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先従怪始〜怪のA-side⇄B-side〜

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タイトルは「まず怪より始めよ」と読みます。私は無類の怖いもの好きで、ジャンル問わず色んな媒体を渉猟してきました。そこで得た教訓は、怪異譚を起点として私たちは様々に学ぶことができる…
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#怪談

名著探訪 稲川淳二の恐怖がたり 壱

 稲川淳二氏は言わずと知れた怪談界の絶対王者、もはや怪談仙人の域に達しつつある伝説の語り…

0009 B-side 漫画・百物語

 百物語を冠する書物は山ほどある。百物語という言葉は、今では、怪談の代名詞として流布して…

0009 A-side 百物語の怪談史

1.百物語とは 百物語という怪談形式がある。自ら参加したことはないとしても、言葉だけは聞…

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名著探訪 『心霊ショック』

朝倉三心『心霊ショック』竹書房 1993 朝倉三心『心霊ショック2』竹書房 1993  竹書房怪談…

0008 B-side 東京の怪異を読む

 0008 A-sideでは東京伝説を取り上げた。B-sideでは、さらに多面的に東京に潜む怪異の姿を取…

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0007 B-side 水の怪

 0007 A-sideは海の怪の象徴としての鈴木光司を取り上げた。0007 B-sideでは、広く水にまつわ…

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0007 A-side 海の怪あるいは鈴木光司

1.海あるいは鈴木光司 海——私たち生き物はここから生まれたと考えられている。だから、海というのは私たち人類にとっての母である。生命を育む愛しい母。実際、地球が生命に満ち溢れているのは、海のおかげである。この広大な惑星の、実に70%以上を占めると言われる海、私たちの住む星はほとんど海でできていると言っても過言ではない。それは私たち人間もそうだ。私たちの中には小さな海が広がっている。生命が、海から陸へと生活の拠点を移すことができたのは、海を体内に取り入れることに成功したからに他

0006 B-side 吸血鬼を読む

 吸血鬼といえば、0006 A-side で特集したブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』であること…

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0006 A-side 吸血鬼ドラキュラ

血のみが歴史の歯車を回す——マルティン・ルター ウピル、ウプリル、オピル、ウポル、ウプオ…

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0005 B-side 怪異と住む

 私たちの住む家、通う会社・学校、病院・市庁舎などの公共機関、それらは本来私たちの生活の…

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0005 A-side 幽霊物件案内

1.幽霊物件とは複素数である いきなり数学の話から始めて恐縮(といっても、ごく初歩的なこ…

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0003 B-side 山怪・UFO・超芸術

 0003 A-sideでは『山の牧場』を扱った。そこでは『山の牧場』という怪異譚は、山の怪談とし…

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0003 A-side 山の牧場

1.山の牧場とは関西の某所に存在する日本屈指のミステリーゾーン。始まりは当時大学生だった…

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間奏 『千粒怪談 雑穢』

神沼三平太『千粒怪談 雑穢』竹書房怪談文庫 2022  前書きにいきなり痺れる。  怪談本というと、中に書かれている怪談がメインで、それさえ面白ければよいと思っていないだろうか。もちろん、中身が面白くないというのは問題外だが、あなたがもしも前書きを読み飛ばしてしまっているのであれば、怪談本の醍醐味に触れぬまま読書を終えてしまっている可能性がある。前書きと後書きのある怪談本は、それらを必ず読んだ方が良い。これは怪談本読書の鉄則だ。  特に、前書きにはコンセプトが書かれているこ