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おつな姫、お気に入りです

この季節、ビールには枝豆がいちばんですね。ショッピングセンターのやさい市場で、農家さんからの入荷を30分ほど待って買ってきました。今日はおつな姫です。

「お昼には来ると思います」
店員さんに聞くと、入荷の予定になっているという。

地元の枝豆、何種類か袋詰めになって店先のテーブルに並べてある。袋には生産者の名前が書いてあり、探すがお目当ての農家さんのがない。

店の向かいに広場があり、椅子に座って待つこと10数分、若い男の人が袋を並べ始めた。来たか?と急いで見に行くと、湯あがり娘。残念。

さらに待つこと20分、スマホも飽きて、今日は湯あがり娘にしておくかとあきらめかけたころ、緑の帽子にTシャツの男の人が並べ始めた。来ました、S農園のおつな姫。

「待ってたよ。この近所なの?」
「30分ほどかかります」
「おたくのおつな姫、とびきりだね。朝採りでしょ」
「ひとりでやってるので。3時間ほどかかります」

そうなんですよね。枝豆を畑から引き抜くのはいいけれど、枝からマメをとるのに時間がかかる。

「大変なので機械をいれたんだけど、それでもね」
「1日どのくらいになるの」
「今日は160袋でした」
「他にも卸しているの」
「ここだけです。あとは自分ちで売ってます」
「行ってみようかな」
「ここより50円安いですよ」

場所代がかかりますものね。

「(袋の裏をみせながら)茹で方書いてますが、これ違いますから」
「?」
「もう少し長め、1分ほど、そんくらいかなあ、ウチのは」
「つまみながら茹で加減をみてるんだけど」
「それが正解ですよ」
「だって、鍋の大きさも、水の量も、火加減もちがうでしょ」

ビール片手に味見しながら茹でてますから、茹で加減の間違いはありません。

「じゃあ、3袋ちょうだい。こんど行くから」

やっと会えました。
農家さんの顔が直に見えて、話も聞ける。いろんなことも教えてくれる。これがいいんですよね。こんな農家さんと、その野菜を置くお店は応援しなくっちゃね。

今日は待ったかいがありました。味も違わずいつものSさんの「おつな姫」でした。