見出し画像

日韓トンネル構想を正の観点で見る

旧統一教会の話題がかまびすしい。マインドコントロールされた寄付金の使い道のひとつに、文鮮明氏の「日韓トンネル構想」があったようだ。日韓国境を海底トンネルで結ぶ。宗教団体がリードする背景を思えば賛成できるものじゃない。だけど、百論を捨て見直してみるのも悪くない。

韓国釜山と佐賀県唐津を結ぶ海底トンネル。直線の途中には対馬と壱岐島がある。すでに唐津の土地を「国際ハイウェイ財団」が取得し、トンネル調査の斜坑を掘ったというから驚きだ。旧統一教会の寄付を事業に充てている。文鮮明氏の構想から40年を経て、実現に向けて進んでいる。

日本は島国、大陸と地続きじゃないから国境は海の上。地形的には英仏海峡に似ている。

英仏間にあるドーバー海、トンネルが1994年に開通した。ユーロスターが走る鉄道トンネル、全長50.49㎞、海底部37.8㎞、水深最大60mだ。戦争もあった英仏間の長い歴史の中で、両国は国境をトンネルでつなげるという「利」をとった。

日韓はどうだろうか。かつての併合の歴史から、2国間感情は今でも複雑だ。経済関係は表面上良好だが、戦時補償問題が尾を引いたり、ヘイト感情が浮き沈みする。戦後77年を経ても、まだしこりが残っているというのを現実に感じる。それを1本のトンネルでつなごうと計画した。宗教視点はごめんだが、市民観点では賛成だ。

日韓トンネルは「負」の視点で見がちだ。なぜなら、今の状況では旧統一教会の関連ごとを「正」の観点で見ることは考えにくいからだ。だけど、ここは負の百論を捨て、トンネル「効果」を検証してみてはどうだろうか。時間距離が近づくことで交流が増えれば、知らない人の遠吠えはなくなるはずだ。