地味だろうと語りたい裁判があるんです(窃盗) 傍聴小景#69
いつも私のnoteにお越しいただきましてありがとうございます。
このnoteには有料会員様向けと、会員様以外の方でも読める記事と両方用意しています。皆さまがお読みいただける記事というのは、YouTubeで動画化した裁判のリライトなので、方針は分かりやすいと思います。
では有料会員様向けの記事には何を載せているのか。
端的に言うと、僕がどうしても書きたいものです。
優劣ではないですが、自分の中で「note有料」「弁護士ドットコムニュース」「YouTube」の表現形態の区分けはなんとなくしています。
この中で、表現的にフルオープンにはできないというものや、特別感のあるコンテンツは優先的に有料版にしています。
ただ、それ以外に内容的には地味で他の媒体ではウケないかもだけど、どうしても語りたいんだ!というものも載せています。
そんな訳で今回は、事件そのものとしては割と地味なんですけど、僕としてはどうしても書きたく、そして皆さんがどう思うか気になる記事でございます。
はじめに 〜珍しい20代女性の犯行〜
被告人は20代の少し大人しめのなんとも可愛らしい女性。
このご時世、男女がどうたらとかは言いたくないですが、被告人となる人というのは圧倒的に男性が多く、女性は珍しい。個人的な感覚では7:3から8:2くらいの間くらい。
そして年齢が20代となるとさらに珍しい。最近は特殊詐欺事案が増えていて、それに加担する女性というのもいるのですが、それでもやはり珍しい。あとは違法薬物系なんかでもたまに見ますかね。
ただ、この被告人、見た目だけですが、そのどちらの犯罪でもなさそうな(もちろん罪名で薬物でないのはわかるのですが)、いたって普通の感じの人。やや不安そうな顔をしながらも、基本ニコニコとしながら辺りをキョロキョロしているのが印象的でした。
事件の概要(起訴状の要約)
前回からクレカの窃盗が連続したのはたまたまです。
もちろん何を盗んでもダメなのですが、クレカを盗むって明らかに足がつくので、どうしてだろうと思ってしまいます。被害者に賠償見込みのない大ダメージを与えたいっていう恨み的な目的だけなら有効だとは思うんですけど。
しかし、これからの検察官の立証を聞いて、「なるほど」というか、「そっか、そういう理由もあるのか」となんとも言いにくい感情になりました。
検察官が提出した証拠類
障害を抱えている方の裁判というのは、やはり一定の割合であり、その都度どのように表現したらいいかと頭を悩ませます。私自身、周囲に同様の障害を持つ人がおらず、仕事上接点を持つことがなかったので、どう捉えたらいいかわからないのです。
なら、わざわざ取り上げなければいいじゃんとも思うのですが、やはり実際に行われてることとして発信はしたいですし、無知だからこそ発信することで有識者の人にご指摘を受けるのであれば、それはそれで自身の糧になると思うのです。
今回の犯行も「いやいや」と言うのは簡単だと思うのですが、「使ってみたい!」という動機をなんだか完全に否定する気になれなくて。もちろん非難は避けられないですが、そこにいたるまでの本人や周囲の人の苦労なんかが浮かんだんですよね。
証人尋問 〜普段の苦労と思いが滲み出て〜
ここから先は
¥ 300
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?