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観劇レポ-わらび座『北斎マンガ』~Book!buk!Libook!#17振り返り

(この記事は、Spoonにて2022年10月23日に放送された、LODOFMプレゼンツ"Book!buk!Libook!#17"の内容から、観劇レポ部分を抜粋したものです。)
↓配信が聴けるURLはこちら
(タイトル未設定になっていますが問題ありません)

こんばんは。おじぃです。
観劇レポ、なかなか書くことがないのですが、せっかくエンタメ好きを標榜するラジオ配信をしているので、ここで書かないわけにもいかんだろう、と。
今回の観劇はこちら!

10月10日(月・祝)14:00~ @米沢市 伝国の杜置賜文化ホール

わたしは山形県に住んでいますが、山形市より米沢市のこの会場の方が近かったので、山形に来るなら!と思ったのと、知り合いが実はこの公演に同行していたそうで、事前に話を聞く機会もあったので、行ってみました。
なんでも、米沢は10数年ぶり?山形県内には何度かいらっしゃっているようですが、貴重な機会でした!

あらすじ(ホームページより)

時は江戸後期、鉄蔵(のちの葛飾北斎)32歳の春。 版元の蔦屋重三郎がおことを鉄蔵に引きあわせる。 家族を亡くして生きる張り合いを失っていたおことだが、日本一の絵師になりたいと夢中で絵を描く北斎の姿に、いつしか自分の夢を重ねていく。

「ものには何でも色と形がある。その一瞬の姿をこの手で写し取れた時、たまらなく愛おしくなる。なんて楽しい、なんて嬉しい。それが絵師の仕事」

戯作者・左七(さしち・曲亭馬琴)とコンビを組んでヒット作を飛ばすが、作品の方向性を巡って大げんか。
娘のお栄も鉄蔵に似て絵のことが好きでたまらない。せっかく結婚したのに亭主の絵をけなして離縁させられてしまう。
そんな2人を支える妻・おことだが突然の病に倒れてしまう。おことのために一世一代の絵を描こうと決心する鉄蔵だが、はたして絵を完成させることはできるのか。そして左七との関係は・・・。

https://www.warabi.jp/hokusai2021/

これPVをぜひみてほしいんですが、
かなり面白かったです。面白かったポイントを少しまとめてみました。

面白かったポイント①はじめてミュージカルと出会ったくらいの衝撃と面白さ

ミュージカルを観たことが無いわけではない。
観たことはあるが、相当昔だった、というだけだ。
おそらく、2001年に宮城県民会館で行われた「オペラ座の怪人」を観ていたはずだ。このとき、わたしは中学2年生。校外文化学習の一環でクラスみんなで観劇したのだった。アウトラインはその後も映画を見ることはあったのでだいたい同じだったかと思うが、舞台を縦横無尽に飛び回る演者が印象的だった。・・・はずだが、もう20年以上前のこと、本当にそうだったか、改めて感激して確認する以外の方法が見当たらない。

つまりは、今回20年ぶりのミュージカルだった。なので「はじめて」という表現をあえてつかう。
ミュージカルというものをはじめ軽く考えていて、最近は演劇を見ることも多かったから、役者さんの演技に注目すればいいのかなと思っていたら、もう最初から歌や踊りで会場を席巻していた。
「ホ!ホ!ホクサ~イ!ホホホホホ!ホクサ~イ!」
で始まるこのミュージカルは、とにかく衝撃、始終驚きっぱなしだった。

面白かったポイント②葛飾北斎の奇人さ

「ホ!ホ!ホクサ~イ!ホホホホホ!ホクサ~イ!」
と言われるほどライトな人間だったなんて知らなかったから、驚いた、ということもあったと思う。

だって私たちは北斎のことを(おそらく)何も知らない。

葛飾北斎は、宝暦10年(1760年)に武蔵国葛飾(いまの墨田区葛飾)に生まれる。安栄7年(1778年)に勝川春章の門下となるが、その後寛政6年(1794年)に破門。以降、独立して何とか絵の仕事で食いつなぐ。
葛飾北斎と言えば、「富嶽三十六景」が有名だ。これは浮世絵として、天保2年(1831年)頃に北斎は作成・開版したそうだ。このとき、北斎は71歳。
最期、1849年に88歳まで生き、生涯を閉じる。

とにかく葛飾北斎の人となりを知らないわたしたちは、ミュージカルで縦横無尽に駆け回り騒ぎまくり、ごねまくる北斎に驚く!
これがまず面白い。ネタとして最強。
ごねるクリエーターというのは概してどの時代にもいるものなのか、現代の音楽シーンや映画監督でもそのような方の話をよく聞く。

次に、北斎がだらしない
こんなすごい絵を描いたんだから、きっとすごい人間に違いない、と思っていた。これは思い込みだった。いや、歴史の通説で言うと、そういう人ほどだらしない的なのあるじゃないですか。そういうことなんだと思います。

北斎はとても気難しい人だと思っていたけど、役者さんたちの頑張りで、その顔は普通の人間としてとらえることができたのは、大きな収穫だったと思う。歴史上の人物をこうして面白く解釈してくれる劇はありがたい。

面白かったポイント③駆け巡る役者たちのイキイキとした顔

ミュージカルだから当然と言えば当然なのですけれど・・・
役者さんたちのイキイキとした顔が印象的だった。
一番前の席で観劇したが、つばが飛んできそうな勢いでマイクを通した声じゃない、地声も聞こえる距離だったのも、そう思わせたかも。
そして、興行人数的に限りがある部分もあったのかもしれませんが、主役以外は一人何役かを兼ねている場合があって、その場その場で役者さんが見せている顔が全然違う、ということも面白かった。役者さんが舞台袖にはけるときに物品を持っていったりセットを回転させたりして。
ミュージカルだからテンポが大事、私たち観客をどんどん次へ次へと押し出してのめりこませる工夫をそこに見ました。

後妻のおことの話もしたい。
北斎と出会った当初はしょぼんとしていた後妻のおことは、だんだんと北斎の後押しをするために金策に走り回るのがライフワーク、ならぬライスワークとなっていた様子で、ときに北斎がしゅんとしていても勇気づけてやる、というような姿もあり、その元気さに救われた。
いつでも、勇気づけ、元気づけてくれる存在が、ヒーローには必要だ。

そしてもう一人、北斎の娘のお栄(えい)がファンキーなラッパー風の格好で出てきていて、それも面白かったですね。極端に現代風w でも、江戸の空気観を壊さずにところどころ現代ネタを入れ込んでいたのは、ギミックの細かさというのでしょうか、笑わされたポイントでした。
お栄は親父と同じようにどうしても絵描きになりたい。でも親父にはなるな、と言われる、みたいな。北斎でも子は可愛いのだな、あるいは同じ思いをさせまいとするそういう姿なのかな、というのがわかるような作品でした。

まとめ

北斎マンガは、北斎が手掛けた「北斎漫画」の名前を借りた、浮世絵への情熱を絶やさなかった男の物語だ。

「北斎漫画」は、劇の中では、北斎が多くの弟子を取ってしまったがために創作活動ができず、それならば教本のようなものを作ってしまおう、という発想で作られた絵手本というふうにこの劇中では描かれる。その横着さ自体も北斎を愛せるエピソードだが、その発想が多くの後世の作家を生んだのは間違いないだろう。内容としては、職人や道具類、ふざけた顔、妖怪、さらには遠近法まで、多岐にわたる内容が含まれるそうだ。

劇の中盤、北斎が病気で倒れてしまいます。なんとかおことが助けたいと奮闘します。そしてその後北斎一家はどうなっていくのか、怒涛のように流れ見逃せない展開になっていきます。

ぜひ観劇するチャンスがある方にはご覧になっていただきたいです。

そして、わらび座

知っていたような知らなかったような情報として、「わらび座」は民事再生法適用となってしまい、現在は「一般社団法人」として事業を継続しているそうだ。わらび座のスポンサーとして多くの地元企業が名を連ねており、40年もの歴史を継続しようという気概も感じられる。
劇団の本拠であるあきた芸術村にも行ってみたいし(泊まってみたいし)、また近くにいたら違う演者さんたちと出会えるのかな、と思うと、次回の公演が楽しみである。

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