マガジンのカバー画像

先従怪始〜怪のA-side⇄B-side〜

21
タイトルは「まず怪より始めよ」と読みます。私は無類の怖いもの好きで、ジャンル問わず色んな媒体を渉猟してきました。そこで得た教訓は、怪異譚を起点として私たちは様々に学ぶことができる…
運営しているクリエイター

#怪異

名著探訪 稲川淳二の恐怖がたり 壱

 稲川淳二氏は言わずと知れた怪談界の絶対王者、もはや怪談仙人の域に達しつつある伝説の語り…

0009 A-side 百物語の怪談史

1.百物語とは 百物語という怪談形式がある。自ら参加したことはないとしても、言葉だけは聞…

2

0008 B-side 東京の怪異を読む

 0008 A-sideでは東京伝説を取り上げた。B-sideでは、さらに多面的に東京に潜む怪異の姿を取…

1

0007 B-side 水の怪

 0007 A-sideは海の怪の象徴としての鈴木光司を取り上げた。0007 B-sideでは、広く水にまつわ…

1

0007 A-side 海の怪あるいは鈴木光司

1.海あるいは鈴木光司 海——私たち生き物はここから生まれたと考えられている。だから、海…

0006 B-side 吸血鬼を読む

 吸血鬼といえば、0006 A-side で特集したブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』であること…

1

0006 A-side 吸血鬼ドラキュラ

血のみが歴史の歯車を回す——マルティン・ルター ウピル、ウプリル、オピル、ウポル、ウプオル、ランピール、ワムピル、ムッロ、ヴゴドラク、モロイイ、ムロニ、ズメウ、プリコリチ、ヴァルコラキ、ノスフェラトゥ、ストリゴイイ、ヴァピール、ヴァンピール、そしてヴァンパイア。これらの言葉は、あるひとつの存在を呼称する名詞である。もちろんすでにお分かりだろう。闇に巣食いし者——吸血鬼である。 1.吸血鬼とは 吸血鬼(ヴァンパイア)あるいはヴァンピリズムに関する記述は、遥か神話の時代から認

0005 B-side 怪異と住む

 私たちの住む家、通う会社・学校、病院・市庁舎などの公共機関、それらは本来私たちの生活の…

3

0004 B-side 怪異を訪ねる

 わざわざ怪異を訪ねに行く奇特な人々がいるという。怖い場所には、人を惹きつける魅力がある…

0004 A-side 日本怪奇名所案内

1.心霊スポットあるいは怪奇名所 心霊スポットなる名称がいつから用いられるようになったか…

3

0003 B-side 山怪・UFO・超芸術

 0003 A-sideでは『山の牧場』を扱った。そこでは『山の牧場』という怪異譚は、山の怪談とし…

2

0003 A-side 山の牧場

1.山の牧場とは関西の某所に存在する日本屈指のミステリーゾーン。始まりは当時大学生だった…

9

間奏 『千粒怪談 雑穢』

神沼三平太『千粒怪談 雑穢』竹書房怪談文庫 2022  前書きにいきなり痺れる。  怪談本とい…

4

0002 A-side 恐怖の心霊写真集

1.心霊写真事始 心霊写真——霊、エクトプラズム、神仏などが映り込んだ写真、またはそこにあったはずのものが欠損してしまったり、増えてしまったりする(例えば、足がない、指が6本あるなど)写真を指して言う。現代では、意図せずして撮影される場合がほとんどだが、初期にはむしろ写そうという強い意図のもとに撮られていた。  中には、あまりに滑稽すぎて、笑ってしまうほど明確な偽物もある。一方で、素人目には本物としか思われないものも確かに存在している。きっと、プロの写真家に言わせれば、人為的