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100人いたら100通りの子育て取材 №.3 横山 麻悠美さん


『おかあさんのがっこう 魅力プロジェクト』 みんな違ってみんなイイ 100人いたら100通りの子育て取材 第三回目の取材は横山麻悠美さんにお話をお聴きしました。

『おかあさんのがっこう』は北海道帯広市で開校し、お母さん達が運営しています。お母さん、そして女性のための、はたまた家族に向けて様々な授業を企画しています。今はオンラインで授業を行っています。詳しい活動内容はこちらをご覧ください。



今回、取材に応じてくださったのは横山麻悠美さんです。清水町の御影にある素敵な古民家を改修したふるカフェかまくらやさんでお話を伺いました。

麻悠美さんにお話を伺おうと思ったのは、麻悠美さんのお子さんが食物アレルギーをもたれており、保育所と様々なやり取りをしていることや、食を大切にされていることを、以前聞いたことがあったので、詳しくお話しを聞いてみたいと思ったからです。

今回はおかあさんの学校の教頭である樽見真樹子さんも取材同行し、三人で子育ての話や仕事の話など様々な話に花が咲きました。

麻悠美さんは函館市出身。まずは十勝に来られたいきさつを伺いました。
介護の勉強が出来る短大がまだ道内に数か所しかなく、音更町の大谷短大が介護の学科を設けていたので、進学のために十勝に来られたそうです。
その後、十勝の高齢者施設に就職しご結婚されるまでの18年間、介護のお仕事を頑張っていたそうです。
麻悠美さんと話していると、何を話しても話題が豊富で、お話しすることも聴くことも上手な印象があったのですが、介護のお仕事でもたくさんの高齢者の方やご家族の方とも親身になって、お話しをされていたのだろうと想像できました。

麻悠美さんには4歳になる男の子、2歳になる女の子のお子さんがいます。
まずは4歳のご長男を出産した時のお話しを伺いました。
「37歳まで仕事びっしりだったので、結婚しない人生かもと思っていた時もありました。でも、飽きたというか、他の誰かのため、大切な人のために生きる人生もいいなと思ったんですね。そんな時に今の夫に出会いました。」とご結婚された時のことをお話しくださいました。

「年齢も年齢だったので子どもはいない人生かもしれないと考えたこともありました。」と。
でも、結婚したらやはり子どもが欲しいなと思い、その時お世話になっていた婦人科の医師からは子どもを望める確率はかなり低いと話されたそうです。
「でも、その少し後に妊娠が分かりました。病院側でもかなり驚いていたみたいです。」と奇跡的に妊娠されたことをお話してくれました。


「子どもはあまり好きでなかったんです。でも、我が子を見て抱いてみて本当に可愛いなと思って。3歳や4歳までの時期って可愛いですよね」と。
長男の琥汰朗君を出産された年はちょうど北海道を三度も台風が直撃した2016年の8月だったそうで、麻悠美さんの住む清水町も大きな被害を受けた日だったそうです。


「たまたま予定日より数日早く帝王切開が決まって、夫が立ち会えたんです。雨が強くなり、消防に勤める夫も職場から呼び出しがあり、その後は職場から帰ってこられませんでした。」と、当時は入院中で災害のニュースもあまり入ってこなく心配だったようです。

子どもさんが少し大きくなり保育園の一時保育を時々利用するようになり、保育所でだされるおやつや、アレルギー対応について疑問が生じたといいます。


麻悠美さんが介護のお仕事をされている時、高齢者の方をショートステイでお預かりする際はたくさんの情報を得て、自宅にお帰りになるまで安全にお預かりできるように細やかな配慮をされてきていたそうです。
自分の子供を保育所に預ける際、食のこと、薬のことなど保育園が把握する情報があまりにも薄く、その違いに驚かれたとか。


食物アレルギーについて保育園の知識や意識が低いこと、知らないことや気付いていないことなど、しっかりはっきり伝えてきたという麻悠美さん。


ある時、二歳の娘さんに今まで食べさせたことのなかった甲殻類の食べ物をそろそろ食べさせてみてと保育士さんから言われたそうで、
「アレルギーのある子どもに食べさせたことのないものを、試しに食べさせることがどんなにリスクが高く、親の方はどんなに大変な想いでいるか、アレルギーを知らない保育士さんや、アレルギーを経験していない人には分かりずらく、まだまだ知られていないのかもしれません。私自身も子どもの食物アレルギーに関わらなければ分からないことでした」とお話しくださいました。


子どもの命に関わることなので、親として当然なのだと思いますが、麻悠美さんの毅然とした態度、アレルギーへの理解の低い保育園に対してあきらめずに向かい合う姿勢は同じくアレルギーの子供を持つ保護者の希望にもなるかと思いました。

「私が経験していることを話すことで同じ悩みをもつ方に少しでも参考になればと思うんです。」と話してくださいました。
現在、パウダリーアロマや無添加のお菓子などを販売されるお仕事をされていますが、お客さんがほっとそんなお話しをできる場にしたいそうです。


そして、介護職を長くされてきたからこその視点で子育て世代を見つめていました。
「私の世代は子育てをしながら、高齢の親の介護の両方を抱える世代でもあるんです。
赤ちゃんから寝たきりの人まで受けられる耳ケアセラピーをしたいとも思いました。
そして、高齢な親には言えないことなども、ちょっと話せるような、聴けるようなそんな場所を作りたいと思っています。」と話してくださいました。

麻悠美さんが長く介護職をされてきたことで培ってきた様々な経験があるからこそ、子ども達の安心安全を大切に考えていること、そして、どんなことが起こっても受け止めてくれるような器の大きな麻悠美さんを感じました。
食に関してあれもこれもダメという割には子供が伸び伸びしているといわれるそうです。


「親がうちの子可哀そうって思うのが可哀想だから、何か食べれないものがあるからって可哀そうだって思っていません」と話されました。
きっと、子ども達を見つめる大きな眼差しの中、ゆったりと接しているのだろうと思います。


4歳のご長男は誰かが家に来ると「ちょっと上がってご飯でも食べてけ~」とまるで、おじいちゃんが言うようなことを話すんだそうです。
なんだかほっこりとあったかくなります。

今回、麻悠美さんのお話しを聴いて、赤ちゃんから高齢者まで、大切な命を預かる責任の大きさ、真剣さ、愛情、想いやり、あたたかさを感じました。
麻悠美さんが経験したことも今後誰か同じようなことを経験する人に勇気を与えてくれることと思います。

貴重なお話を聴かせてくださりありがとうございました。

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横山麻悠美さん プロフィール
函館市出身 短大卒業後、介護士、介護支援専門員として長年勤務される。現在はパウダリーアロマ、耳ケアセラピストを主催するwakota主催。
HOCORU認定べビマセラピスト。4歳長男、2歳長女、ご主人の4人家族。

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