3月26日㈫ 毛で人格は判断できない
・ホテルの部屋に人間がいた痕跡を消す仕事。
茶髪経済学部大学生のHさんが、合宿免許から帰ってくる。
「楽しかった」とのこと。
座学はオンラインで各自ホテルの部屋で1人で受講し、最初の1週間はホテルの部屋に籠ってひたすらずっと勉強していたらしい。
全然楽しそうじゃない。
と思ったが、後半1週間の運転実習が楽しかったとのこと。
最初は時速45kmでもめちゃくちゃ早く感じたが、路上に出てみるとむしろ遅く感じるらしい。
Hさんは教習所でその場その場で喋る友人もどきみたいなのは出来たけど、本人曰く「俺、陰キャなんで」とのことで、基本的に1人で行動していたらしい。
完全な偏見だけど茶髪にしている経済学部の大学生が陰キャなわけがないだろ、
と思ったがそういえばかくいう私も今ツーブロックおじさんであり、一般的にはツーブロックにしているおじさんが人見知りをするわけがないと思われているだろうが、実際私は1日中誰とも喋らない日が週に6日あるレベルの超絶人見知りであり、そもそもツーブロックにしているのも31歳にしてゴリゴリに薄毛になってきたから薄毛専門美容院でなるべく生えてるかのように見えるトリックアートのような散髪をしていただいた結果としてツーブロックになっているだけなので、なるほど、毛の形状や色で人格は判断できない、と気づかされた。
坊主のIさんは、最近自分が担当する12部屋のうちツインルームが3部屋くらい含まれていることが多いらしく、「チーフからいじめられているのかも」とちょっと疑っているそう。
おそらくチーフにはそんな意図はなく、Iさんの担当フロアが2階だからだと思われる。14階の人は行きも帰りもエレベーターをしばらく待ったりとか移動時間とかがあって戻る時間がどうしても遅くなるから、フェアにするために2階のIさんはツインルームが多めになっているのだと思う。
とはいえ、ツインルームが3部屋あると、12部屋担当っていってもベッドメイクするベッドが15個になるから、体力的に相当キツいはず。「平等」とか「公平」ってほんと難しい。
美術系女子大学生のAさんと今日は2フロア中2フロアとも一緒になった。
次の日のシーツやタオルを1部屋ごとのセットにして台車に積んでいく作業、をAさんが2フロアとも全部屋分やってくださった。
さらにAさんは、15時までに清掃終わらせればいいところを14時半には全ての部屋の清掃を終わらせて、余った時間で各フロアの備品の補充などまでしていた。
そんなに何から何までやってくださるとは、もしかして僕のことが好きなのかもしれない、とおじさんが危険思考に陥りながら「はやいっすね」と思わず声を掛けると、現役美術系女子大学生のAさんはベテラン白髪ロン毛熟女のAさんを崇拝していて、日々ベテラン白髪ロン毛熟女のAさんの仕事ぶりを目で盗みながらより効率的な作業方法はないかと日々模索しており、「私なんてベテラン白髪ロン毛熟女Aさんと比べたらまだまだですよ」と、ただ単にめちゃくちゃ向上心が高いだけだった。立派な御方。
・転職エージェントの人とZOOMで面談。
オフィスワークとか他の人の目がある職場だと緊張して適応障害になりがちだという相談をしたら、工場とか配達ドライバーとか清掃の仕事とかを提案していただく。
どの職種にしろやはり自動車の免許をとっておいたほうがいいということ。あとはフォークリフトの免許。
・人妻の家に行ってその家に住んでいる子供に知恵を授ける仕事。
いつも3階の子供部屋で指導しているのだが、ここ最近2階のリビングからお母さまと生徒さんの弟さんが言い争っている声が毎回聞こえてくる。
弟さんがかなり癇癪持ちなのもあり、お母さまも日中お仕事されてるのもあって疲れてるのもあるだろうし教育的にちゃんとしなくちゃというのもあるだろうし余裕が無くてイライラしてしまうのもあるだろうけど、来るたびに言い争いの激しさが増していて、心配。
授業が終わって2階へ降りたら、お母さまが巨大な焼酎のボトルを2本抱えた状態でご挨拶してくださり、ちょっとやっぱり心配。
もしお金が余っていましたら、ください。