見出し画像

新時代のメディア体験 : Apple Vision Proによる未来のメディアの形とは?【Spatial Column Vo.2】

Apple Vision Proの登場により、私たちのメディア体験は劇的に変化しようとしています。4Kに匹敵する解像度、立体的な表現、インタラクティブな機能がもたらす新たなメディアフォーマットの可能性を探り、未来のメディア体験がどのように進化するかを考察します。

こんにちは、ARスタートアップ Graffity CEOの森本です。
本記事では、Apple Vision Proを通してメディアの体験はどう変化するのかについて考察をしていきます。

サマリー

  • 立体的な表現により、Spatial Videoや3D映画が新たなメディアフォーマットとして登場しました。

  • フルイマーシブモード(VR体験)やパノラマビューの体験が向上し、よりリアルな映像視聴が可能になりました。

  • 4Kに匹敵する解像度とSpatial Audioによる実在感のあるメディアの体験が可能となりました

  • ハンドトラッキングによるインタラクティブな体験が実現しました。

  • World Tracking機能により、自宅やオフィス、イベントスペースに3Dコンテンツを配置し、メディアを楽しむことが可能になりました。

上記について詳しく見ていきましょう!


Spatial Video

Spatial Video(空間ビデオ)は、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Max及びApple Vision Proで撮影できる立体的な動画フォーマットです。この技術により、ユーザーは貴重な瞬間を立体的に記録し、思い出をよりリアルに振り返ることができます。
Apple Vision ProでSpatial Videoを視聴するには、Photoアプリから対象の動画を選択し、右上の拡大マークを押すことで没入感を高めることができます。
すでにSpatial Videoのプラットフォームはいくつか登場しており、その一つとして「Spatial Station」というApple Vision Pro向けのSpatialアプリがおすすめです。様々なSpatial Videoを見ることができます。

特に、旅行先での風景、子供の楽しんでいる様子、ペットと楽しんでいる様子などをSpatial Videoで撮影することで、思い出を立体感ある形で振り返ることができると感じました。
現在は、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Max及びApple Vision Proのみでの撮影となっていますが、すでに画像は生成AIによりSpatial Imageに変換することが可能となっており、今後の技術発展により過去の思い出をSpatial Videoとして視聴できる未来を実現することができると考えております。

フルイマーシブモード(VR体験)

Apple Vision ProのEnviroment機能を活用することで、360度のフルイマーシブ体験(VR体験)が可能になります。既存のHMDのMeta Quest 3と比較すると解像度は約1.9倍である4Kに匹敵する解像度になったことで、非常にリアリティのある没入体験をすることができます。
Apple Vision Proでは、ヨセミテ、月などのEnviromentが提供されており、ユーザーはヨセミテや月などの場所をリアルに体感することができます。
ファイルフォーマットは、jpgで可能となっております。
すでに生成AIを活用したフルイマーシブ体験のアプリがリリースされているので興味ある方はぜひ試してみてください。

家で自然を体感しながらリラックスしたり、よりリアルなVR旅行など、4Kに匹敵する解像度になったことで体験価値が上がり、メディアとして注目されると考えております。

パノラマビュー

Apple Vision Proでは、大画面でパノラマビューを楽しむことができます。今までパノラマビューはスマホで楽しむものであったと思いますが、画面が小さく楽しむには少し難しいメディアフォーマットだったと思います。
Apple Vision Proでは、4K並の解像度と広い視野角を実現しており、パノラマビューを没入感ある形で楽しむことができます。Apple Vision Proが普及することで、パノラマビューのメディア価値が上がることが予想されます。

3D映画

過去3D映画として配信された映画コンテンツを3Dで視聴できる体験となっています。現状はディズニーPlusを契約されている方のみ体験できます。
3D映画は自宅で楽しむことが難しいコンテンツで、基本的には映画館で楽しむのが中心でした。Apple Vision Proにより、3D映画の視聴が可能になり、3D映画のコンテンツ価値は高くなると考えております。

実在感とインタラクションのある新しい映像体験

4K並の解像度、立体的な映像、ハンドトラッキングを活用したインタラクティブ性、Spatial Audioを活かしたリアルさの演出により、実在感がありインタラクションが可能な映像体験を実現することができるようになりました。
Apple Vision Pro向けにAppleが提供している新しい映像体験「Encounter Dinosaur」は、Apple Vision Proならではの体験を活かした映像体験だと考えております。

「Encounter Dinosaur」では、動画を再生し人差し指を立てるようなジェスチャーをすると、蝶々が指に止まる演出から始まります。虫が嫌いな人は指を振り払うような反応をしたりするほど、蝶々は非常にリアルになっています。

その後はティラノサウルスが自分に対して接近してきます。ティラノサウルスに触れるジェスチャーをすると手の方向に反応したり、喰らいついたりします。あまりにもリアルすぎて、ティラノサウルスが喰らいつく動作をした際に、多くのユーザーは手を瞬時に引っ込めるほどです。
Apple Vision Proによりこのような、実在感がありインタラクションが可能な映像体験が新しいメディアフォーマットとして確立されると考えています。コンテンツ制作コストは一定高くあるので、どのようなビジネスモデルで提供していくかは論点ではありますが、ストーリーテリングをしたい映像体験には非常に相性が良いと考えています。

メディアを空間に配置する時代へ

Apple Vision Proでは、自宅やオフィスなどの空間へメディア及びコンテンツを配置することが可能です。具体的には、WorldTrackingを活用して、特定の場所にメディアを保存することができます。
つまり、自宅やオフィスに自分だけのデジタルレイヤーを作り、Spatial 時計、Spatial カレンダー、Spatial アート、Spatial スライドショーなどを置くことができるようになります。
今までメディアは画面内の体験に止まっていましたが、今後は現実を拡張したデジタルレイヤーに様々なメディアを配置し、デジタルなメディアが日常に溶け込むそんな時代になると考えております。
まだ上記のメディアを意識したアプリケーションはないですが、今後様々な空間に配置するメディア及びコンテンツが登場することでしょう。


Graffityでは、AR技術に特化した新規事業の企画・開発・運用改善まで支援するスタジオ「Graffity AR Studio」を運営しており、これまで累計25万ダウンロードを突破したARシューティングバトル「ペチャバト」や、グローバルに展開しているARシューティングバトル「Leap Trigger」など、ARエンタメを中心としたAR新規事業を推進しております。これらの知見を活かし、スピード感を持ってARを活用した新規事業をワンストップでサポートいたします。
また、Apple Vision Pro向けのSpatialアプリ「Ninja Gaze Typing」を開発期間1ヶ月でリリースしております。Apple Vision Pro開発の知見を活かし、Apple Vision Pro向けアプリの開発を支援する「Graffity Spatial Lab」を立ち上げました。

Apple Vision Pro向けにアプリをリリースされたい場合は、ぜひお問合せください。


Graffity株式会社では一緒に働く仲間を募集しています!
まずは話だけ聞きたいなどでも大歓迎です!!

会社について詳細はこちら👇

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?