見出し画像

大分カイコウcampvol.4「ボーダレス」~ローカルコミュニティのホントのところ~第二部

第一部に続き、第二部でも前回と同じ、ローカルコミュニティについてディスカッションしていただきました。第一部では好きから始まったローカルコミュニティについてお話していただきましたが、第二部では少しビジネス寄りのお話をしていただきました。題して「ビジネスチーム」

登壇者紹介

画像1

田浦大氏
株式会社やまとうた代表取締役
大分市の中央町にIm home bar LAFF+ というBARの経営とリアルDASH村あたらよという村の経営。BARでは、「ただいまが言えるBAR」をコンセプトに、お客さんたちが勝手にお酒を作って勝手にお金を置いていくような、常連というのを少し超えた家族のように集まれる場所を作っている。あたらよでは築80年の古民家をみんなで借りて40人ぐらいでリアルDASH村を作っている。

画像2

浅利善然氏
コーネンコーポレーション 代表取締役
大分県佐伯市でコンサルタント事業の経営。事業の理念は「この先10年20年仲間がこの町で暮らしていけるようにサポートしていきたい」。その他イタリアのオリーブを仕入れてや、まちづくり事業なども行っている。
人口の減少や高齢化率が課題になっていますが、これを考えてしまうと何も出来なくなってしまうので、「自分にできることしか自分には出来ない」と気付き、足元にある課題にしっかりと取り組むしか無いと思い、改めて頭の中を整理している段階。心の拠り所を探していた時に「天地人」という言葉がしっくりきたので、いまはこの言葉を念頭に入れて活動している。

画像3

佐藤仁美氏
HAM株式会社 代表取締役
https://www.factoriajp.com/(factoriaのHP)
大分市出身。福岡の大学卒業後、大分に戻り製薬の卸会社で外務栄養士兼営業で勤務。その後、2010年にHAM株式会社を立ち上げる。この会社では大分県からインバウンドマーケティング支援事業を受注や、赤坂見附にあるしゃぶしゃぶの事業再生を行う。
2011年に0から1を作ろうということで、表参道でワインバーを開業。2017年から一人でも多くの人が自分が望むライフスタイルを実現できる環境(働く・暮らす・くつろぎの場)とそこに生まれる人々の繋がりを作ることを目的に、その第一歩として働く場・コワーキングスペース「factoria」を作る。factoriaでは、スナック型式運営スタイルを取り入れている。事業としては、一人で行っているのではなく各業界をけん引する方々にアドバイザーやサポートになることで、みんなで空間を作っている。

画像4

齋藤潤一氏
一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 代表理事
https://koyu.miyazaki.jp/
宮崎の新富町で一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 代表理事をしている。地域づくりをやっていく上で、「お金と笑顔のバランスが取れた地域づくり」を提唱している。もともと音楽の配信会社の社員としてアメリカのシリコンバレーで働いていた。日本に帰って来ると、現場で頑張っている人にお金がいかないことが問題だと感じ、シリコンバレーで学んだ技術や知識を地域づくりに活かそうと思い、ソーシャル・ビジネスで地域づくりの課題解決をしていく活動をはじめた。慶應大学の非常勤講師でソーシャル・ビジネスを教えたり、各地で起業家育成塾を行っていたところ、2017年にこゆ財団の代表に就任。今取り組んでいる事業では、海外向けのゲストハウス「茶心」。場づくりの場合でいうと、第三日曜日に朝市を行っている。また、農業の収穫ロボットの開発もベンチャーでやっている。

ゲストと参加者とのディスカッション

Q.今アプリのサービスを作成しているので参考としてお聞きしたいのですが、田浦さんのBARではどの層が快く投げ銭としてお金を出しているのですか?

(田浦氏)
僕が伝票を書いたりせずに、みんなが個人で伝票を書いてお金を払っていくシステムなのですが、多分ずるしている人はいないですね。特に値段を決めていたわけでは無いのですが、お客さんの間で2,500円で飲み放題のシステムができてきました。2500円で飲み放題なので赤っぽいのだけど、2杯飲んでも2,500円払って行く人がいるので、うまくシステムや空気が常連さんと出来ているのかなと思います。
あたらよの村の方は1人月々3000円払ってもらっています。
BARに来るお客さんの層はバラバラなのでわからないですね。これからはモノ消費からコト消費、コト消費からトキ消費になるのではと考えています。ゆるいモノ、例えばBARの常連や村の住人ということにお金を払っていくのでは無いかなと思います。提供者・消費者の境が曖昧になるのではと考えているので、共感ベースで話が進んでいくと思います。

Q.「地域の課題をお金に変える」時のポイントがあれば具体的に教えていただきたい

画像7

(齋藤氏)
ビジネスの基本は課題があるからこそ、そこに価値提供があるんですよね。重要なポイントとしては、1つはお客さんの課題を聞くこと。2つ目が価格の設定ですね。この2つを抑えていればビジネスになります。利己でやるビジネスはすぐに頭打ちしてしまうけど、利他は無限大なのでビジネスという点では良くなるんじゃないかと思います。

Q.価格の決め方

画像7

(齋藤氏)
ビジネスはそんなに難しいものではなく、5W2Hをしっかり考えることで成り立ちます。どこで誰に売るのかが決まっていれば価格設定につながります。
例えばライチの事業では、消費者が何にお金を出しているのかというと「1粒1,000円のライチを買ってプレゼントする」という行為にお金を出しています。もう一つは期待値とのギャップにお金を出すんですよ。そのライチ1粒に1000円出す層はどんな層かなと考えてターゲットを設定し、そこから価格設定が決まりました。

(浅利氏)
価格もお客さんに聞く場合もあります。自分では高いかな?と思っていても、お客さんにとっては安いというギャップがある場合があるので、お見積りも現場で使えるツールかなとは思います。

(佐藤氏)
シェアオフィスでは価格設定は、安売りは絶対にせず、継続して払い続けられる金額に付加価値をつけて設定しています。うちはコアなコミュニティを作りたいので、会員は選びぬいて入会していただいています。

Q.仲間づくりの中でルールや判断基準があれば。

(田浦氏)
コミュニティを安全にしたいので膜を作る事を意識しています。ほかを排除することはしたくないですね。合わないということで向こうが去っていく事が多いです。表面的にどうこうではなく、深く対話した中で選んでもらいます。家族と仲間を分けています。家族だと今が大事だし、柔らかだし何か安心する。仲間というのは、自分の強みを出すことができ、目的があり、何かに進んで行かなければならない。場所とか時間によって使い分けることを大事にしています。

Q.別の仕事を切り分けているのか、混合させているのか

(田浦氏)
今、BARと村をつなげてみている段階。食体験として自分で野菜を作って自分で調理をするのは面白く、BARだけでただの常連でしか会えない人たちを一回同じ家に住む家族になった時に、常連を超えたコミュニティを作りたいと思っています。村に行かなくてもBARで話すんですよ。同じ家をもつという繋がりがフィットした感じになりました。

(齋藤氏)
こゆ財団がうまくいった理由としては、根っこでつながるのが大きく、最初にビジョンを設定した「世界一チャレンジしやすい町」「強い地域経済を作る」。集まっているメンバーもそういうメンバーを集めているので。マーケティングの究極は宗教だと思っているので、みんなにビジョンや信念が共有出来ている状態にすることで、どこでも仕事が進んでいく秘訣になるんじゃないのかと思います。

Q.新しい事業を始めるときにどこまで考えているのか

画像6

(佐藤氏)
今のコワーキングスペースを立ち上げる時に、銀行さんに融資を受けるために事業計画をたてて行ったのですが、お断りされました。なぜなのか聞くと、私が入会のメンバーを選び抜くということで、マネタイズ出来ないだろうということでアウトだったんですね。しかし、今では営業利益も出てきています。これを持ってまた2回目にいこうかなと思ってます。

(田浦氏)
自分はとにかく「やりたい」からくるので、いろんな先輩たちに熱い思いを聞いてもらって、そしてら勝手に仲間になってくれますね。計画はたてられないので、喋ってると周りの人が作ってくれたりして、そこからブラッシュアップしていって、何らかの形にしていきます。

(浅利氏)
融資の規模によっても変わって来ると思うので、少額でチャレンジ出来るのであれば親から借金してでもいいのかなと思います。大きな融資を受けるためだけにやってます、というのであれば蹴っていいと思います。基本的には人間がやることなので、きちんと数字や計画を作れないような人は信頼が出来ないと思われてしまう。想いと数字のバランスがしっかりされているのであれば、挑戦されてみてもいいのではないでしょうか。小さくであればやっちゃったほうがいいと思いますね。

(齋藤氏)
銀行さんの決定的な問題は起業した事が無い人が最終決定権を持っているので、それにあわせてそこで勝負したい人はそこに行けばいいし、別のところが良ければクラファンとかしてみればいいし。どうゆうビジネスに投資したら良いかはシンプルで、「市場が伸びるところ」だと思います。これはグーグルで検索すればいくらでも出てきますが、基本的にビジネスの基礎は変わっていないと思っています。地域で絶対儲かるのはSNSやBAR付きのゲストハウスをフランチャイズにしているところですね。

Q.異業種交流会で出会った人とはどうつながりを持続していくのか

(斎藤氏)
「イノベーションは交流会で起きる」といいますが、これは行動経済学にも出ている計画的偶発理論というのがあり、偶然を計画的に起こしてやろうという理論で、とにかく前向きに行動して、とにかくやってみようぜ、という事。どれだけ教授が偉い事をいっていようとも、現場での行動ということに勝るものはないなと思います。つながっていくというのは、次のアクションを起こすということですね。

今回で大分カイコウcampは最終回となりました。いつもと違い、参加者と登壇者のとの距離が近く攻め入った質問が多かったように思います。また、大分カイコウはFacebookページを開設しています。良ければ、いいね!をお願いします。
https://www.facebook.com/oitakaikou/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?