見出し画像

100人いたら100通りの子育て取材みんな違ってみんなイイ!          №①平岡早苗さん

 「おかあさんのがっこう」の学校祭特別企画としてスタートした、100人のお母さんに取材させて頂くこの企画。お一人目の取材記事を掲載させて頂きます。

『おかあさんのがっこう』は2018年に北海道帯広市で開校した、お母さんが運営するお母さんのための学校です。詳しい活動内容はこちらをご覧ください。


100人いたら100通りの子育て取材 №1 平岡早苗さん

この企画をスタートさせるにあたり、実際に取材させて頂くお母さんに取材オファーをし始めました。お一人目をどなたにしようかと考えながら、最近お会いした方にこんど取材させてくださいねとお願いしていたものの、なかなかお一人目が決まらない。


そんな中、ふと思い浮かんだ平岡早苗さんのお顔。
三男の幼稚園時代に同じ幼稚園のお母さんで、いつも素敵な笑顔で挨拶をしてくれ、子供さんと接する時も子供の目線でお話されていたのが印象深かったのです。


そうだ、早苗さんに取材依頼をしてみよう! 幼稚園を卒園して4年、その間プライベートで会うことがなかったにもかかわらず、取材を快諾してくださいました。
普段は芽室町内の様々な活動団体を支援するお仕事をされてお忙しい中、取材はビデオ通話を使ったオンラインで行われました。


 ビデオ通話の画面であのいつもの爽やかな笑顔にお会いすることができました。今回は夜の9時から、スタッフは私と松村友香理さんの二人で早苗さんのお話を伺いました。


早苗さんがいつも子供と向き合うときに丁寧に受け答えしている印象が強かったのでまずはそのことを聞いてみました。


「以前、保健師さんにどんな子育てをしたいかと聞かれたんです。私は子供のありのままを受けとめてあげる子育てがしたいと答えたんですね。保健師さんには難しいですねと言われたんですが(笑)」


そんなふうに子育てをしたいと答えたという早苗さん。何かそう考えるきっかけがあったのでしょうか?と聞くと、

「子育ての根底にある親子関係は力関係です。自分も親との関わりで経験しているので。子供に話したことは子供にはストレートに入ってしまう。いつもニュートラルな感じのお母さんの立ち位置でいたいと思うんです。」と。


確かに、どうしても親のほうが圧倒的に力関係が上になってしまうのは当たり前のこと、親のほうが知識も経験もあるからついつい子供たちには強い親を見せてしまいがちになるけど、早苗さんの子供と接するベースの考え方がニュートラルというところにあることにただただ感心しました。


 2014年に東京からご家族で親戚も友人もいない芽室町に移住された早苗さん。子育てで困ったことはなかったですか?と聞いてみました。


「インフルエンザでほぼ一か月休んだ時、もう割り切りました(笑)。職場には子育ては病気との付き合いと割り切ってくれた職場の理解があったから。

なので、こどもが体調を崩して休む時は、ごめんなさいと同じくらい、ありがとうございますを伝えてきました。

子どもの耳にも自分のせいで仕事を休む申し訳なさより自分たちを支えてくれる人達への感謝をきかせたいな、という思いもありました。

逆に彼らが大人になったとき、子育て中の方のフォローをしてほしいなという願いもこめています。『みんなで子育て』をいい形で続けていきたいです。」


早苗さんの温かさ、人に対しての温かな想いが子ども達にも伝わって、受け継がれているそんなふうに感じます。

子育て中辛かった事を伺うと、

「ありましたね。何とか乗り切りました。子どもの前でも辛い気持ちを子どもが分かるように言葉にするんです。あと書き出してみたり。

辛い気持ちを見せないで頑張っちゃうと、無理をしてしまう。同じ空間に不機嫌な人がいるのは家庭の雰囲気が悪くなるから、子どもに知っておいてもらえるように反省会なんかもしました。」

子育てで大事にしている事を伺いました。
「心の底から笑うことを大切にしています。明日終わってしまうかもしれない。明日終わっちゃうかもという想いで毎瞬間を大事にしたいです。」と。
そして、一冊のノートを見せてくださいました。


「これは最初いつ病気したかカルテのように記録していたのですが、家族の系譜や、その時々に話した子どもの言葉や、子どもの独特な歌などを子どもが生まれてからずっと記録しているんです。」


すぐに大きくなってしまう、子ども達の一瞬一瞬を大切に記録したノート、子どもさんが大きくなって一緒に振り返るのも素敵でしょうし、かけがえのない一冊の母子の記録は本当に素敵だなと思いました。

最後に10年後、子育てを振り返った時、どんな子育てだったと思いますか?と質問しました。
「一緒にいっぱい遊んだな~と、願わくば、10年後も一緒に遊んで欲しい(笑)」と、

最近はカードゲームやボードゲームで新たな繋がりが生まれているそうです。

「子どもは一人のコミュニケーションをする相手だと思っています。それは赤ちゃんの時でも同じで、赤ちゃんなりのコミュニケーションの取り方でコミュニケーションをとって、少しづつ言葉のコミュニケーションが成り立っていきます。コミュニケーションをとることで、心地いい空間を毎日作り出していくことを心掛けています。」
コミュニケーションをとる人として子どもを捉える姿勢、子どもといつも同じ目線でいる早苗さんの素敵さが現れている言葉だと思いました。


いつも素敵な笑顔で子どもにも、周りにも心地よい爽やかな風を吹かせてくれるようなお人柄の早苗さん。早苗さんの子育てのお話を聞いて、大切にされている事や、想いを知ることが出来ただけではなく、私にとっても子育ての前に人間に対する根本的な誠実さ、誠意、愛など多くの学びがありました。

この企画の初回からこんなに素敵な多くの学びと気づきを与えられ、これがあと99回続くと思うとわくわくが止まりません。


貴重なお話を聞かせてくださった平岡早苗さん、ありがとうございました。


お話をうかがっている途中、早苗さんの長男君が「眠れない、どうしたらいい?」と途中お話を中断する場面がありましたが、丁寧に対応している早苗さんのやりとりをほほえましく見ることが出来ました。遅い時間まで付き合ってくれた長男君にも感謝します。

平岡早苗さんプロフィール

画像2


東京都出身、芽室町在住、NPO法人まちづくりプラットホームめむろ勤務。小学校4年生の長男、2年生の次男、ご主人の4人家族。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?