みつえさーん
いつものように、「おやすみー また明日ねー」って枕元に周り頭を撫ぜた時、 あっいつもと違う。。。。
自宅で看取ります。と宣言した時、訪問医から死の間際の身体的特徴が、どの様に出るか詳しく教えていただいていた、その状態ってこれなのかしら?
あまりにも小さな変調で、気にしすぎかも?と思いながらも訪問看護師に相談しようと電話をかけた。「とにかく様子を見に行きます。」との返事。もう11時に近い。
布団をあげて足の爪を見る。爪の変色が始まっている。
このひと月毎日オイルマッサージを施している肌は美しく光っているが、血色がない。みつえさん本当に逝っちゃうの?
一生懸命息をしている。ちょうど猛ダッシュの後の呼吸のようだ、訪問看護師はまだ来ない。
母の全身摩りながら、『大丈夫、逝ってもいいよ。後のことはさゆりちゃんがなんとかするから、安心して、みつえさんはよく生き抜いたよ。大変な人生でも逃げ出さずに私を産んで育ててくれた、ありがとうね。」何度も何度も呟いた。母はもう話す力は残ってない。空気を吸い込むのに一生懸命だ。
おでこをさすり、顔を撫でてる時、私の指を唇で捕まえて離さない。言いたいことがあるのに言えないもどかしさがそうさせるんだろうな、とそのままにしてあげたかったけど、くすぐったくって引っ込めた。
『逝く時が来たら、安心して逝って良いよ。』そう言いながらもう抱き上げていた。足の爪はもう全部色がない。
肩を上げて息を大きく吸い込む呼吸に変わった。もっと大きく吸い込んだ時、あっ抱いてる感触が変わった。
人は息を吸って死んでいくんだと知った。
みつえさん私をこの世に迎えてくれてありがとう。育ててくれてありがとう。私はあなたの子供で良かったです。
最後の息を吸い込んだ後チャイムが鳴った。。。。
4年前の今日 母を看取った。
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