【レシピ】超カンタン![手作りドレッシング]でつくる春の果物たっぷりまかないサラダを日記感覚で書いてみた。と、見せかけてサラダとドレッシングを深く考察してみた話。
前置き
2020/4/15
休み明け出勤。
意気揚々と厨房へ入り、料理長&諸先輩方の出勤前に一通りの準備を済ませ、営業の仕込み開始。
小一時間、仕事を進めていくと、いつも通り料理長が誰へと言う訳でもなく訊ねます。
料理長「今日のおひるごはん係だれー?」
誰か「おかです」
ぼく「え、ぼくすか」
厨房の隅に貼り付けられた今月のまかない当番カレンダーを見ると、
4/15 おか
とはっきり書いてました。
ドバババーっと頭の中で献立を考えます。
コロナウィルスの影響で、お客さんも少なめでしたので、アシのハヤい(すぐ痛む)食材は早めに使っちゃわないと!
てなわけで、メインはぼくの好きなトマトクリームパスタ。
あとはパンとサラダかなー。
お、そや。
時間あるし、今日はドレッシングから作ってみよう!
ここからが本題です。
今回はクリーム系のパスタに合わせるので、
サッパリ系の、フルーティーな感じで(ていうかフルーツ)、軽やかな口当たりのドレッシングを作ってみました。
材料と作り方、最後にはポイントというか、コツというか、豆知識というか……もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
材料
【ドレッシング(作りやすい分量)】
◆フランボワーズビネガー/80g
◆アップルビネガー/40g
◆オリーブオイル(お好みのもの)/80g
◆レモンオイル/20g
◆はちみつ/10g
◆タイム(フレッシュ)/1枝......細かく刻んでおきます
◆レモン汁・塩/少々
◇お好みのサラダ野菜
◇お好みのフルーツ
作り方
ドレッシングの材料を全てボウルに入れ、泡立て器で混ぜます。
味を見ながら、基本的には塩・レモン汁で調整しましょう。
はい、ドレッシングの完成です。
コツやポイントは最後にまとめますね。
続きまして、フルーツをカットしていきます。
今回使ったフルーツは、
いちご、温州みかん、ニューサマー清美、キウイフルーツ、ブラッドオレンジです。
ブラッドオレンジのみ、色素のアントシアニンが他の果物に当たって、色移りしないように別のパイ皿に乗っけてます。
ここまで順調。予定通り。
でも、そんな簡単には終わりません。
ふと、別のパイ皿に隔離されたブラッドオレンジが
『俺を刻んでくれ』とぼくに伝えてくるのです。
はい、刻みました。
にしてもこの真っ赤なジュース。
これを活かさない手はないですね。
よほどの包丁研ぎ名人でない限り、果肉を刻むとまな板の上にジュースが溜まると思いますが、しっかり使い切ってくださいね。
完成したはずのドレッシングに混ぜちゃいましょう!!
さっきまでのドレッシングより、さらにフルーティーでさっぱりとした風味に仕上がりました。
作る過程で『やっぱこうしてみよう!』がうまくいったとき、めちゃめちゃ高ぶりますね。レシピに縛られないのも料理を楽しむコツのひとつかもしれません。
続きまして、葉野菜に味付けしていきましょう。
まずいちばん初めに、大きめのボウルに葉野菜を入れて、軽く塩胡椒を馴染ませます。続いてドレッシングを加えます。
ここ、意外と重要です。解説は後ほど!
ドレッシングの量は、味見しながら味見しながら調節してくださ......
.......ん?
白いの、なんぞや?
こちらはスライスした大根です。
厨房あるあるですが、
『これ、使います?要らないなら捨てますけど?』
みたいな会話がよくあります。もちろん使えるものは使います。
が、
使えないっぽいものを使いこなせてこそ、本物のコックさんだなぁとぼくは思います。
捨てるなんて言語道断。
『余った食材をどうするかがお前の仕事やとは思わんか?』と、この厨房に入ってすぐの頃に料理長に言われ、両手いっぱいのセルフィーユをどうするか、頭を悩ませたことがあります。(ちなみにその時は枝豆と合わせてポタージュにしました)
スライス大根と一緒に面白い野菜も回ってきました。
『クレイトニア』と言います。
花らしいです。
食感は癖がなく、瑞々しい歯触りですが、水分が口の中に広がるというわけでもなく、ほのかな甘みがあります。
見た目もキュートなクレイトニア。いろんな料理に使えそうですね!
話が逸れました。
葉野菜と手作りドレッシングをボウルで煽り、馴染んだら盛り付けです。
ポイント、解説、コツ、豆知識
ここからは、今回紹介したレシピを少しだけロジカルに解説していきます。
わかりやすくお伝えするために、Q&A(自己完結型)でお送りいたします。
Q&A 目次
Q1. 塩胡椒をドレッシングに加えないで、先にボウルの中で葉野菜と馴染ませる理由は?
Q2.ドレッシングも先に混ぜちゃうのは?
Q3.フランボワーズビネガーなんて家にないけど、お酢ならなんでもいいの?
Q4.材料のハチミツは入れなくてもいい?高いし。
Q5.ビネガーとオイルと、2種類ずつ入れてるけど何か理由があるの?
Q6.作りやすい分量って、これ結構な量できたけど余ったドレッシングは保存可能?
Q7.もしかしてこれ、いろんなドレッシングに応用できる?
Q1. 塩胡椒をドレッシングに加えないで、先にボウルの中で葉野菜と馴染ませる理由は?
A.美味しいドレッシングが作れたところで、美味しいサラダが作れるとは限らないからです。
【解説】
先ずは塩胡椒、主に塩の役割について考えてみましょう。このレシピでの塩の役割は、下味と脱水です。
どんな料理でも下味の塩は欠かせません。味の土台となり、塩だけでも人の舌は美味しいと感じるようになっています。ただし強すぎてもダメ。諸説ありますが、個人的にはだいたい1%の塩分濃度がどんな料理でも美味しく仕上がると感じています。(あくまで目安です!)ポイントは仕上がったときのサラダ全体の塩分濃度とその日の食事全体の塩分濃度、塩分量を考えて調整すること。
今回はメインがトマトクリームパスタでした。重たいテイストにならないように心がけて作りましたが、どうしてもジャンルの壁は超えられません。生クリームを使うため濃厚な食味の部類であること、パスタというそもそも塩とオリーブオイルがモノを言わす食べ物と合わせるのですから、合わせるサラダの塩分は必然的に控えたくなってきます。
ドレッシングそのものに塩分を加えてしまうと、サラダとドレッシングを馴染ませてからでは調整が難しくなりますよね。足すことはできても引くこととなれば、少々面倒です。
出来なくはないですけれども......ぼくたちのような環境であれば、厨房の冷蔵庫からちぎってある葉野菜を追加したり、常備されているいろんな調味料、ハーブやスパイスで誤魔化したりできますが、ご家庭だとまた野菜や果物をカットしたり......なんて考えたくないですよね。
はじめに土台となる塩分を決めてからドレッシングを加える方が確実でスムーズ、つまり効率的であることは間違いありません。
下味に加えてもうひとつ重要な塩の役割が脱水です。
野菜に塩を加えると浸透圧の効果により、野菜の中の水分が出てきます。
脱水された野菜の方がよりドレッシングの味が馴染みやすいことは明白です。
ポイントはあくまでも軽く、手早く。
塩分が多くて脱水しすぎたり、時間がかかりすぎると、せっかくの葉野菜のフレッシュ感が損なわれます。シャキシャキした歯ごたえやしっかりした瑞々しさは極力留めるように意識しましょう。ですから、野菜に塩を入れた後は迅速な調理が求められます。食器やトッピングの材料はしっかりと事前に準備しておきましょうね。
ここでのもうひとつの効果。
シズル感です。
これについては次のQ&Aと重複しますのでQ2.を参考にしてください。
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