#224『マスターの教え』ジョン・マクドナルド

 翻訳者が山川夫妻で、「マスター」とくれば、なるほどそういう意味のマスターね、ということで読んでみた。まあ、要するに山川夫妻が紹介するような本というだけで、この本の説明は足りると思う。無名の人が100年ほども前に書いた本なのだそうだ。その内容があまりにも素晴らしいので復刻されたという。
 で、読んでみると、んー、それほどかな。と思ってしまうけれど。自己啓発・引き寄せ・スピリチュアルというジャンルにおいて類書は五万と出ているし、別に目新しいものはない。というか100年前の本なので、「目新しい」というのも変なのだが。
 僕はいわゆる「引き寄せ」系に逆行しつつ、そこからヒントを得ようとして、しばしばこの種の本を読む。正直、心から賛同する訳ではない。宇宙の法則についてかなり正確なことは語っている。ただそこから引き出される理想や目標は決して良いものとは思えない。言ってみれば、電気の作り方は正しい、しかし電気の使い方が無駄ではないか、というような感じなのである。
 そうは言っても、なるほどなるほど、と今回も参考にすべき点がいくつか見つかった。一冊一冊が、内省のための足がかりである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?