星は3372(米56%、中12%、ロ5%、2020年末)
・米ロ戦略的安定対話の再開(6月16日)
・EUの発電比率で再生可能エネルギー>化石燃料(2020年)
・ウィンドウズOSのクラウド化
・中国独自の宇宙ステーション中核施設打ち上げ成功(4月)
・高齢者医療確保法改正案、国民投票法改正案、衆院可決→参院
・少年法改正案可決成立(5月21日)
・国、建材業者にアスベスト被害賠償責任(最高裁判決5月)
・個人向けiPS細胞の保管サービス開始
 (山中京大教授「マイiPS」の2025年目標に民間が先行)
・アルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」米食品医薬品局(FDA)条件付き承認
・政府のムーンショット目標研究開始(目標年は2050年)
・紙たばこ初の1000億本割れ(前年比16.3%減)
・ホンダ、燃料電池車(FCV)生産中止(EVを優先)

【今月の未来語】
・3次元地図(産業技術総合研究所)
・AM停波(民間47局)
・EVバス
・JR福井駅西口(再開発)
・NATO 2030イニシアチブ
・アデュカヌマブ(認知症の新薬)
・アンモニア燃料
・エッジコンピューティング(IoT)
・オーバーチュア(超音速旅客機)
・カーボンリサイクル高炉(JFE)
・海域モニタリング(福島)
・改正育児介護休業法
・顔認証市場(成長市場)
・勤務間インターバル制度
・グリーン&デジタル(自工会)
・洪水予測システム(京大)
・合成メタン(経産省)
・小型原発開発(米)
・最低賃金15ドル(米)
・四国8の字ネットワーク(高速道路網)
・自然エネルギー大学リーグ
・ジャパン・スーパーソニック・リサーチ(JSR)
・小中の少人数学級(文科省)
・水素の運搬船(川崎重工)
・水道料の値上げ
・ストリーム処理市場(成長市場)
・全能兵器
・相続土地国庫帰属法(新法)
・男性の産休(改正育児介護休業法)
・デジタル時代の官民インフラ(骨太の方針)
・特色入試(愛知私学協)
・ネイチャー・コンパクト(G7首脳会議)
・ネットスーパー
・農業版MaaS(県立広島大)
・バイオエコノミー社会(OECD)
・ビーチ・マリンスポーツの聖地(浜松)
・福島駅東口(再開発)
・ベテルギウスの超新星爆発
・保育所過剰時代(厚労省)
・夜間中学(文科省)
・米子駅ビル(再開発)

【用字用語】
1)平櫛田中=ひらくしでんちゅう(人名:彫刻家)
2)金峯山寺=きんぷせんじ(寺院:奈良)
3)井原市=いばらし(地名:岡山)
4)木次=きすき(地名:島根)

以上、お知らせいたします。

※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2021年7月号」
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Future Lab MIRAIJIN
http://miraijin.jp/
代表:岡部昌平(okabes@miraijin.jp)
※問い合わせは:info@miraijin.jp
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