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2月10日 文町さんというシナリオライターが好き

ここ最近クトゥルフのシナリオを書いている。(ヘッダーのトレーラー)
短編シナリオを作りたいのだが、どうやっても情報不足感が否めず、長くなりがちだ。
クトゥルフシナリオの短編=2~3時間なのだが、冷静に考えたら2~3時間というのは映画2本分である。逆になぜその時間をもってしてもシナリオが終わらないのかのほうが不思議だ。
当然映画のように決まったストーリーをテンポよく進むわけではないが、それにしても1時間半分くらいのストーリーを用意すれば2倍かかっても3時間で終わるだろう。

私の好きなシナリオライターに文町さんという方がいる。彼の書くシナリオはどれも短編かつクラシッククトゥルフとして完成度が高い。
どういったポイントが、面白いシナリオを短時間に収めているのだろうか。

■シーンが区切られている
この見出しだと語弊があるが、自由度が高く一本道では無いシナリオにもかかわらず、探索と探索の合間が明確に分かれている。長くなりがちなシナリオにおいて、取り敢えず情報の有りそうな場所に来たけれど何をしていいか分からない、だったりシナリオの意図しない解釈で長考されたり、と言うことが挙げられる。
文町さんのシナリオには、自由度と解釈の幅が広い事と、探索者が無闇に悩まない事が両立されている。
1つに、迷いそうなシーンでは、予めシナリオ側から探索箇所を制限・選択肢を提示している事が多い。「AとBとCを調べられます」というケースや、時には「○○をしますか?すると✕✕になります」といった風に結末の暗示まで行う。こればかりのシナリオでは、探索者側はシナリオをなぞっているだけに感じるかも知れないが、彼の作品では、完全自由に探索できる(どこにでもいける)シーンと、制限シーンの按分が絶妙で、プレイヤーが”自ら物語を作っている”実感が湧く仕様なのだ。

■NPCの役割が明確
ストーリー系のクトゥルフシナリオで、ヒロインポジションのNPCなどが、探索に同行しているものの、KPは複数処理が必要なためそのNPCのロールが出来ずに空気だったり(お助け技能のダイスをたまに振るだけ)、探索者同士の盛り上がりに溶け込めていない場面に遭遇したことはないだろうか。そのシナリオが悪いと言うわけでは無い。一緒に旅をすることでしか得られない感動もあるから。
ただ、彼のシナリオでのNPCはシナリオの中で適切なポジションが確立されており、”役”を最後まで全うする傾向にあると感じる。
実はこれが難しくて、ついNPCに自分の好きを詰めてしまい、不必要なシーンで同行させたり、ロールを挟んだりさせてしまいがちだ。
シナリオを完成させたあと、改めてそのNPCの役割は何か?を問うてみるのも良いかも知れない。
さらに、NPCごとに明確な立場があると、ロールプレイがサクサク進んでいくと感じる。探索者側からしても、そのキャラとしっかり会話した気分になれるが、時間としては短時間の会話で中身が詰まっている。

以上、私の憧れであり、いつかこの人のようなシナリオを書いてみたい。


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