死語を振り返るのは楽しい

何かが終わる時が一番過去を振り返る瞬間なのだと思う。

卒業式しかり、会社をやめる時しかり、美味いものを食べ終わったあとしかり、そして12月しかり。

今、死語を振り返って1人でニヤニヤしている。にやり。

キッカケはYouTubeで「ラジオ版学問のススメ」よしもとばななさんの回を聴いていた時に彼女が発した「KY」という言葉だ。これを聴いた時に、ぞぞぞぞぞくぞく、、と脳内に0.7アンペアくらいの電流が走った。稲川淳二の怪談を聴いた時のように。ただそれは恐怖ではなくて懐かしさと衝撃によるもの。

KY。これいつ流行ったか覚えているだろうか?

調べてみたら2006年らしい。11年前。11年!?正直もう少し新しいと思っていた。

その勢いのまま俺は今「死語一覧まとめ」をみてニヤついている。ここから個人的にこれは四天王だろうというものをピックアップすると次の4つになる。

「アウトオブ眼中」「チョベリバ」「そんなバナナ」「バイなら」

上の一行の字面だけ他とは違う禍々しいオーラを感じる。「おう、使えるもんなら使ってみぃやコラァ!」とどやされているような威圧感。なのにみるだけで込み上げてくる笑い。俺は今書いている段階で一度も口角を下ろせていない。

これらの選定基準は「明日から使ってみたいもの」だ。

「アウトオブ眼中」は小学生の時に使ってた記憶がある。ポケモンや遊戯王をやる時とくに。これを言い放つ時のアバンギャルド感、闇属性に染まる感覚は癖になる。思い出しただけで(恥ずかしくて)ゾクゾクする。

力技で変換しだしたくせに「眼中」だけ残してあげたイノセントな優しさ。その絶妙な厨二感が妙である。

他の3語に関してはリアルタイムで使った記憶はない。「チョベリバ」は俺の世代(87年)よりも少し上の人が使っていた印象だし。「そんなバナナ」と「バイなら」は主におじさんが吐き散らして日本の平均気温を下げていた。だから当時は雪がいっぱい積もったものだ。

さて、軽々しく使ってみたいと言ったはいいがどれも結構MP(精神力)を消費しそうだ。

一番MP消費が少ないのは「バイなら」かな。去り際に使う言葉だから滑っても傷を負うリスクが少ない。もし相手の反応が悪くても「滑るなんてそんなバナナ」と心の中で元気に唱えればいいだけだし。

で、一番使いたいけど一番MP消費が激しいのはダントツぶっちぎりで「アウトオブ眼中」だ。

大人になった俺がこの言葉をどのタイミングでどう使うと言うのでしょうか。この疑問が使いたい欲を更に逆撫でする。

上司「今回のコンペA社に勝てる自信あるか?」
俺「A社?ふっ、俺を見くびってますね先輩。A社なぞアウトオブ眼中ですよ。」

とでも使えと言うのだろうか。上司からの信用を失うチョベリバな展開になりそうだけどその代償として圧倒的な闇の力は手に入りそうだ。ぞくぞくする。

こんなことを考えていたら明日が楽しみになってきた。明日ちょっとこれら試してみるぞ。

バイなら。

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