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夜と煮物

夜、それも夜中に急に料理したくなることがよくある。

それは本を読んでいる途中、文章を書いている途中でトイレに立った時、腕立て伏せをしている途中、紙を極限まで細かくちぎるチャレンジをしている途中。とさまざまな「途中」が「料理がしたい」に派生する。

夜中に料理となるとほぼ煮物かスープを作る。時々オムレツの練習がしたくてフライパンを使うけど9割は小鍋か鍋が活躍する。


今日はトイレに行く途中で「派生」した。

冷蔵庫を確認すると昨日安売りしていた鶏の手羽先とソーセージがある。野菜は大根、にんじん、たまねぎ、きのこ類、みつば。それと冷凍のブロッコリーといんげん。

キャベツがないけどポトフが作れる。鰹節と昆布でとった出汁で作る和風ポトフ。味付けは塩とオリーブオイルだけ。調理法も材料をぶっこんで煮るだけとすごく簡単なのにたまらなく旨い。

それにこれ、裏技の食べ方がある。

熱々の白米にかけて粉チーズを振って食べる「洋風ねこまんま」だ。食べやすいから飲むようにスルスルと胃に入るオススメの食べ方。

ポトフ、いい。。

ここまで書いたらポトフを作ると思うだろうが、実は違う。

手羽先を使ってしまいたかったから大根と一緒に炊くことにした。

鍋に冷水と手羽先を入れて火にかける。アクが出たら取り除く。少し煮たら大根と昆布と調味料を入れてトロトロと優しく煮る。

夜のキッチンに香ばしい香りが広がっていく。薄明かりの中コトコトと煮える鍋の音は、目を閉じるとまるで銀河鉄道に乗車しているような軽快な安らぎを感じる。暗闇を切り裂きながら進む生命力のある音だ。

いい頃合いになったから火をとめる。そして大根を1つだけ「味見」の名目でつまむ。うん、いい味。

うまくできた次の日の朝は目覚めがいい。味のしみた煮物を想像するとササっと起きていち早く口に運びたい!と考えるからだ。

うまい料理があるだけで次の日が楽しみになる。これって幸せだよね。

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