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【文献紹介】デジタルデバイスと紙の本で,子どもの学習に差はある?

1歳から8歳の子どもを対象に,紙で本を読む場合と,デジタルデバイスで読む場合とで文章理解度と語彙学習に違いはあるか?と言うことを調べた報告です.この研究では,メタアナライシスと言って多くの研究論文を集めて,それらをさらに解析した研究論文になります.

こちら
https://doi.org/10.3102/0034654321998074
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.3102/0034654321998074

要約をすると.
・1から8歳,1812名の子どもを対象とした.
・解析した論文数は39本.
・文章の読解力については,紙の本とデジタルデバイスとで差はなかった.(FIGURE3)

・語彙力に関しては,デジタルデバイスに優位性が認められたが,そこまでの差がある訳ではない.(FIGURE4)

ただし,
・デジタルではハイライトや読み上げなどの機能を使用する場合,理解度は低くなる.
・紙の本の場合でも,親によって読み聞かせや一緒に読むなどの介入がある場合,理解度は高いものとなることが報告されている.

などの条件設定によって効果の違いも報告されています.


本日のようにデジタルデバイスが発展している中で,まだまだ子どもの利用にまでは普及していない現状の中で,本研究結果はデジタル推進派の私としてはとても良い報告だなと思いました.

少し曲解になりますが,紙の本でも,デジタルでも,親による読み聞かせなどのサポートが有効である(と言うか少なくとも小学生に上がるまでは必要だし,8歳くらいでも有効性は高いのではないだろうか)し,機能を使用して自ら読むという行為が薄まってしまうと,どちらにしても効果は低下してしまうと言うことになると思います.

デジタルの発展を有効に使えるか.
親がサポートできるか.

当たり前のようで難しいのが学ぶと言うことなんだなと思いました.

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