草稿:メガネという共生生物についての考察

メガネという共生生物についての考察。


私は「眼鏡作家」として眼鏡を創作する活動を1997年から続けています。2016年には「蟲眼鏡」というタイトルの個展で、昆虫をモチーフとした創作眼鏡を発表しました。

メガネは、じつは生物なのではないか。そんな着想を得たのはその頃のことです。

初めは、メガネはヒトと共生関係を結んでいる動物である、という仮定から分類を試みました。

しかしながら、メガネの生態を観察したところ、その組成と構造は多岐にわたり、始祖から進化の系譜を辿ってきたというよりは、同時多発的に現れた多系統群として捉えざるを得ません。

・無機生物かも
・高次元生物の観測器官が三次元に突出している?


宿主との共生関係
・主にヒトの眼窩周辺に生息
・宿主の視力を矯正
・宿主の顔の印象を変化
・移動手段を確保
・光源を確保


テンタクル(触手)を伸ばして
宿主のテンプル(顳顬)に取り付く


人新世以前、太古の森にはメガネの原種が生息していたと考えられる。

・共生生物となる前の、眼鏡の原種
・メガネの幼生がコロニーを形成

移動手段を求めて一部の動物に寄生するメガネも存在。
例:メガネザル、メガネカイマン、メガネクマ、メガネオオコウモリ、メンフクロウ
動物にはメガネを掛け替えるという習慣は無く、動物に寄生したメガネは遺伝子レベルで宿主に融合した。

ヒトという知的好奇心旺盛な種が誕生して、メガネの理想的な宿主となる。

メガネとヒトの相利共生関係
・メガネはヒトの視力を矯正する
・メガネはヒトの印象を変化させる
・メガネはヒトに便乗して移動する

推察:
・メガネは光を捕食して視差を排泄する?
*似たような共生生物の例として、ヒトの内耳に寄生し、音波を食べて脳波を排出するバベルフィッシュが知られている。(出典:「銀河ヒッチハイクガイド」)

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