帰りにとってあったもうひとつ楽しみ

8月はペルセウス座流星群のショーがあり、12日前後に最大の山場がくる。今年は下弦の月、条件はよくないが東京近辺の光害に比べれは格段のよさで見れると思っていた。

四国からの帰り、サンライズ瀬戸に乗ることにした。
一ケ月前の発売日に駅のみどりの窓口でチケットを求め、運良く2階席がとれた。窓は開かないけど天井にむけて45度の展望窓がある。富士山が見える方向、つまり北側を選んだ。ペルセウス座は北極星の近辺にある。

台風の影響で高松はにわか雨。
天候を気にしながら、ウイスキーとおつまみを買い込んで出発した。曇天でそのうちに晴れるかもと思いながらちびちびやっているうちに、寝入ってしまったようだ。あわてて窓から空を眺めると満天の星。カシオペア、北極星それに木星が明るく見える。

目を凝らして星が流れるのを待った。
通り過ぎる駅の証明がまぶしい。開いた瞳孔にまともに光がはいるとしばらくは何も見えない。踏切の照明も加わって、目の中に光の帯が数本残る。町が近づくとその間隔が狭まる。

流星観測は諦めた。
帰りのもうひとつの楽しみはかなえられなかった。