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「荒い」と「粗い」

戦争や事故などでやむを得ないこともあるでしょうが、最近の値上げは粗っぽい。ふだんづかいの日用品もさることながら、そのもとになる原材料がひどい。値上げが「荒い」から「粗い」になっていると感じてます。

ナフサや石油化学製品はいうにおよばず、電池につかうリチウムや、食用の大豆油、パームやヒマワリも大幅な値上げだ。ここ2年ほど、とどまることを知らない。5次、6次値上げなどと称して3ケ月単位で実施される。

値動きの幅が「荒い」。10円、20円じゃない。50円、100円です。まだ交渉の決着がついてないものは、さらに上乗せされるからひどい数字になる。

値上げにリーズナブルな根拠があればまだいいのです。転嫁するのもしやすいし、それ以上に、値下がりすればその時は反映される。でもねえ、最近のは相場変動に加えて、固定費の転嫁がおおい。称して「採算是正」だと。しゃあしゃあといいますが、アンリーズナブルですよね。

「この値段でしか出せません」
「認めていただけなければ結構です」

「粗っぽい」なあ、そう「通告」なのです。

メーカーにとって、販売価格は数量と共に利益を生みだす基本のアイテム。シェアを失わないように、顧客に対しては慎重にすすめて認めていただかなければなりません。こんな状況だから競合も同じさ、ではいつか足下をすくわれ、しっぺ返しをくいます。ことばの端々に注意をしましょう、

「粗い」のはいけません。