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「サラリーマンは永く勤めた者が勝ち」、令和の時代もそうでしょうか

「サラリーマンは永く勤めた者が勝ち」
昭和世代岳父がよく言っていた言葉です。なんのかんのと文句や不遇はつきもの、途中で投げ出した者が負け。「年功」そのものの時代だったかもしれません。でも、今も大相撲は年功の世界なのだそうです。

意外でした。ガチンコ勝負、勝ったものが上にあがり、横綱を頂点とする実力の世界。現役力士のお給金は地位そのもので決まると思っていたのですが、そうではないのだそうです。詳しいことは、慶応大教授中島孝信さん「大相撲の経済学」をごらんください。

幕下以下は無給で十両以上になると給金がもらえる。もちろん番付で決まっているのですが、この区別が粗くまたその差が思ったほど大きくない。しかも、2階建てのしくみで、これとは別に力士褒賞金というのがある。勝ち越したときの星取数、殊勲をあげた回数、もちろん優勝すればカウントされる。しかも成績が悪くても減らない、これがポイント。だから長く、十両以上をつとめればそれなりに増え、地位が高くとも短ければ稼げない。

これに加えて、105と決まっている年寄株を取得できれば65歳まで終身雇用、協会の役付きになれば給与もさらに増える。

まず、十両に上がれるかどうか、入門しての初期のがんばりがすべてを決める。
次は成績をあげて番付給と褒賞金の2階建てシステムを利用しての貯金、そう年寄株を買うためには大金が要ります。それができれば終身雇用。

やっぱり、昭和のサラリーマンと似てますね。
いい会社に入るための初期のがんばり、いや、いい学校に入るためのがんばり。
つぎは失敗しない程度に、そこそこ成績をあげていけば管理職ポストにつける。
そうなれば、下がることはまずない。あとは永く勤めれば同僚やライバルの敵失もあります。上のポストが転がり込むかもしれません。

令和の時代、大相撲と同じように、サラリーマンは「永く勤めたほうが勝ち」が続くでしょうか。案外そうかもしれませんね。