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2022年4月30日の乾杯

2022年4月30日の乾杯、ちょっと喧嘩をしたあとでも演劇について語ることは楽しくて。コロナの日々にも呼吸を続け、再び芽吹いたような様々な舞台。この季節の中でも素敵に新たに尖った演劇のことを語っています。また、連休中や連休後に楽しみなお芝居についてもお話しをしています。


👨演劇のおじさんと

👩おねえさんです。

👨よろしくお願いいたします・

👩いやぁ、今日はね・

👨はい。

👩この前にね、この収録の前にね、おじさんとおねえさんで大げんか、あはははは。

👨あははは、まあね、生きていくというのは時にそういうことですよ。

👩うふふ、おじさんとおねえさんというのは、ほんとうに演劇だったりとか芸術での、そのなんていうのですかね、演劇を間に置いて話しているみたいな感じだから、演劇だけじゃないな、芸術を間において話しているみたいな感じだから。

👨表現などをね。

👩だから、合わないというか、まだ分かりえないところはたんとあるのですよね。

👨まあ、ジェネレーションも違うし、ジェンダーも違うし、

👩そうですね。

👨そういう基本的なことも違いますからね。

👩うん。でもおじさんの「SHOW MUST GO ON」の一言で、じゃあ今回も収録するかという、喧嘩からの流れで今ここというか。

👨まあ・・・、そうですね。

👩喧嘩のながれ、今ここみたいな。

👨まあ、そうなのだけれどさ、喧嘩をしている間にも世間ではもう良いお芝居をたくさんやっているのですよ。

👩ふんふん。じゃあ聞こうかな、おじさんが観てきた舞台の話を。

👨まずねぇ、今日観てきたのだけれど、「しあわせ学級崩壊」っていう団体があるじゃないですか。

👩ああ、はいはい。今やってるの?

👨先月ぐらいから、月に何度かやっているの。4月と5月では会場もちがうのだけれどね。

👩ふーん。

👨でね、その公演というのがね、二つのバージョンの「B」の方だったのですけれど。

👩はい。

👨EDMってあるじゃないですか。

👩あの、ドンツードンツーっていうやつ?

👨そうそう。あの音というか音楽を主宰の方が作って、それを劇作家の方に聴かせて、その音楽に合うように戯曲を書いて、俳優の方がそれを演じるということをやっているのね。

👩いやなんか、「しあわせ学級崩壊」は気になっていましたよ。面白いことをやっていらっしゃるって。

👨その作家が鵺的の高木登さんとか、日本のラジオの屋代秀樹さんとか、まあ日本のラジオについては別に話をしたいのだけれどね。劇団晴天の大石さんとか、あと名古屋の劇団主宰の斜田さんとかの方の台本を読まれる方もいて。その世界を広げるように劇団員がリーディングをしていくのですよ。

👩ふーん。

👨でね、ドラマとして作家の皆様はその音楽に広がる研がれた世界をちゃんと作っているのね。

👩うんうん。

👨たとえば屋代さんなんかは、亡くなってしまった中年の日本史の先生が彼に憧れていて登校拒否になってしまった女子高生に語りかける態の話を作り上げて、自分の言葉は架空だけれど、それを聞いて想ういる貴方の存在は実在だよということをその音楽に乗せて先生の言葉の如く生徒の想いの移ろいの如く綴っていく。

👩うん。

👨で、高木さんはある男の人に想いを寄せる男の人の話を書き、斜田さんは夜働いて朝帰宅する人の風景や感慨を描き、大石さんは高校3年生の野球部とドライブする30歳の女性の想いを描くのね。そうして4曲というか4作がそれぞれに世界を持っていて、それは普通に俳優が語るだけでも聞き入ってしまうようなクオリティの短編で、多分普通に読めば5分から10分の話なのだけれど。それが音楽に紡ぎ入れられるというか、音楽が紡ぎ入れられるとひとつずつのシーンが新たに際立っていくのね。世界の広がり方がひと次元違うの。その風景がふわぁぁっと広がったような感じ。

👩ふーん、おもしろい。

👨で、実はその同じ音楽を使っての表現については10日くらい前の彼らの公演で別の体験をしていて、そのときの「A」はいわゆる近代文学、太宰治、堀辰雄、夢野久作、宮沢賢治の短編を4人の俳優が、さっき言った、劇作家に使われたのと同じ音楽を紡ぎ入れて読んだのね。そのときの記憶も重ねると、音楽自体の個性も更にわかるし、その音楽が引きだすかつて知っていた物語の新しい表情も観ることができる。
まあその10日前の公演がとても衝撃的で、新たに心躍る体験として公演のAを観て、公演のCDも買ってしまいましたけれどね。もちろん、B分を聴くのは実際に観るまでと我慢していたけれど。

👩うふふふ。家でもまた・・。でもあれだね。もし舞台で観てなかったら、おじさん、その表現には触れあわなかったかもしれないんでしょ?

👨その世界にってことね?

👩そうそう。

👨うん。まあ、EDMということで言えば、他の劇団でも使っていないことはないから、本当にあさっての方向からやってきたという感じではなかったけれど、それでも表現の精度とか俳優達の練度とかが作るものもあって、新鮮にも思えたし圧倒もされた。

👩でも、そんな、音楽を浴びるような、さ。

👨うん、あの物語の紡がれ方は未体験の領域というか、感覚というか、あれはもはや発明なのだろうとも思った。なんだろ、十分に新しい体験に立ち会わせて頂いた気持ちになりましたね。

👩それは、良い体験をされましたね。

👨で、最後に劇団員の方がおっしゃっていたのは、それにVJっていうのかな、DJの背景にそういうイメージを提供したりということらしいのだけれど、朗読と音楽の融合に更にそういうアーティストを加えての試みを6月にやろうと企んでいらっしゃるんだって。

👩へぇ。

👨それは、もしチケットがとれるのでは観に行きたいなぁって思って。神楽坂には今回みたいにロックというだけではなくオシャレな感じでライブができるようなスペースがあるんですよ。

👩あそこって、ライブハウスみたいなところでよくやっているものね。

👨まあ、ライブハウスだと音も出したい放題で出せるし、あそこのお芝居ってそんなにたてこんでということは少ないので。

👩ああ、はいはい。

👨今回の公演も、極端な話をすれば舞台上には椅子がひとつとマイクがワンセットあればできるわけだから。むしろそういう空間の方が雰囲気なども作りやすいのだろうなぁって思うのね。

👩なるほど、いいですね。面白そう。

👨ほんとワクワクしていた。そういうのを観た帰り道って、浮世のコロナの憂鬱を一瞬忘れてしまうのですよ。別にマスクをはずすわけではないけれど、コロナの季節は終わったのかなって言う感じに一瞬錯覚してしまう。

👩最近はねぇ。またいろいろな公演があるのだけれど。ただ、ちょっと怖いよね、次の波がまたやってくるようで。

👨ああ、第7波ね。

👩でもさぁ、マスクしてない人を見ると怖くなってしまっているから・・。もう完全に常識が変わっちゃった。

👨でも、世界の潮流はもうマスクははずそうなのでしょ?

👩ええぇ、はずさなくてでいいよ。

👨でも韓国なんかでも規制をなくすんでしょ。ニューヨークなどでも規制がだいぶ解除されてきたみたいだよ。

👩うーん。

👨まあ、治療法も少しずつ確立してきたから、むしろ集団免疫を獲得した方がよいという考え方はあるのかもしれないしね。

👩でも、集団免疫ができるかどうかわからないよ。

👨いや、集団免疫はいずれできるんですよ。

👩できたとしても・・、今できるかどうかわからないのに?

👨今ほら、オミクロンって比較的死ぬ人が少ないから。インフルエンザ並みだからということもあるのかもしれないし。

👩いやいや、インフルエンザでも怖いじゃない。

👨うーん、まあインフルエンザも怖いけれどね。だから予防接種はちゃんと受けましょうって。なんかそんな考え方みたいですよ。

👩ふーん。いやぁ、そうなんだ。

👨うん

👩ちゃんと大丈夫になるまでマスクはしておいたほうがよいとおもうけれどね、

👨私はしますけれ暑さは去年の夏も我慢できたし、別にいきがったり強がったりして外す理由もないし。

👩私もしますね。だからさ、あの、客商売のひとはもうずっとマスクでいいんだよ。

👨そう、かわいらしいマスクとかね。最近はマスクにつけるアクセサリーとか中を涼しくするファンみたいなものもあるみたいだから。そういう文化を発展させていきながら客商売の人や人に接する場面ではマスクがスタンダードでというのが良いなぁとおもうけれどね。

👩うん。

👨まあ、劇場なんかでは、マスクをさせているからね。ほんとにしっかりと。

👩いやいや、そうですよ。私もしっかりとしています。

👨しあわせ学級崩壊にしたって、マスクはしっかりとしてくださいっていわれたし。そうして作る側も観る方もそのルールを守るという信頼関係があるから、安心して舞台に心を委ねられわけだし。いろいろと緩めていくなかでもけじめは大切だと思う。

👩そうですね。

👨まあ、話をお芝居に戻すと、その屋代さんが主宰している日本のラジオで公演が新宿眼科画廊のOっていうのかな、1階の奥のスペースであったのですけれど。

👩ああ、はい。

👨キャパ20人くらいのスペースで本当に圧倒的なクオリティのお芝居で。6人のキャストで4篇の3人芝居。

ですよ。

・・・ ・・・

👨あれ、ちょっと回線が切れましたね。屋代さんの物語る魔力に回線も影響したかな。祟りかな。

👩いやいや、なんて言うことをいうんですか。

👨いやぁ、でもあの人の世界が絡むと祟りがあっても素敵じゃない。

👩うふふ。なんか物語性がありますよね。その生き方というかその人間としての物語性がすごいから。

👨もちろん私は彼の私生活なんて全然知らないけれど、

👩私だって知りません、うふふふ。

👨でも、描くものに仕組まれた物語の研がれ方というのはすごいものねぇ。どういうところからあの世界が生まれてくるのだろうと思う。4つの物語がすべて何かが歪んでいて、理不尽にも思えて、でも世界はそんな中でも成り立っていくのだよね。俳優達もちゃんとその世界のルールに一人ずつの違った個性を導き貫き、それが物語を形作ることにもわくわくしてしまって。

👩うん。

👨見終わって、贅沢させて頂いたなぁとすらおもった。そうそう、あとすごいと言えば、佐藤佐吉演劇祭に参加してた、劇団普通の『秘密』という舞台にも目を見張った。

👩ああ、なにか面白いと聞きました、それは。

👨あの、女優様。

👩誰、おじさんが思い出さないとわからない。

👨堤千穂さん!

👩ああ、素敵な方ですね。

👨もうね、いつか齢を重ねた中でもっと凄いお芝居も観ることができるだろうから彼女の一世一代とはいわないけれど、それでもあの年齢であの老け役ができるのは凄い。

👩うん。

👨田舎の方の老夫婦とそこを訪れる子供達やご近所の人たちの話なのだけれど、お母さんが入院したという設定から物語が始まるのね。その堤さん演じる病み上がりのお母さんにしても、用松さんが演じるちょっと不器用でがんこな父親にしても、登場人物の一人ずつが生きていくすがたというのがとてもリアルな時間を作りながら舞台を満たしていくの。

👩うんうん。

👨一時的に帰っていた娘を演じていた安川まりさんも丸まらない人物の本音を演じきっていて、彼女によって舞台の刹那がその日々に束ねられて行く感じもものすごかったし、でもそれがとても自然に感じられることに彼女の演じる底力を感じたし。

👩ほうほう。

👨なかにはもう観ていられない、辛いとかおっしゃっていたおじさんもいたし逆にけっこう笑ってしまったみたいな人もいたりでその反応は様々なのだけれど、そういう反応が生まれるというのは、登場人物それぞれの頑固さとか、偏屈さとか、不器用さとか、互いへの想いを描き出しつつ、その中で生きていくことの強さのようなものが伝わってくるのね。あそこまで、そういう風景の一瞬ずつを丸めず緻密に表現できるのは凄いなぁと思って。

👩うん。

👨舞台美術も、テーブル一つと椅子が四つあって、あと前方に庭の態でプランターとかがおいてあるだけそれ以外それ以外にはなにも立て込んではいなくて、それどころか舞台の後ろには劇場の平台とか箱馬などがそのままに積んであったりもする。いかにも劇場の片隅で普段着で空間を作っているっていう感じもさせながら、まあ、庭でのお芝居もあるからみたいな美術なのだけれど、でもそこには家があってそこには物語がちゃんと居場所があって、登場人物達がその家を守っているという温度がちゃんとあって。むしろ美術がイメージを固定させるのは作品にとってマイナスなのかもしれないとすら感じる、お芝居ってここまで緻密な空気を醸せるのだなぁとも思ってね。

👩うんうん。。

👨まあ、コロナ前の三鷹での舞台も圧巻で、でも一時期コロナですこし足踏みはしていたのだけれど、その間にも作り手の表現力は更に洗練され進化を続けていたのだなぁということをが実感できる舞台ではあったのね。

👩ふーん。とんでもないことが起こったその中、足踏みしているなぁというところからのその洗練にはどんなことがあったんだろうっていうね。それだけ、ずっと考え続けていたということが垣間見えるお話だなぁ。

👨うん、あとちょっとコロナのことなんかも取り入れて、淡々とその時代の、そしてその日常の一部分として描いてくところもすごくうまい。変な意識をしたりバイアスをかけないで、あるがごとくにちゃんと時代を描いているところにも作・演出の石黒さんのセンスを感じたのね。

👩うんうん。

👨この舞台は素晴らしかったですよ。あとね、世田谷シルクもとてもよかった。

👩うーんうん、はいはい。

👨女性の一生を描いた作品。私は初演も観ているのだけれど、春夏秋冬になぞらえてね、幼い頃から死の先までを美術や身体などもふんだんに使って表現していくのだけれど、まあ、演者がもれなくキレッキレだし、歌もがっつり歌唱力に裏打ちされているし、ほんと、淀みなく完成度を持ったきれいな舞台だった。その女性の小さなころから、学生のころ、会社に入って、結婚をして、出産をして、子育てを終えて・・・、みたいな

👩ああ、その舞台なんか知ってる・・・。知っている。その、うんうん、思い出した。

👨初演の時って、幻灯みたいなもの、バックに色やイメージを映す技術がすこし不安定だったのだけれど、今回はしっかりと技術が確立していて、語り手達が一つずつ描く絵は季節の雰囲気を持ちつつ、最後にはそれらの全体が投影されて、人生を象徴するというか生きることの俯瞰にもなっているのよ。まあ、彼女の代表作なんだろうなぁと思う。ひとつの完成形、頂にまで至ったというか。

👩うん。

👨それが堀川炎さんのすべてではないけれど、彼女のひとつが達成されるところまでは行ったのではと思うのね。

👩観ているものがそう思えるって。観たいものが、こういう風なものを作る団体だと、こんな風なものが観たいじゃなくてどこまで行けるんだろうみたいな、もっと面白くなりそうだと思えるから。これが一つの完成形、でもさらにもっともっと進化して行くと観る側が思えるのは凄いね。実際、作っている方がどう思っているのかというのはわからないけれどさ。

👨そうそう、観客としてずっとひとりのアーティストとかひとつの団体を観ているなかでの、アーティストの達成感を受け取っての観客の達成感みたいなものを今回は感じたのね。世田谷シルクには。

👩うんうん。

👨しかもそれがドン詰まりの達成感ではなくて、そこからの可能性も感じたから、そういう意味でもとても充足感のある舞台でありました。

👩観たいなぁ。

👨あと、劇団競泳水着もとても良かったし。

👩ああ、競泳水着さん。

👨まあ、よくもあれだけ。11人も女優の皆様を舞台にのせてさ。

👩うん。

👨で、そのひとりひとりが全く埋もれないで、それぞれが生かされているのって凄い。

👩いやぁ、それは凄いよ。ああ、舞台を、うーん。

👨あのさ、競泳水着のチラシって履き物が10足描いてあるの。

👩へぇ、センス良い。

👨うん、それぞれがサンダルだったりパンプスだったりハイヒールだったりスニーカーだったりするのだけれど、そのひとつずつに番号がついていて、観劇後それをみて、この番号が誰だって全部うなずけるくらいに一人ずつの人物が埋もれていないの。

👩うふふふ。

👨しかも最初はミステリー仕立てでね、その世界に対して完全に前のめりになったし。

👩うん。

👨で、その秘密はもったいぶらずに解けるのだけれど、さらにそれで終りにならない物語の懐の深さがあって。

👩うんうん。

👨で、その納め方も上野さんらしいんだよ。最後は記憶に宿る暖かさとか切なさがじんわりとと浮かび上がってきて、やがてどっぷりと浸されて。

👩なるほど。

👨あの、シアタートップスっていろんな団体が使うようになってきているじゃない、本多グループになって再開してから。

👩ああ、そうだね。わかるわかる。

👨そういうなかでも、シアタートップスの劇場としてのキャパがうまく生かされた芝居だとも思った。それだけの俳優が舞台にあっても狭苦しくならず、適度に閉塞した空間にも作れるみたいな、その高さも間口もキャパも含めてうまくそこに生きる芝居をつくったなぁと思ったし。

👩うん。

👨そしてなによりも、こうなんかエンターティメントとしての磨かれ方を感じたので。

👩ふーん

👨たとえば会社帰りに、ほらあの劇場って場所的にも良いじゃないですか、新宿で。それこそ30台くらいのおにいちゃんとおねえちゃんがちょっと食事をしてから観に行くのにはまさに好適なお芝居じゃないですか。実際のところ、私みたいないい歳したおっちゃんでものめり込んでみて、温かい気持ちになって駅まで歩いたもの。

👩ほほ。

👨さっきも言ったように、実際にここのところコロナの状況も少しずつ改善されているのだけれど、なんか春にもなって、それ以上にいままで息を潜めながら生きていた演劇の種子が一斉に芽吹いてきた感じもするのね、ここのところの舞台をみていると。

👩ああ、はいはい。

👨少し前には生で演劇を観ることができるという喜びだったけれど、最近はその演劇がいろいろに色づいた花を咲かせて、その新しい驚きを楽しんでいるというように変わってきているんだよね。また劇場を忙しく巡るようになって、そうすると、それは心の悶々というのは消えることなくあるわけだけれど、たとえばウクライナのことがどうなっていくのかとかコロナのワクチンの4度目はいつ来るのかとか心配もするわけだけれど、だけどそういう中でも息づいている表現達があるなと思うと少しは救われてね。なんとか楽しい日々を過ごしていたりもする。

👩うふふ。

👨しかも、あれなんですよ。5月にはいってからも面白そうなお芝居はたくさんあるし。

👩うんうん。

👨ああ、そうだ、日本のラジオ『画廊にてー他3篇―に』については5月をめどに配信があるみたいだし。

👩へぇ、わあ、素敵。ありがたい。

👨あの舞台については配信でも絶対観た方が良いと思う。

👩うん、ありがたーい。

👨あのさ、あんな小さなところでやるから、やっぱりチケットにあぶれた人がけっこう出たみたいなのですよ。

👩うふふふ。

👨私の知り合いの演劇好きおじさん達もけっこうみんなぶーたれていたからね。

👩うんうん。

👨とれない、知らなかった、酷いって。でも、客席がそんなには増やせるようなスペースではないから、あそこ。結局為す術もなく非難囂々だったみたいで。

👩あははは。

👨で、たまたま保坂萌さんという舞台写真家としても凄腕の方が入って記録映像も撮ったみたいで、それが良き出来だったからそれで配信しますって。だからおねえさんもお時間があれば是非に観て欲しい。

👩はい。・・・でも観ることができるかなぁ。

👨まあ、時間的には90分くらいだからね。

👩うん、でも時間じゃないんだよなぁ・・・。

👨そうか。まあ、演劇はたとえ配信であっても、観るということに対しての基礎体力っているものね。

👩いります。いります。まあ。

👨ましてや劇場で観たとき、時間的には90分だったけれど見終わったらへろへろだったものね。

👩うふふふ。なかなか難しいよ。観たくても、観ることができないのだよなぁ。

👨なるほど。あとね、直近で私が割合と注目しているのは・・。そう、道学先生という劇団があってね。

👩うーん、聞いたことがないなぁ。

👨昔から良作を上演している団体なのだけれどね。そこが、文学座の平体まひろさんなども含めた5人の俳優のモノローグの番外公演をやるんですよ。

👩ふうん。

👨その平体さんが読む戯曲の作家が渋谷悠という方なのですけれど、彼のNoteにはたくさんの短編モノローグが上演許可不要、Youtubeなどでの利用可という形で上げられているのね。えーと、 ・URLは・・

https://note.com/yushibuya/n/n047ea326729f

で、そのいくつかを読んでみたのだけれど、それぞれにちゃんと語る言葉が風景を紡いでいて面白いの。その彼が書いた風景を平体さんがどんな風に舞台に描いていくかがとても楽しみで。

👩うん。

👨それとね、私は観客だから台詞を演じる如くに読むという体験は殆どないし、演じたものは精一杯受け取るけれど演じるということに関してはまった理解がないので、それが渋谷さんの意図というか作品を上梓する目的とは違うのかもしれないけれど、たとえばその戯曲をひとりで声に出して読み、演じてみることで、なにか自分の世界がすこし間口を広げるのではないかという気もして。

👩うんうん。

👨実際に戯曲を声を出してリーディングするということも、一部の観客の間では始まっているというか流行っているという噂も聞いたしね。

👩はい。

👨それもあたらしいムーブメントかなと思ったりもしていて。今すぐにどうこうということではないにしても、平体さんたちの舞台への楽しみとは別腹でちょっと注目してみたいともおもうのね。

👩はいはい。

👨あとね、ゴールデンウィークには「ナカゴー」もやるよ。

👩ほう、「ナカゴー」いいなぁ。

👨『紙風船文様』という岸田國士の戯曲が原典になっているものと『されど、堀船』という作品を、いずれも再演として、北とぴあの別々のホールでそれぞれに上演する。『紙風船文様』はもう7~8年前にカトリ企画で初演されたのを観ていて、そのときには武谷公雄さんと黒岩三佳さんの夫婦だったのだけれど、中央に洋式便器が一つ置かれているだけの舞台なのに、見終わって岸田戯曲に描かれた夫婦の時間がちゃんと浮かんでくることにとても驚いた。再演も見ていて、俳優が異なることで、新たな夫婦の風情にも同じ岸田戯曲の描く夫婦の礎があることに見入ったりもして。今回、『されど、堀船』の再演も含めてこれは観たいなぁと思って。

👩うんうん。

👨なんというか、昔の衝撃が根を絶やすことなく、時代を超えて再演という形で新たに息づく姿を見るというのもとても楽しみなんだよね。

👩そうですね。

👨まあ、おねえさんもお仕事がお忙しいと言うことで大変ですけれど、またこうやって私のところにやってきた諸々をお話をさせて頂きますので、もし興味があればおねえさんも触れて頂ければよいなぁと思いますけれど。

👩そうですね。なんか何の気なしにすっと。わかりませんがそういうのを観にいくかもしれませんしね。わかりませんが。

👨なんというかね、こう気負わずに観に行くことも素敵なことで。私なんかもお芝居を見始めた頃は、「これから観劇だぞ、オウ!」みたいに気合いをいれて劇場に向かっていたけれど、最近は良きにつけ悪しきにつけさらっと劇場の席に腰掛けてしまうことがほとんどですからね。うん年来の修行のお蔭で。

👩まあ、それは人それぞれで違いますから。同じ人なんかいませんから。

👨あはは、そうですね。うふふ。さてと、そういうことで、今日はこのくらいにしましょうか。

👩はい。そうですね。

👨それでは、演劇のおじさんと

👩おねえさんでした。

👨おやすみなさい。また次回をお楽しみに。


(ご参考)

・しあわせ学級崩壊『リーディング短篇集#1』

 
B:音楽から書き下ろす、劇作家による短篇集
 2022年4月30日@Kagurane神楽坂
 音楽・演出・構成 : 僻みひなた
 ―架空の生活
 作:屋代秀樹 リーディング:村山新
 ―おれのことなんてだれもしらない 
 作:高木登 リーディング:田中健介
 ―この朝を墓標として
 作:斜田章大 リーディング:林揚羽
 ―野球部とドライブ
 作:大石晟雄 リーディング:大田彩寧

「リーディング短篇集#1」今後の公演予定
(会場 :Kagurane神楽坂)
 5月15日 B音楽から書き下ろす劇作家による短篇集
 5月21日 B音楽から書き下ろす劇作家による短篇集 
         ・
      A音楽から選ぶ、近代文学作家による短篇集
 6月5日  B音楽から書き下ろす劇作家による短篇集
 (詳細 劇団サイトhttps://ha-ppy-cla-ss.net/stage/reading-01/ )

・日本のラジオ 『画廊にて -他3篇』


 2022年4月22日~26日@新宿眼科画廊O
 脚本・演出 : 屋代秀樹
 出演 : 安東信助(日本のラジオ)、沈ゆうこ(日本のラジオ)、
      浦田すみれ、小野カズマ、
      川上献心(劇団風情)、土橋銘菓

・劇団普通『秘密』


 2022年4月20日~24日@王子小劇場
 作・演出 :石黒麻衣
 出演 : 用松亮、堤千穂(鵺的)、安川まり
      三瓶大介、小野ゆたか(パラドックス定数)、佐藤有里子   
      青柳美希、しまおみほ、直木ひでくに

・劇団競泳水着『グレーな十人の娘』


 2022年4月21日~29日@新宿シアタートップス
 脚本・演出 : 上野友之
 出演 : 江益凛、小川夏鈴、加茂井彩音、
      小角まや(アマヤドリ)、佐藤睦、橘花梨、
      鄭玲美、都倉有加、橋爪未萠里、
      成瀬志帆、松尾太稀、ザンヨウコ


(これからのおすすめの舞台)

・道学先生番外公演『アナプラス』


 2022年5月9日~11日@ステージカフェ下北沢亭
作  : 渋谷悠ほか
演出 : W.Satoshi
出演 : 青山勝、太田知咲、斎藤友香莉、
     菅沼岳、平体まひろ、福麻むつ美

・ナカゴー 特別劇場『いわば堀船/紙風船文様』

 2022年5月1日~8日
 作・演出:鎌田 順也
 ―『いわば堀船』@北とぴあ ペガサスホール
 出演 : 髙畑遊、鈴木潤子、篠原正明
      田畑 菜々子、土田 有未、藤本 美也子
 ー『紙風船文様』(原典 岸田國士 『紙風船』)
  @北とぴあ カナリアホール
 出演 : 川﨑 麻里子 / 野上 篤史 / 櫻井 成美 (黒衣)







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