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マスクが隠すーあくびも居眠りも

期首会議。年度初めに各部店長が昨年度の振り返りと今年の予算達成の方針を述べる、全体会議です。海外支店はweb参加、プロジェクトもいれてまる1日を費やす。自分の番が終われば、あくびをこらえて座っている。

持ち時間は15分、半分でベルを1回、フルで2回、タイムキーパーが鳴らす。いつも丁寧な説明のSさんがトップバッター。ベルなど、どこ吹く風。鳴ろうが鳴らまいが関係ない、最後まで悠々としゃべりきった。

だらだら長いのが嫌いな社長、すかさず
「質疑をいれて15分ですから、発表はその半分でお願いします」

発表は半ば儀式。すでに数字はわかっているし、細かいことを言われてもわからない。簡明に方針とその具体策を2、3紹介してもらえばそれで十分なこと。でも、みんなしゃべりたくってしょうがない。個別事例を延々と話し始める所長さん、部長さん。そんなこと、他の人は興味がない。

居眠りはいつものことです。いちばん前の席だろうが2番目だろうが、どこだって関係ありません。耐えられないのです。とくに、お昼ごはんを食べた後は。そう、自分の順番はとうに終わっているから。

あくびをしてもマスクがあるからわかりません。最初は気にするんですよ、これでも。そのうち、ひたいに添うように左手で頭をささえ、下を向いてメモをとっているふり。そうなったらもう居眠りモードです。マスクを大きく広げて顔をおおい、近くが見えないはずのメガネもきちんとかける。

こんな会議、止めましょうよ。みんな集めても、「よう、久しぶり、元気?」くらいが関の山。議論も質問もあえてこんな場ではやらない。つくるのに時間を費やし、交通費をかけてわざわざ本社に集まり、発表は聞いても上の空、というより眠っている。webでも同じだろうけれど、拘束されないだけましだ。

ようやく終わって、階段でとなりの部のマネージャーがひとりごと。
「資料、たくさんつくるんじゃなかった」
そう、彼は今回初めての参加でした。