見出し画像

最前線で働く医療従事者の方々を「食」でサポートするため、大切にしていること。

新型コロナウイルス感染症り患者の治療のため、医療従事者の方々は感染への危険を伴いながら日々の業務に当たっています。医療現場では食事をとる時間も十分に取れないほど忙しく、医療従事者の方々の心と身体の健康が懸念されます。

最前線で働く医療従事者の方を、「食」でサポートしたい。

その想いのもと、Oisix ra daichiでは、食品宅配事業を手がけるココネット株式会社、社会課題解決に取り組む一般社団法人RCFと連携し、医療従事者へ食品を無償支援するプラットフォームWeSupportを4月20日に立ち上げました。

『WeSupport』は、サポート企業から無償提供いただいた食材物資をとりまとめ、医療従事者が欲しい食品のニーズとをマッチングし、それぞれの病院へお届けしてします。

図1

現在、『WeSupport』は、73社のサポート企業の協力をうけ、東京都の感染症指定医療機関や院内感染が発生している医療機関を中心に、現在29カ所の病院へ支援を行っています。週2回程度の頻度で継続的に食品をお届けしており、食品の支援数は、延べ7万5千人分を超えました(2020年5月26日現在)。

全都道府県にて緊急事態宣言は解除されましたが、医療現場は引き続き感染予防や診療などにあたっており、食品の支援を通じ、医療体制の継続の一助になるべく、これからも『WeSupport』を続けていきます。

今回の記事は、この『WeSupport』を開始した背景や、活動において気を配っている点などについて紹介させていただきます。

===

はじまりは、医療現場の声から

はじめに『WeSupport』を開始した経緯から伝えます。

もともとOisix ra daichiでは、病院などの医療機関と繋がりがありました。お客様の健康を日々の食卓を通じて支えるため、医療関係者の方々に協力をいただきながら、メニューやサービスを開発してきたからです。

そして、コロナウィルス感染拡大が広がるとともに、繋がりのある医療機関の方々から、現場の悲痛な声を耳にすることが増えてきました。

「患者を優先して、職員用の給食はストップしている」
「夜はお腹がすいたらお菓子を食べていて、全く健康的ではない」
「やむをえず災害備蓄用の食品を食べることもある」
「栄養にいい飲料や食品などを提供してくれたら大変ありがたい」

こういった逼迫した事態を受け、食を扱う私たちが、医療現場の負荷を少しでも和らげるために何かできることはないか考えはじめました。また、海外では、医療従事者の方々を支援しようと、様々な民間企業による動きが立ち上がっていることを知り、私たちも何かアクションを起こしたいと思ったのです。

そこで、まずは医療現場の情報収集。同時に、協力いただける食品会社さんの募集を呼びかけました。

(▼)Oisix ra daichi社長の高島による、アドバイスと支援を呼びかけるFacebook投稿

図1

そうして始まったのが、『WeSupport』です。私達を支える人を支える、という意味で、WeSupportと名付けました。


善意のありがた迷惑を起こさない仕組みづくり

私たちが、『WeSupport』の活動を通じて、常に意識していることがあります。

それは「善意のありがた迷惑」を起こさないこと。

東日本大震災などの有事の際に、被災地に集まった過剰な支援物資が、現場の混乱を招く第二の災害になると言われています。大量に届いた毛布など、使用できない救援物資を処分するために、被災した自治体が多額の費用を投じたケースもあります。

現場の方々が本当に求めていることは何か?
どのようなオペレーションで支援することが、現場に負担をかけずにすむのか?

Oisix ra daichiでは、食品宅配の事業において、お客様の現状を丁寧にヒアリングし、ただ食材をお届けするだけでなく、お客様の食卓における課題を解決することを心がけています。同様に、WeSupportにおいても、各病院の状況をヒアリングさせていただき、その上で最適なサポートの仕方を考えていきました。

そこで見えてきたのが、食品協賛をいただくサポート企業から提供いただいた食材物資をとりまとめ、医療従事者が欲しい食品のニーズとマッチングし、病院へ配送する仕組みです。

図1

病院ごとで置かれている状況は違い、求める食品の要件は変わってきます。WeSupportの事務局がプラットフォームとなり、サポート企業と病院の間でニーズをマッチングすることで、医療機関に必要とされている支援物資を届けることができます。

加えて、医療従事者に食のサポートを行いたい食品関係の企業は多くあります。ただ、それぞれの企業が個別に病院に連絡をしてしまうと、医療現場への負担が重くなってしまいます。それを『WeSupport』事務局で取りまとめることによって、滑らかに支援を行うことができます。


施設ごとに求められる支援物資の違い

5月26日現在、東京都の感染症指定医療機関を中心に、29カ所の病院へ支援を行っています。

多くの病院では、感染対策のために「個包装」のもの。また、食事をとる時間が十分に取れないことから、パン、ゼリー飲料、お菓子、野菜ジュースなど、常温で日持ちのするものを求められるケースが多いです。

(▼)サポートさせていただいた病院の方々からいただいた写真です。

図1

図1

また、病院の状況をヒアリングをする中で、逼迫度が高い病院には、Oisix ra daichiのグループ会社であるCRAZY KITCHENと協力し、お弁当を届ける試みもしています。希望や人数等を詳細にヒアリングし、病院ごとに適した内容のお弁当をお届けています。

(▼)CRAZY KITCHENのお弁当

図1


感謝の声と広がるサポートの輪

ありがたいことに『WeSupport』の輪は広がり、5月26日現在、73社サポート企業として食品を無償協賛いただいています。

★サポート企業の一覧は『We Support』公式サイトに。

また、ネット募金でも、多くの個人や企業の方から多額の寄付をいただいています。

こうした方々の存在で成り立っている『WeSupport』ですが、ありがたいことに、支援させていただいている病院から感謝の言葉を頂戴いただく機会が増えています。なかには、このような感謝状をいただくことも。

画像7

そして、東京都内の医療機関を対象に活動をしていた『WeSupport』ですが、5月29日(金)より、神奈川県と連携し、神奈川県で新型コロナウイルス感染症の予防や治療にあたる医療従事者への食品支援の取り組みを開始します。


少しでも多くの方々をサポートするために

現在、『WeSupport』事務局には20名を超えるOisix ra daichiの社員が関わっていますが、ほとんどは通常業務との兼務で参加しています。

Oisix ra daichiでは、「非常時の時こそ、精一杯働いて社会に貢献すべき」という考えを大切にしています。

私たちのような食品を扱う会社が、美味しい食べ物を運ぶことは、食料を届けるライフライン的な意味だけでなく、気持ちを安定させること、ちょっとした潤いを届けること。そういう意味合いもあるのではないかと考えています。

どこまでできるかは分からないが、やれることは何でもやろう。これを合言葉にしています。

私達を支える人を支える『WeSupport』

少しでも多くの最前線で働く医療従事者の方々を食でサポートするために、これからも『WeSupport』は活動を継続していきます!

<編集協力:井手桂司>


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?