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2024年7月23日と8月3日の乾杯

新しい乾杯。今回はおじさんとおねえさんが猛暑にめげることなく出かけた新橋演舞場での『松竹七夕喜劇祭り』のあとの会話と、8月に入って三鷹芸術文化センターに喬太郎師匠のみたか勉強会を観に行く前の会話の2本立てです。


その1 銀座 「こびき」 カウンターにて


👨おつかれさまです
👩お疲れ様です。初めてでした。 新橋演舞場
👨私も多分6、7年行っていないと思う。
👩そうなんだ!

新橋演舞場


👨あそこはなんか歌舞伎座のミニチュアっていう感じでね。
👩そうですねぇ。どんな人が出てるんだろうと思いましたね、あまり、馴染みがなくて。もともとは方の…イメージが強くて。滝沢さんがさあ。やってたよね。
👨はいはい。
👩滝沢歌舞伎をずっとやっていらしたっていう印象が強くて。コンサートがあるとかいろんな使われ方しているのが意外でしたけれどね。ところで今日興行主はどこなんです?
👨それは、松竹です。
👩今回はどういう人たちが呼ばれて出ているのですか??劇団とか…
👨中心になっているのは松竹新喜劇まわりの人たちだと思うのね、
👩ああー、そうなのかぁ
👨うん。ただそこに松竹まわりということで歌舞伎の俳優も呼ばれて何人か出ている。
👩私は後半しか観ることができなかったのだけれど、主役の方がもう 抜群に面白くて!
👨藤原直美さんは、藤原寛美さんの娘だから。しっかり芸風も継承しているし
👩うんうんうん!!
👨まあ看板というか超有名で。松竹新喜劇をしっかりと背負って。
👩とても面白かった。でも…あの、ひとりだけさ、ひとりだけよ。超棒読みのひとがいてさ。
👨えぇ、そうだっけ。
👩舞台でみんな超おもしろいのだけれどひとりだけ棒読みじゃないか…?みたいな。 ちなみ に誰だと思う?一人だけ。
👨ええ、誰だろう?
👩開始すぐですよ。
👧お待たせしました。ぎんなんです。
👩ありがとうございます。 おいしそうね。このグリーンのあざやかなこと。
👨ほんとだね。
👩いただきます。・・・ほんとおいしい。最高。一口めからすでにおかわりしたい。
👨でもね。 ぎんなんは、一日に食べてよい量が決まっているみたいだしね。
👩食べ過ぎると目がつり上がるって言われてたよ。
👨目が吊り上がるというよりもこれって元々薬草なんでしょう?
👩そんな食べ過ぎちゃいけないっていう意味の戒めね。こう目がつき上がるともいうのだけれど。でもおいしい。
👨どれどれ、わたしもひとつ。・・・うん、これはおいしいね。これまた美味しい。ふぐと銀杏は食べ過ぎるとろくなことがないとはいうけれど、これはやばいね。残りのひとつ、食べてもいい。
👩私はめちゃめちゃ食べたからいいよ、どうぞ。 で誰だと思う?最初の方。
👨うーん…分からない。
👩xxxx。
👨あぁ、なるほどね。まあ、言われてみれば。
👩あの!下手とかじゃないのよ?あくまでもそれはそんな人の芸風がその形式の中でなんていうかハマらなかったみたいな。というか、普段はすごいものを観ているのだなぁともおもった。
👨歌舞伎の要素もふんだんに織り込まれていてね。ツケがはいったり長唄がおりこまれたり。そのあたりは松竹の力だよね。
👩うんうん
👨そういえば、あのだんまり、笑ったよね。 暗闇を想定して。
👩はいはいっ!
👨暗闇という態で舞台が進んでいくという。
👩あ めちゃ面白かったね。なるほどぉと思いました。
👨お櫃を動かすだんまりなんて初めて観た。あれはもうなんか至芸の域で。なるほどねと。
👩うんうん。
👨まあ、そもそも第二部というか『はなのお六』は定式幕を引いて舞台が始まって、それは歌舞伎の様式でやりますよっていうことだったのだなとも思って。一部の『唐木の看板』は八幡屋さんというか中村亀鶴丈のご出演で、時代劇なのだけれど、でも今風の演出で緞帳が使われていたしね
👩そうだったんだ。へえぇぇ…観たかったなぁ。物凄く急いだけれど無理だったよ…
👨第一部の『唐木の看板』は江戸のお店の母娘が大坂の許嫁の元へ向かい、大阪の若旦那は親の遺言でその母娘のいる江戸に向かうという話。途中の嶋田の茶屋で出会うのだけれど、その時にはそれぞれが誰かもわからず些細なことで喧嘩までしてしまい、そのまま東京と大坂について初めてきがついてまた互いに引き返すという。
👩あははは、それは面白そうだね。
👨前半はその茶屋のセットなのだけれど、後半は背景が東海道の地図でそれぞれのいる場所がランプで灯り、その中での道中を急ぐ両方のエピソードが描かれていくという仕掛けになっていて。それはやはり歌舞伎というよりは喜劇で。
👩そうだっんだ。 その感じは現代劇なのかな?
👨いやいや、ド時代劇ではあるのだけれどね。
👩そういえば、話は『はなのお六』に戻るけれど…あの、アドリブみたいなところ。毎回やってんのかな?やっぱやってないのかな。反応がすごく新鮮だなと思ったんだけど。
👨ん?
👩アドリブみたいなところですよ!
👨あぁ。
👩腰元をずるずると引きずったりしていたでしょ。
👨もしかしたらアドリブかもしれないけれどね。
👩というか絶対にアドリブを入れていると思う!新鮮さなのかなぁ
👨多分ね。思い出してみればあそこだけではなかったから。家来、腰元が居並ぶなかで、けっこう野放しで動いていて。
👩良いシーンだった。生き生きしてた!
👨うん、私、高校生のころに父親に松竹新喜劇に連れて行ってもらったことが何度かあって、当時の藤原寛美さんの芸もそういうところがあったからね
👩相手役をめっちゃ笑わせようとしててさ。
👨きりっとした若侍や美形の腰元がどうしていいかわからなくて戸惑ってしまっていて。
👩最後とか男優さんがこらえきれずに笑っていてたからね、 面白かったな。
👨ああいう芸の粋さみたいなものはあるよね? でも、思えば 松竹というのはそういう意味ではやっぱり懐が深いというか、奥行きがしっかりあるというか。ああやってほら、自由にその歌舞伎のできる人とか、それが歌舞伎の様式とか、舞台装置なんかもあれはしっかりと歌舞伎じゃん。完全にうん。
👩そうだねぇ
👨喜劇の世界にああいうノウハウが使えるっていうのはやっぱりすごいよね。
👩でも、満席ではなく空席もあったね。もったいない。
👨暑いからねぇ。私はすこし早めに来て後から来る方たちを見ていたのだけれど、みんな席につくなりふぅっていう感じで息をついていたものね。
👩暑いものーっ、
👨あと、今月の歌舞伎座滅茶苦茶よいからねぇ。そちらに客をとられたのかもしれないし。
👩歌舞伎座、いいよねぇ。
👨そういう月には歌舞伎座に優待が来ずにこちらになるのだけれどね。
👩こういう言い方はあれだけど、しょうがないよ。
👨今月は新橋演舞場も大当たりだったけれどね、私的には。今日はお酒が美味しいです。
👩うんうん。

その2 8月3日夕方 三鷹「小箱」にて、


おじさんはしっかり食事、おねえさんはケーキを食べながら。
👨さてと、今日は落語を聴きにいくのですが、その前にすこしお話をしようということで。
👩おじさんは新橋演舞場のあと、またいろいろとご覧になったのですよね。
👨そういえば私、久しぶりに山の手事情社を観に行きまして。
👩どうでした?というかタイトルはなんという?
👨『夏の夜の夢』、

👩『夏の夜の夢』か。
👨 私、池上の劇団アトリエに初めて行きました。
👩はいはい、私は 昔行ったことあるな?
👨なんか、あの私ってほら90年代に彼らを観ているのですよ。 その頃って、主宰の安田雅弘さんはもちろん清水宏さんとか池田成志さんとか山田耕平さんとかが出ていらっしゃって。 で、なんかあのわけれ わかんないけど面白いっていう。
👩うんうん、そういうイメージがありますね。なんかパワフルだしね。
👨なんか青山円形劇場でだったか電気釜でご飯が炊けていく舞台もあったなあ。 で、その後、モダンバレエのように身体で世界を表現をするような作品も観て、でも、そこから公演に足を運ぶ機会がなくて。観たかったのだけれど、なんか都合が合わないことが続いてしまって。
👩はい。
👨で、気がつけば今回、20年以上ぶりの再見で。
👩あはは。
👨で、なんか今回見たら、それがちょっとコミカルな部分にも回帰しつつ。あの空間を斜めに使って真ん中奥に障子戸を立てて、床には茣蓙なんかもしいて古民家の雰囲気をかもしつつ。
👩ほう。
👨でもそこで演じられるのはしっかりとまっとうな『夏の夜の夢』なんですよ。パックの衣装は座敷童子だけど。
👩え?座敷童子?
👨あのパックがね。あの座敷童子のようなかっこなのですよ。
👩へぇ、面白いな.男の子ですか?女の子ですか?
👨あぁ、女優の方がされたのですけれどね。
👩結構わくわくするような設定だね、
👨で、パックさんて、本来はものすごく走り回って、どうのこうのっていう感じなのだけれど。
👩そうですね。というか、私、パックをやったことがあるだけど…
👨へぇ、そうなんだ。
👩そうなの、すごく大変だったね。体力が!
👨それはすばらしい。
👩面白かったですよ、
👨なるほど。で、今回のパックはなんかね、時々呆けてもいるの。こんな言い方でまるめちゃうのもなんだけれど、作品は男女のひと騒動の物語でもあるじゃない。そこを暗示するように「どんぐりころころ」を歌ったりもしてね。お池に嵌ってさぁたいへんって。
👩うん、それは日本のものになっているってことなのね、その昔の古民家というところからしても。
👨うーん、古民家っていうかなんだろうね。あの昔ながらの日本家屋的な舞台で起こるなんだけれどねえ。
👩じゃあ日本の人なのでしょ。登場人物も。
👨いや、でもね、登場人物は原典を全部をしっかり踏襲していて。
👩そうなの。じゃあなんでパックは座敷童子なの?
👨正確には座敷童子風というか。他のひとたちはそれぞれに、衣装も洋装をしっかりしているし・
👩じゃあ、名前は?
👨それも原作通り。
👩えーと、ふた組の若い恋人たちの名前は?
👨ハーミアとエレナ。ディミ―トリアスとライサンダー。それはそのまま。
👩あぁ、そうなんだ。
👨シーシアスとヒポリタもそのままで。パックも名前はパックだし。登場人物的に見てオリジナルとちがうのは芝居をする職人が2人なのと豆の精たちが出てこないくらいかな。
👩うんうん。
👨でね、そういう作品構成の中でも山の手事情社で鍛えられた身体って半端じゃないというか動いても止まっても切れが凄いのよ。瞬発力はもちろん静謐も揺蕩いの動きにも不要な緩慢さが微塵もない。時にモダンダンスのような身体の使い方などもあってそこからあふれ出してくるニュアンスにもしっかりとつかまってしまう。 男女の距離感や感情のベクトルにしても温度にしても身体でしっかりと表現ができていて。90分の尺だから原典よりはかなり端折っているはずなのだけれど、それでも物語への構成の仕方がしっかりと質量を作り出していて。抜群によくて本当におもしろかった。
👩へぇ。
👨もうね、けっこうわくわくしながら帰ってきましたけれどね。
👩それ面白そう。というか、パックのこととかでもなんでそうなっているのだってちょっと気になるから、どういう感じになっているのか観たいね
👨はいはい。
👩映像化とかはしないのかなぁ。というかするんじゃないの、今は。みんな観劇三昧でみることができるようにしてほしい。
👨この作品はどうだろうねぇ。山の手事情社自体はこれまでにもいくつかの作品を映像化していたような気がするけれど。
👩今言ったように日本家屋風でパックが座敷童子なのに、ほかの感じは全然違うのかとか、実際に観ないと納得ができない 
👨するかなぁ。どうだろうね。
👩もうあのみんな 観劇三昧で観ることができるようにしてくれ。あの、ブルーレイとかDVDとかはもうなかなか買わないから、配信、サブスクで観ることができるものがいいよ。
👨時代はサブスクだよね。うふふ。
👩だって配信ならスマホでもパソコンでも観ることができるし。テレビ画面でも観れるし。そうして欲しい。
👨今回は若手公演ということで。 若手の人たちが中心になってというか、20代が入団してからまだ数年の人からベテラといっても30代のひとたちの公演だから。 それを記録に残して売るのかなぁというのは劇団の方針にもよると思うのだけれど。
👩はい。
👨でも振り返ってみれば、そのクオリティは私がいちばん最初に見た頃の、主宰の安田さんがまだ20代だった頃の身体とおなじなんだよね。そして演じるスピリットや熱量も。 一緒なんだと思う。だから確かに記録に残して売ったりもすればよいのにとは思うよね。ましてや今回はチケットが全部ソールドアウトで大変だったみたいだったらしいし。
👩よく取れましたね。
👨たまたまご出演の方とお知り合いになる機会に恵まれて、その時にご案内もされたので、かなり早い段階でチケットを抑えることができたのね。
👩なるほど。ちょっと来てねって出演者の方に言われたのね?
👨そう。私が拝見した別の舞台では演出助手をされていたのですけれどね。まあ、今回の舞台を観て、次はちゃんとアンテナ張ってぜひ観に行こうとは思いましたけれどね。
👩いまさらだけれどどこでそういう情報を得 るんですか、おじさん?
👨それはアトリエ春風舎の公演の後、たまたま機会があってだったのだけれど。でその時に彼女が山の手事情社の俳優であることを知って、次の公演を勧められて、当然に公演のチラシ束に折り込まれてもいて、詳細もわかってということで観にいったのだけれど。
👩あぁ、チラシで。やっぱりね。
👨うん。やっぱりアナログだけれど、演劇の情報を得るにはチラシが一番。
👩そうだよね。
👨うん。ところでちょっと話は変わるけれど、もうひとつ最近観た舞台ですごいなぁと思ったのがカンパニー・デラシネラ。あれもチラシで情報を拾って観に行った。小野寺修二さんのユニットだけれど、今回は松本清張の『点と線』を舞台にかけてね。

紅葉坂ホール


👩へぇ、面白そうですね。私はミステリー好きだから
👨きっとお姉さん超お気に入りの面白さですよ。ちなみに『点と線』って読んだことあります?
👩それはないなぁ。
👨あの松本清張のあのデビュー作でね。
👩そうなんだ。聞いたことはあるかなぁ?
👨鉄道を使ったミステリーなのですよ。
👩いわゆるだね。
👨そう、いわゆるでね。
👩うふ。
👨あの、多分、元の小説を知らないであれだけ見て、たぶん100%その物語をわかることは難しいかもしれないなとは思ったの。
👩ダンスだから?。
👨ダンスというか身体で作る部分も多いからね。、あと身体で作ると言っても一番そのキーになる主人公たちのセリフというかそこに裏打ちされた彼らの行動というのは、演じる力のある俳優たちにカバーされている部分もあって
👩へぇ。
👨あの、武谷公雄 さんと成河さんが刑事役でご出演でね?
👩はい
👨彼らがセリフでストーリーの一番大事なところは固めるんだよ。 一方でトリックの感覚のところは身体でしっかりと表現してね。たとえば九州で殺される被害者の男女が同じ寝台特急に乗ることを証明したくて、まだ新幹線ができる前の話だから犯人が15番線に止まっているその特急列車にふたりが乗るところを不自然にならないように14番線に列車が止まっていない時間を計ってさりげなく13番線から証人にみせるというくだりがあるのね。
👩なるほど。
👨その時の空間が舞台美術と身体で表現されると、本で読むのとは全く違った感覚でその一瞬が伝わってくるのよ。他にもそうやって舞台だから受け取ることができる感覚がたくさんあって。
👨だから、逆に舞台で描かれたことがどう表現されているのかたしかめたくて。今ならKindleで読めるから。
👩あぁ、あんまりネタバレをしないで。読もうと思っているから。 へえ、でもそれをダンスでやろうという発想は面白いね。
👨うん。その、小野寺さんが古典とかいろんなものを身体で構成して表現するのは何度か観ていて、それぞれに違って素晴らしかったのだけれど、推理小説の世界を描き出すというのはまた一味ちがった驚きや新しさがあってね。とても惹かれましたよ。
👩昔から古典っていっぱいやられているのだけれど、なんでやるのかと言ったら,ダンスで表現したみたいにお芝居でやってもきっと環境とか出演者とか、もちろん演出とかでまた全然違うものができるから、さらにまたチャレンジをされるのだと思うのね。
👨うん。なるほどね。
👩それぞれの解釈ややり方で同じ本でも実際に全く違うものになっていくから。だからたまに現代演劇の同じ台本で、別の演出家が別の俳優たちとさ、同じものをやったりするわけじゃない。でも、それぞれの演出で全く違う着眼点というか、その大事にするところを表現しようとする場所だったりとか、物だったりとかことだったりとかが全然違うから面白いなと。 でもなんか、特になんだろうな。有名どころとか、古典だったりとかだと、まあ一回見たからいいかなってなることもあるとおもうのよ。やっているからまあ見ようとなるだけで。でも今の話はその辺が全然違うんだよなって思う。
👨うん。
👩そう、さっき話したやつとかも特にそうじゃん。
👨はい。
👩『夏の夜の夢』とかもさ、そのそういう風に変っていくのだって思うし、ましてや推理小説をダンスでとなったら、更に世界を変えるというか。
👨あの、ネタバレにもならない範囲なんだけど当然殺人事件だから死体があるわけじゃない。 でもそれがダンスで表現されるとそれにまとわりつく時間がもう文字で表現されたものとは全然違うのね。
👩へぇ、?
👨その時間の感覚の浮き上がり方が違う。
👩纏わる時間の感覚か。
👨そう、感覚。本で読んだ死体っていうのは、そこに横たわって証拠を抱いているだけなのだけれど。
👩それは作家や作品によるけれどね。私はミステリーが好きだからうんとはいわないけれど。
👨なるほど。でも、少なくともダンスでそれを作ると、そこにはね。 死体が死に至るまでの時間や死体がそこにあることの事実に留まらない感覚が織り込めたり刑事から見た死体の想いなども表現できたりするのでね。
👩まあ、小説でも作品によっては凄く存在感を持った死体があるから、それはうんとはいえないな。
👨うん。そういう意味ではお姉さんがあの舞台を観た時にどう感じるのかというのはとても興味あるよね。
👩ちなみにそれは観てから読みたいけれど 読んでから観たいしみたいな感じはあるねぇ。
👨まあ私は中学生のころに一度読んでいて一応顛末は知っていたんですよ。 どんなトリックで、誰が犯人かっていうのは。そういうのって意外と覚えているよね。
👩うん、そうね。めちゃ覚えている
👨あの忘れてなかったからね。でも、だからこそ、その身体が表現するものというのが単純に物語だけじゃないというのが凄く分かった気がする。
👩いいものを見ましたね。 映像化してくれ。 ほんと思う。
👨あれは確かに映像で観てもすごく面白いかもしれないと思う。
👩特にダンスは 良いのではないですか? 映像化しても。
👨うん。あの紅葉坂ホールが湛える密度は映像にも写しだされる気がするし。今回は回り舞台も使われていてね、それも映像に映えそう。
👩へぇ。そうなんだ。
👨人の動きとか、時間の流れなんかもそれがあると一層研がれて見えてね、映像がそれをどう切り取るかとかも楽しみだし。
👩あ、でもダメか? 松本清張さんの著作はまだまだ全然著作権あるものなぁ。
👨作品としては 映画にもなっているくらいだから、ちゃんと許可が取ったらいけるんじゃない。というか、それも込み込みで権利を取ればよいというかよかったのにとは思う。
👩まあ権利問題のリスクはあるじゃない。
👨うん、もちろんそうなのだけれど、松本清張作品はたとえばベケットの作品ほどのこだわりがあったり厳しくされたりはないだろうから。とれるなら取って映像化してほしいね。
👩はい。ところでそろそろ。今後のおすすめ舞台などありますが。
👨そうですね。まず、これがアップされるころにはもう始まってしまっているだろうけれど、あやめ十八番は外せないかなぁ。今回はお団子屋さんシリーズみたいで。
👩会場はどこですか。
👨座・高円寺。今回は対面客席みたいですよ。
👩それは行きたいなぁ。あとは?
👨一つはね。『劇団チリ』。今は公演をされていないのだけれど、かつてブラジルっていう人気劇団があったじゃないですか。
👩あぁ、知ってますよ。
👨そこのブラジリー・アン・山田さんが、劇団チリ名義で即興劇を1公演、短編集を2公演されるみたいで。
👩その劇団チリって、ブラジルのとなりっていうこと?
👨多分そうじゃないかなぁ。あと地理って細く長い国土じゃない。そのように活動を続けたいという思いもあるそうな。なんか、彼が8年前にシアターミラクルで若手公演をしたときの名義でもあるみたいだけれど。会場は立川。そもそもブラジルってほんとに面白かったし今回はけっこう昔から拝見していた俳優の方がたくさん出られるので、これはもう外せないかと。
👩ええ、いいね。
👨あの中川智明さんとか本当に久しぶりに拝見する気がする。帯金ゆかりさんなんかも拝見する機会にずっと恵まれなくて。
👩知っています、帯金さん。あの帯金さんといえばちょっと話しがずれるけどさ、帯金さんのこと大好きなウクレレ高円寺さんっていらっしゃるじゃないですか。
👨ああ、はいはい。よくXでも呟かれている。あの、ずっとファン代表のような立ち位置で帯金さんを推したり心配していらっしゃる方ね。。
👩あの、彼はウクレレを置いて歌を歌うんだけれど、その彼のステージを観たこともあるのだけれど、Xを見ていたらウクレレ高円寺さんが「帯金ゆかりさんがテレビドラマに出る、僕の夢が叶った」ってポストしていて、
👨あっ、それは私も見た
👩何年たってもウクレレ高円寺さんは帯金ゆかりさんのことが好きなんだなぁってほっこりした。帯金さんが結婚するときにも、あんなにひたむきに応援してくれる人がいるなんて幸せだなぁとも思っていたし。
👨なんか旦那公認でいろんなことをするのをふたりがそれぞれにポストしていたりもしてね。
👩そう。おもしろい。
👨で、帯金さんがすごくいい距離感を保っているのね、
👩帯金さんって根強い人気のある俳優だけれど、一時期を大好きで押しているというウクレレ高円寺さんの方が有名になっている逆転現象も起きていてね。 めちゃめちゃ 面白かったです。
👨彼女はあの北京蝶々の頃からずっと拝見していて、すでにそのころから良い俳優でしたけれど。
👩うん、懐かしいね。
👨そういえば大塩さんとかいまどうされているのかと思ったりもして。
👩それでなくても、コロナのころにはたくさんの人が演劇を離れたりがあったりもして。みんながやめたとは言わないけれど、また昔見た人を観ることができるのはいいね。
かしいね。
👨 なんかそのブラジルというかチリにしてもそうだけど、いろんな人や団体が普通に戻ってまた始められるようになっているというのは、観る側にとってはとても素敵なこと。そういう機会って すごく嬉しいよね。
👩そうですね、何よりだ。ほかにお勧めがあれば
👨あともうひとつは「アマヤドリ」ですね
👩アマヤドリか。アマヤドリはいつからどこで?
👨場所は吉祥寺シアターですね。2本立てで8月16日から27日かな。
👩アマヤドリは観るのにパワーがいるのですよ。生半可な気持ちで観ると疲れてしまうから。そう、言葉を恐れずにいえば疲れてしまうよね。
👨うん、確かに消耗するからねえ。
👩すごいパワーがいるから。パワフルだから
👨広田さんが作る密度って普通と違うんだよね。
👩うん。
👨俳優の方たちもその密度を作ることができるように鍛えられているし。
👩面白いんだよ。めちゃめちゃ面白いの。ただものすごいパワーがいるのもまた事実。がめっちゃ疲れる。
👨私はね、結構芝居に様々が詰まっていても、純度が高くても、それを割と吸収できる自信があるんだけど。まあ、それなりにね
👩そうだよね。そうでなくては年に3桁のお芝居なんて観ることなどできないだろうし。
👨まあ確かにそうなんだけど。でもね、アマヤドリはね、観劇後にやっぱりたくさん残るんだよ。彼らの作品はもれなくそう。この間彼らが『人形の家』をとてもポップな感じとしっかり系と2バージョンで上演したのだけれど。
👩イプセンか。
👨そうそう。そのどちらにも異なって観る側を圧倒するものがあって。まあ、これまでの経験に押し留められて、同じ日のマチソワにしなかったのだけれど、それがもう大正解だったもの。
👩うふふ、情緒ぶっ壊れるものね。
👨そう、彼らの舞台は手が抜けないんだよ、観る方として。
👩だって作ってる方も手を抜くとは何の話みたいなぐらいに演じるものね。それでこそと思うし、だからやっぱ残るし、なんか誰かの人生に少しだけでも影響を与えるような、変えてしまうようなパワーがあると思うし。うん、芸術だなと思う。 広田さんの作るものは芸術だなぁっておもうよね。
👨なんかね。そのさっき言ってた二作品にしても、アマヤドリの舞台たちにしてもそうなのだけれど、そのために役者が常に問われてるよね。その結果として作品の定めるフォーカスがあるし一瞬ごとに曖昧さやモワレがないとも思うし。だから観る側も心置きなく作品に向かいあって、攻めた見方ができるというか。そういうことはなんか感じるよね。
👩決してね。決してなんか、いやアマヤドリの作品は好きなんだけれど、万人受けはしないなと思う。
👨うん、
👩わかんないんだよ。 私もわかってるとはとてもじゃないけど言えないし。 まあそれでいいと思うんだけど、観る方は気楽にで。
👨うん。 でもなんかあのそうだからこそ、気楽に観てと思うからこそ、気が付けば全部出し切って観客が観てしまうみたいなこともあるんでね、『アマヤドリ』の場合は。
👩そうだねぇまあ、なんにしても、楽しみなものが、まだまだ目白押しで何よりです
👨ちなみにね、9月10月のラインナップにも、もっと楽しみなものがたくさんあるん? けど、またそれは別の話ということで。
👩それは次のお楽しみということで。
👨じゃ今日。 このくらいにしましょうか。
👩はい。
👨それでは演劇のおしさんと。
👩おねえさんでした。また次回。
・・・・・・
👨余談ですけれど、両日とも美味しいものを食べて飲んで、良き暑気払いになりました。
残暑厳しき折、みなさまにおかれましても、たくさん食べて、たくさんお休みになられて、どうかご自愛くださいませ。

ネコの扇子(新橋演舞場で購入)

(ご参考)
・松竹七夕喜劇まつり
2024年7月5日~28日@新橋演舞場
『唐木の看板』
作 ;和老亭当郎
脚色;平戸敬二
演出;浅香哲哉
『はなのお六』
作 ;一堺漁人
脚色;茂林寺文福
演出:浅香哲哉 
出演;藤山直美、市村萬次郎、中村亀鶴
澤村宗之助、大津嶺子、春本由香
いま寛大

・山の手事情社『夏の夜の夢』
2024年7月27日~8月4日@山の手事情社アトリエ
演出 ;小笠原くみこ
出演 ;名越未央、松永明子、渡辺可奈子、
高島領也、喜多京香、宮﨑圭祐、
有村友花、鍵山大和、藍葉悠気

・カンパニーデラシネラ
第309回神奈川県青少年芸術劇場
『松本清張 点と線』
2024年7月27日~28日
@神奈川県立青少年センター紅葉坂ホール
原作 ;松本清張
演出 :小野寺修二
美術 :ニコラ・ビュフ
音楽 :国広和毅
出演 ;成河   王下貴司 大西彩瑛 崎山莉奈 
武谷公雄 田中博士 藤田桃子 小野寺修二 
麻奥久美子 阿部知代 池内奈都子 浦野真介 
大江昭彦 大川原歩 大久保美智子 小川恭未子 
加藤典子 佐々木春樺 桜田実和 柴田真梨子 
高久瑛理子 髙橋陸生 高浜由理 竹田紫月 辻祥子 
中神真智子 中島克枝 中西一斗 西久保成子 
羽芝博美 東由希子 本間剛久 前原泉 光永勇輝 
杜菜摘 元山未奈美 ヤスオ 他

(今後のご参考)
・あやめ十八番『雑種 小夜の月』
2024年8月10日~18日@座・高円寺1
脚本・演出;堀越涼(あやめ十八番)
出演;堀越涼、大森茉利子、金子侑加、
中野亜美(以上、あやめ十八番)、
秋葉陽司(花組芝居)、井上啓子、内田靖子、
梅澤裕介(梅棒)、小口ふみか、川田希、
蓮見のりこ、福圓美里、松浦康太(シタチノ)、
山本周平(新宿公社)、佐藤つむぎ、原川浩明(花組芝居)、
+日替わりゲスト、
音楽;吉田能(あやめ十八番)、池田海人、
丸川敬之(花組芝居)、中條日菜子

・劇団チリ『ハッピーターン』&『昼だけど前夜祭』
2024年8月24日~25日@コトブキヤホール
*『昼だけど前夜祭〜台本のない即興ショー〜』
構成・演出:ブラジリィー・アン・山田
出演:西山聡(ブラジル) 中川智明 本井博之 
仲坪由紀子 金沢涼恵
森田ガンツ(猫のホテル/なかないで、毒きのこちゃん) 
平田裕香 佐藤滋(青年団/滋企画) 金川周平(東京オレンジ)
小川夏鈴 時岡怜美 櫻井智也(MCR)
*『ハッピーターン』
本井博之 中川智明 帯金ゆかり 仲坪由紀子 
金沢涼恵 西山聡(ブラジル) 池村匡紀 
友松栄 未来也 鮫島うた

・アマヤドリ『牢獄の森』『うれしい悲鳴』
2024年8月17日~26日@吉祥寺シアター
脚本・演出:広田淳一
出演:
*牢獄の森
倉田大輔 沼田星麻 相葉るか
徳倉マドカ 深海哲哉 宮川飛鳥
堤和悠樹 星野李奈 稲垣干城(以上、アマヤドリ)
さんなぎ
*『うれしい悲鳴』
相葉りこ 宮崎雄真 大塚由祈子(以上、 アマヤドリ)
西川康太郎(おしゃれ紳士) 西本泰輔 瀬川聖
津田恭佑 成瀬志帆 月野環
夏アンナ 元山日菜子 宮本海
梶川七海 小町実乃梨 三尾周平
桜井木穂 チカナガチサト 荒川流(拘束ピエロ)
ザンヨウコ


よろしければサポートをお願いいたします。いただいたサポートは我々の会話をより多岐に豊かにするために使用いたします。よろしくお願いいたします。