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目の前のことじゃなくて、次のことがいつも心の片すみにあった

長所は短所、「うらはら」だといいます。いいのか悪いのか、終わってみてもわからないかもしれません。

子供のころは、たぶん、目の前のことだけに集中していたのだと思います。遊びも食べることも、なにもかも。他のことを考える余裕もなかったでしょうから。でもこれは今の想像で、どうだったかは覚えていません。

中学生になる前後から、少し変化したのを覚えています。たしか、算数か数学の塾だったと思います。教職をリタイアしたご年配のK先生で、流星の観測では大変有名な人だったそうです。田舎のことですから、受験勉強などではなく、数学に興味をもたせるような教え方だったのが印象に残っています。

今でも覚えているのは、人工衛星が宇宙に飛び出すのに必要な速度は、秒速11kmだという話でした。遅いと地球に落ち、速いと圏外に去っていく。算数、数学がロマンに結びつくのだと教えたかったのでしょう。今ある宿題の計算問題などはそこそこにして、そういう話を聞くほうが楽しかった。

K先生に申し訳ないのですが、これがきっかけのようです。目の前のことは一応こなすのだけれど、さほど熱がはいらず、時間があればその先のことを思い描く。地に足がついていないから実現性は横において、というのがそれからのくせになりました。中学生になると本を読むジャンルも広がり、その傾向が加速しました。

就職してからはそうも言っておれず、仕事を覚え、こなしはしましたがこの「くせ」は治りません。仕事も、ほかのことも、大きく枠をはずれるような、ちがう夢を追いかけるような思いは少なくなりましたが、「現状不満足」がそれに代わったようです。

不満足だけを口に出せば短所になりますが、不満がなければカイゼンや改革はできないと言いきかせて、それを長所にかえることを追いかける毎日です。

心の片すみには、次にやりたいことがいつもあります。