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シャインマスカットよ、おまえもか

手軽に海外出張や旅行に行けなくなって1年半以上、この目で見て、さわって、味わえないもどかしさを、またひとつ感じました。シャインマスカット、そう、ブドウです。

韓国でシャインマスカットの生産が急増し、輸出が急増しているといいます。中国にいたっては、栽培面積が5万へクタール強ともいわれ、日本の50倍にもなっているらしい。

シャインマスカットは、2006年に広島の農研機構が国内品種登録したのですが、海外は想定外で登録をしなかった。今年4月に種苗法が改正されたが、今からでは手出しができない。

なぜ、シャインマスカットかというと、近所の大学の社会人園芸講座でこのブドウの栽培がテーマにあり、少しですが作業を経験したからです。

この栽培作業、慣れないと素人には難しい。とくに開花期に「種なし」にするジベレリン処理、この時期を間違えるとブドウ房が変形して商品価値がなくなる。それと、房の形を整え実を均等に成長させる摘粒作業、これが見映えを左右し商品価値をきめる。

本やネットを見たってうまくできません。ブドウの花が咲いたのさえ最初はわかりませんから。プロに手とり教えてもらわないと、我流ではとても「高級な」商品にはなりえません。

何年か前、出張で中国に行ったときに見たブドウは、味も、見映えも、大きさのばらつきも、はっきり言って日本とは比べるべくもなかった。シャインマスカットを見た覚えもない。

それが今や日本をはるかに超える栽培面積。たくさんつくれば上手になる、品質を上げれば高く売れる。きっとこの好循環がなされているにちがいありません。そして、その後ろには「技術指導」があるにちがいないと思うのです。

だから、中国に行って、シャインマスカットを見て、食べてみたいのです。
そして、シャインマスカットよ、おまえもか、とつぶやきに。


<ご参考>
シャインマスカットの栽培作業
2月:剪定
3月:芽吹いた枝を20㎝間隔に1つになるように枝切りする「芽かき」作業。
4、5月:日当たりよく枝を導く。伸びた枝に実がつく「房」ができる。これを間引いて7-8房/枝にする。
花が満開になった日から3日目までにジベレリン処理、その後10日から15日で2回目をおこなう。
6月:ついた実が成長したときの房の形を考えて、30-35粒になるように摘む。黒とう病は雨が原因で広がるので、雨よけのシートを張る。
7月:実に袋掛けをする
8月:収穫