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畳に手をつかせたら勝負あり、すべて1本勝ちの「ねわざ」の女王

オリンピックも前半戦が終了し、金メダルを自分で首にかける愛想のない表彰式を見ながらも、「最強の選手」は、4試合とも「ねわざ」で1本勝ちした柔道の浜田尚里さんだと思いました。

「ねわざ」(明鏡国語辞典)
寝技:柔道・レスリングなどで、寝た姿勢でかけるわざ。⇔立ち技
寝業:裏面にまわって行うかけひき。裏工作。
当代きっての「ねわざ師」と言われているようです。もちろん、前者ですよ。

決まり技は、
横四方固め
送り襟絞め
腕ひしぎ十字固め
崩れ上四方固め
難しそうな名前のついた技ですね。

立ち技は、背負い投げとか、大外刈りとか、見た目も派手でスカッとして、これぞ「柔能く剛を制す」で、われわれ素人にはおおいにうける。
比して寝技(固技)は地味で、決まり技をきいてもよくわかりません。講道館の「柔道 技名称一覧」のYouTubeでおさらい、締技や関節技など見るだけで痛そうです。

彼女との勝負は、畳に手をついたら負け、そんな感じの試合でした。防御姿勢をとっても、いろんなところを攻められ、「襟に注意が向けば、留守になった腕をねらう」と、隙をつかれてやられてしまう。素晴らしいというより、「最恐」でしょう。

つい、仕事の話になってしまうのですが、彼女の技のかけかた、かけひきのしかたは勉強になります。自分の得意な体勢に持ち込み、常にどこかを攻める、手を代え品を替え攻める。あくまでも正面からぶつかることですね。
行き詰ると、つい「寝業」はできないかと考えるのはやめたいものです。

ご参考:http://kodokanjudoinstitute.org/waza/list/