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「ミーモ」の健康状態を心配する

「自動芝刈機が止まっているというご心配の声を頂いております」
こんな看板が日比谷公園の芝生中庭にたっていた。黄地に黒字で写真付きの「高札」はよく目立ち、気持ちが伝わってくる。

「第一花壇内の芝刈りを行っている『自動芝刈機"ミーモ"』が時々止まっているとのお声を頂いております。止まったままになっているなど異変を見かけた方は日比谷公園サービスセンターまでご連絡頂けますようお願いいたします。連絡先・・・・」

「ミーモ」という名があるとは知りませんでした(ホンダ製でMiimoというらしい)。右から左へ、もくもくと、いや、さっそうと芝を刈っているルンバに似たロボットは「ご苦労さん」と声をかけたくなる。そう、わたしもミーモのファンなのです。

流線形の白いボディにグレーのハカマをはき、赤のワンポイントがはいった黒の帽子をかぶって、凛々しい姿。その「ミーモ」が疲れて元気ないんじゃないかと心配する人が多いのだ。そういえば、最近、動いているのを見なかった。夏は芝が伸びるのが早いけど、ちょっと調子が、と電源のある家で休んでいたミーモ。それを知らずに横目でみながら通り過ぎていた。

今朝、その看板があるのに気がついた。やっぱり。大丈夫なんだろうかと、文字を追いながらお家に目をやると、ミーモの姿がない。どこだ?とさがせば、地面の凸凹にあわせて上下に振りながら左から右へ、芝生の真ん中を横切るのが見えた。あまり無理しちゃだめだよ、まだ暑いから。

江戸時代には「高札」というのがあって、掟や禁制などを板に書いて人がよく見る場所にかかげたという。多くの人々とのコミュニケーションの手段は、看板がはじまりです。今ならネットでとなるんでしょうが、現場に掲げられた「語りかけるような」この看板は、気持ちと趣旨がよく伝わってきます。