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プーチンへの手紙

昨年11月、田舎の家を処分するのに荷物を整理した。少しばかりの写真と本、それに親の形見を残してあとは全部捨てた。そのなかに、ロシア語のタイプライターがあった。

昨年12月にロシア軍がウクライナ国境に集結しているとの、きなくさい報道は当時まだ耳にしていない。ましてや、クリミア半島の例はあるにせよ、実際に侵攻するとは思ってもなかった。

それを知っていれば、タイプライターをとっておいたのにと今さら悔やんでもしかたがありません。5月9日のロシアの対ドイツ戦勝記念日、プーチンさんに手紙を書こうかと思いついたのですが。

パソコンはまだなく、手書きの時代だった。タイプライターはきれいな文字を書ける素敵な道具だった。最初は英文タイプ、これにつづけて、第2外国語ロシア語のを大枚をはたいて買った。たしか、2-3万円、もちろん手動の、パチパチと打つやつです。

英語26字より33字と数が多いし、見慣れない文字がキーに並ぶ。配置もずいぶんちがう。これを覚えるのに時間がかかって、ロシア語の勉強どころではなかった。それでもパチパチと教科書を写しているあいだに、ブラインドタッチの手前くらいまでにはなったが、肝心の語学の上達は大したことがなかった。きれいに打てるのが気に入っていただけだ。

さて、プーチンさんへの手紙。今は便利なものがあります、翻訳ソフトです。ほんとうはタイプライターで打って送りたかったのですが。残念です。


Президент Путин
Ты можешь убивать людей, но ты не можешь убить свое сердце.

プーチン大統領
人は殺せても、心は殺せない