見出し画像

ミミイカ?ミミタコ?

ザルに盛られた小さなかわいらしい、イカ。3-4cmの薄い褐色の丸い胴体、目がクリッとしてこっちを見てる。新鮮そのもの、値札をみると「生タコ」と書いてある。タコ?そういえばタコのようミイカ?ミミタコ?にも見えるけど、胴体に「耳」がある。足は?

福井駅のスーパーマーケットです。旅行に行くと必ず立ち寄るのがスーパーの生鮮売り場。地場の食べ物とくに鮮魚と野菜を見るのを楽しみにしています。

生ものを手で触るわけにはいかず、目視で足の数を数えてもよくわからない。係の人もいないようだし、とりあえず写真を撮っておいた。陳列台を見歩くうちに、茹でたのがパックで売ってあった。これも「生タコ(ボイル済み)」となっている。もちろん買いました。

追加で「へしこ」の切り身パックと日本酒「一本義」を買って、帰りの「しらさぎ」に乗り込んだ。米原まで1時間と少し。午後のすいている時間、ちょうどよい昼飲みです。

さっそく店開き。「ボイルタコ」を開け、胴体を噛み切って足をもどす。肉薄だけれどしっかりした食感、塩加減もちょうどよい。「一本義」をひと口、落ち着きました。

そうそう、足の数です。イボのついた足が8本ある、それに触手が2本で計10本。これでタコ?4本ずつ切りとって食べながら数えたから間違いありません。

こんなとき頼りになるのが、「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」。10本足だから「イカ」の写真をみていくと、ありました。「ミミイカ」、鰭が耳のようだからミミイカ。タコじゃない。「各地で細々と食用となっているもの。関東ではほとんど見かけない。産地でしか消費されないので、一般にはほとんど知られていない。」

どうして「タコ」なんでしょうかね?胴が丸っぽいから?耳があるから「ミミタコ」これならわかりますが、でもあまりいい名前じゃない。次にみかけたらぜひ聞いてみなければ。

遠くにあった雪山が近くなって、トンネルを越えれば近江の国。とうに「タコ」はなくなって「へしこ」に移って、「一本義」もかなり減りました。タコでもイカでも旨ければどちらでもという探究心もどこかに消えた。ほろよい加減です。