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混血種のシナリオフック(22/05/07)

本日の日記、天気が良く外をうろうろした。以上。自分の私生活は無に等しいのかもしれない。
今日は『ティンダロスの混血種』を紹介する。クトゥルフ神話には様々な神話生物の混血種が存在し、混血種NPC(敵でもいいし、味方でもいい)が出しやすい。人ならざる者との交流は良いドラマを生むだろう。


ティンダロスの混血種

ティンダロスの混血種の姿は、キュービズム絵画が動き出したようなすべたが角ばった鋭い形をしている。彼らはたいてい人間の姿を維持しようとするが、姿は揺れ動いている。彼らは食事を楽しみとして、1日1回POWが高い生物を喰う。自身のPOW×3mの範囲を見渡し、時に空間を曲げることも可能。

マレウスモンストロルムp78

普段は人間の姿を保ち、理性や知性もある生命体なのがとても使いやすい。ティンダロスの混血種ではあるが、ティンダロスの猟犬を使い魔的に呼び出したりは出来ないようだ。

シナリオフック 導入

登山に来ていた探索者は大雨で足を滑らせて山の中で遭難してしまう。絶望的な状況で、1人の雨がっぱを被った少女に助けられる。彼女はぼろぼろの小屋で原始的な生活をしており、狩りでとらえた動物が天井から吊るされている。部屋中どこか獣臭く、目につく場所に刃物があり、最初は警戒するだろう。しかし、彼女は片言しか話せないがコミュニケーションを取る中で、索者たちに攻撃的な様子もなく、親切に看病をしてくれる。
4日ほどで、救助隊に見つけてもらいやすい場所まで案内されて、無事に山を下りる。救助隊は傷の手当が適切にされており、食事も補給していた探索者の様子に驚くだろう。
遭難時の状況を細かく聞かれ、少女のことを答えるかもしれないし、隠すかもしれない。どちらにせよ、少女との初対面はこのような形だ。

物語の本当の始まり

山での遭難から1か月後、とある記者が探索者にコンタクトを取る。その記者は、探索者の失踪をニュースで知り、その当時の話を教えてくれと依頼する。彼曰く、探索者が失踪した山には昔から伝説があり、現人神(あらひとがみ)が住み着いているらしい。もしかすると、探索者を助けたのはその神様ではないかというコンセプトで記事が書きたいようだ。
この山のふもとの集落では、1年に1度神様が真の姿になるとされる日に祭事を行うという。1年前に集落の長が代替わりし、村おこしという名目で各種メディアに祭事のことを宣伝し、知名度が上がっている。探索者は各々の理由で、記者の誘いを受けるままに、お祭りに参加する。

事件が起きる

各種メディアが多く押し寄せて、山の中を撮影しようとする。村長は、近いうちに山に大きな神社を立てて、ふもとからロープウェイで結び、ご利益観光兼、簡易登山が出来る場所として開発を進める意向を語っている。
祭りの夜、取れ高のために山奥へ撮影に行ったカメラマンが翌日も戻らず、捜索の末に死体となって発見される。殺人の可能性も考え警察の調査が入り、各種メディアは不幸な死にも関わらず神様の祟りではないかと大興奮で山をさらに調査することになる。

ギミック・ストーリー案など

少女がティンダロスの混血種であり、比較的力をコントロールし、人間は食べないような優しい存在である。しかし、1年に1度だけ力が暴走するため本来は自らの暴走を止めるために張った結界の中で過ごすはずが、外部の人間がそれを破ってしまう。気が付けば人間を食い荒らした後で、事の重大さに気が付きこの場から立ち去ろうとする。
探索者は悪意無き怪物を執拗に追う人間と、暴走して周囲の人々を殺戮する少女の間に立つことになる。

よくある自然vs人間ものの構造だが、クトゥルフ神話との相性はとても良いだろう。価値関係シナリオとしてもいいし、不条理なシリアスでもアレンジ可能だ。

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