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約束手形とは支払いを先に延ばすこと、お金だけじゃありません

「そんなものは紙クズだ、捨ててしまえ」
倒産した取引先の約束手形。未練がましくながめていたら、上司から叱られた覚えがあります。今朝のニュースで2026年には紙の手形が廃止されるときいて、こんなことを思い出しました。

台風手形(210日)、お産手形(310日)。とんでもなく長いサイトの手形をもらったら大目玉です。支払日記入もれの手形を、確認せずもらってきた同僚もいました。個人では馴染みのない手形、新入社員には難解でした。

一方、手形を振り出した方も気をつけなければなりません。残金不足だと銀行取引停止につながります。

もらった手形の現金化の期日と金額、振り出した手形の支払い日の残額のバランスを見ながらの仕入れと販売、資金に余裕がないと目が回ります。

「現金は1回ごとの取引で切れてしまう。手形だと支払いの負い目があるから取引が長続きするんだ。」
大先輩にこう教えられたことがありました。そうかもしれませんが、つぶれたら何にもなりません。

こうみてみると、「約束」を決済するのは、「お金」も「ことば」も同じですね。約束を先送りしたり、重ねたり。これはまだしも、口座を「空」にしたり、つぶれて「反故」にしてはいけません。現金取引のように、毎回きちんと処理しましょう。

余談ですが、取引条件は現金でも支払わない会社もあります。「今は支払う金がない」と堂々と言われ、相手が国営会社だからつぶれないだろうとズルズル取引を続けた結果、とんでもない金額になってしまいました。お隣の国での話。

どうしたって?
取引停止すればそのまま回収ができなくなります。取引を続けながらすこしずつ回収するしかありません。ある時払いですから。どうしてもだめなら裁判ですが、うまくいったことはありません。

こういうのを「腐れ縁」というのでしょうね。