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Vol.1 みんなの背中を押す“お母さん”的な役割に


今年6月新たに社外取締役に就任した小脇美里さんは、ファッションエディター、ブランディングディレクターとしても活躍しています。働く女性やママたちから絶大な支持を集める小脇さんが、オイシックス・ラ・大地でそれぞれの輝きかたを見つけて働く女性のリアルな声をインタビューしていくこの企画。
第1回目は、Special PlannerとPeople's Adviserを務める世永亜実さんに話を聞きました。

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オイシックス ・ラ・大地 社外取締役
小脇美里さん
ファッションエディター/ブランディングディレクター。令和初のベストマザー賞・経済部門受賞。鯖江市顧問SDGs女性活躍推進アドバイザー。ママだからこそ実現できる取り組みを発信する新スタイルライフスタイルメディア「MOTHERS編集部」を立ち上げ、編集長を務める。1歳半娘と6歳息子の二児の母。

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オイシックス ・ラ・大地 Special Planner/People's Adviser
世永亜実さん
サマンサタバサジャパンリミテッド非常勤取締役。同社でブランディングやマーケティングを統括するとともに、2000人近い女性社員たちの相談にのり、育ててきた。著書に『発想の転換で読み解く 働く女性のやる気スイッチ』。小学生の娘、中学生の息子の二児の母。

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食卓を通して人を幸せにすることで、私も元気に

小脇さん:
 世永さんとはサマンサタバサジャパンリミテッドにいらっしゃった時からよくご一緒していて、ご活躍も見てきたので、一旦正社員という働き方から離れると聞いた時は衝撃でした。その一方で、オイシックス・ラ・大地への参画も決まり、サマンサジャパンリミテッドの非常勤取締役とともにパラレルキャリアを歩み出しましたよね。当時はどんな思いだったのでしょうか?

世永さん:
 サマンサジャパンリミテッド では約20年働きました。男女で分けて考えるのは良くないとは思うのですが、やはりライフステージにおいては女性の方が結婚や出産など、仕事以外にも大きな岐路に立つ瞬間が多くあり、そうしたライフイベントに左右されます。当時、私は40歳を過ぎ、長男は小学校最後の年を迎えようとしていて、仕事を辞めて子どもたちの成長と向き合う最後のチャンスだと思ったのです。まさにライフステージの岐路の1つを迎えていました。
でも、家族に相談したら「ママ悩んだり大変だろうけど仕事してるのあってるから、続けていた方がいい」と言われて(笑)。どうしようかなと。そんな時にオイシックス・ラ・大地に関わる機会をいただきました。
実は、仕事をする前から料理や片付けなど家の中のことをするのが好きで、どんなに忙しくても家事をすることで気分が落ち着けた。食卓を通して人を幸せにすることも私の元気の源の1つで、以前は会社の同僚たちを招いてご馳走する「世永食堂」を不定期で開いていました。
オイシックス・ラ・大地で働くことは、そうした自分の好きなことと仕事を兼ね合わせることができる場を得たことだと実感しています。

小脇さん:
 世永さんのSNSなどで私も世永食堂や日々の食卓の写真を拝見していました。世永さんの作る食事は美味しそうで、とにかく人の温かみがあるなって。俗にいうSNS映えする料理ではないかもしれないけれど、時短要素がいっぱいあったり、子どもが大好きな茶色系のおかずだらけなのだけどそこには家族への想いがあったりと、とてもリアルで共感できました。だからこそオイシックス・ラ・大地で食に関わると聞いた時はまさに適職だなと納得した覚えがあります。

特別な何かにならなくてもいい。悩みながらでも歩み続けると見えてくる

小脇さん:
 私も子育てと仕事のバランスに常に悩んでいますが、世永さんは悩みながらもキャリアを積み重ねている大先輩! アパレル企業でコツコツ経験を積み、役員になり、企業も上場して急成長……と女性活躍推進のロールモデルのような存在ですが、実はリアルでは「もう辞めようと思っているの……」と3回に1回くらいはその話になりますよね(笑)。
そんな世永さんを見て、悩みながらでいい、突っ走らなくてもいいんだ、というワーママへの安心とエールをくれる方だと思っています。

世永さん:
 私の人生は決して劇的な変化のある人生ではないですし、日々、自分の状態や仕事と向き合いながら毎日できることをとにかくやっていくだけ。しかし、使命感として「私のように仕事と子育ての両立をしきれてなくても、働き続けているとこんな道もあるよ」と伝えたいのです。学生や若い人たちを応援するのが大好きなんです。

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小脇:
 「こうすべき」「こうしたい」という強い女性リーダーも確かに日本には必要ですが、世永さんのように自分が前に出るよりも「この人の考え方をサポートしたい」と他の人のエンパワーメントができる女性リーダーもすごく必要だなと感じます。私たちの世代は、統計的にも専業主婦の母親に育てられた人が多く、その姿を知っているからこそ、自分はどう働くべきか葛藤を持っている人は少なくありません。

世永:
 オイシックス・ラ・大地に来て発見したのは、日々、家で悩んでいることがビジネスにつながること。1つ1つ商品を使ってみると「この袋は子供には切りづらい」「子供と一緒に料理したいけど、これは難しいかも」ということが娘と一緒に料理してみるとわかりますが、それをそのままフィードバックできる! この、家の中とビジネスとがつながっていることが、当社の強さなのですよね。仕事をしていると家のことは持ち込んではいけないような気がしますが、当社では家の中の知見が何より生きてくるのです。

家庭内の気づきがビジネスにつながり、広がる


小脇さん:
 家庭内の知見って実はすごいですよね。こんまりさんのように片付けに優れた人がスターになったり、地方に住んでいても料理が好きな人がインスタで大人気になったり。そういうママたちの知見をもっと多くの人に共有したくて、私は「MOTHERS編集部」を立ち上げたので、とてもよくわかります。
やもするときれい事だけに聞こえてしまいがちな「子どもたちの未来のために」ということをオイシックス・ラ・大地では真剣に取り組んでいますよね。この仕事を通して子供たちの未来を熱く語れることも世永さんにすごく向いているのがわかります。

世永さん:
 そうですね、次の世代に私たちができることに本気で取り組んでいきたいです。子どもとの時間ってきっとあっという間に過ぎてしまう。だからこそ我が子だけでなく社会的に貢献できることがあればなと思っています。

小脇さん:
 子どもの成長と共に、家庭の状況って変わりますよね。それに合わせて食への関わり方も変わる。オイシックス・ラ・大地は、社員もお客様の成長と一緒に成長できる会社だと感じます。

世永さん:
 それこそサステナブルですよね。
例えば、くまのプーさんのトマトカレー(※)を家で試作していたら、長男が覗いてきて「プーさんなの?!」と中2男子でも気分が上がって会話が始まりました。中学生になって、親が働いていることへのリスペクトも強くなり、リモートワークで会議していることなども見ているせいか、食へ意識を向けることへの大事さもシェアできるようになりました。悩みながらでも頑張って続けているからこそ、子どももちゃんと尊敬の念を感じてくれているのだと思います。
大学生から相談を受けると「就職しないといけない。内定取るには選ばれないといけない。そのためには自分が特別な人にならないといけない」と思い込んで、自分を追い詰めている人がよくいます。
でも、キャリアだけを取らなくてもいい。悩みながらでもいい。正社員じゃなくてもいい。パラレルキャリアもある。テレワークもできる。正解はないし、働き方の多様性は広がっています。楽しく働く。人とつながる。そうすると幅が広がる。
そういうことを学生や若い世代に伝えていきたいですね。

※・・・2020年11月にウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社とのライセンス契約に基づき開始したプロジェクト「Table for Tomorrow

小脇さん:
 分かります。今の子たちは「何者」かにならないとという意識が強い気がします。私は、新卒で入社した頃って、何者であろうとかなんて思ってもなくて、とにかく目の前のものをがむしゃらにやる!とにかく与えられたことを頑張る!みたいな時期を過ごしました。残業も当たり前だった上の世代も見ていたので、そういう頑張り方も選択肢としては知っている。でも、これからの時代は、ただがむしゃらにやるだけではなく、徐々に自分のキャパの中でどのくらい仕事に費やせるのかを知っていくことは大事ですね。続けていくには、選択の幅も、覚悟も、どちらも必要。だけど、悩みながらでもいいのですよね。

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みんなを励まし見守る“お母さん”の存在でありたい


世永さん:
 葛藤しながら働き続けていることが、商品開発のヒントになることもあります。小脇さんが言ったようにママたちの知見ってすごいし、それが活かされているビジネスはまだまだ少ない。私は家庭内の気づきは日本のビジネスの力になると信じています。

小脇さん:
 まさにオイシックス・ラ・大地では、それが最大限ビジネスに活かされていますよね。お客様や社員の日々の知見がきちんとシステム化されて、商品やサービスに生きている。
世永さんの家庭での試作や日々の家事が商品の改善につながるように、世永さんがお母さん的な気持ちで周囲の人たちに声をかけ、悩みを聞いて、励ましていっているのも、本当に重要な役割ですよね。とてもたくさんのスタッフが世永さんに励まされたり、ロールモデルとして頑張ろうと元気と勇気をもらっていると思います。「お母さん的思考」で働くことは決して悪くない。それが仕事にも生きているということが、オイシックス・ラ・大地での世永さんを見ているととても伝わってきます。
それこそ、女性ならではの新しい働き方・選択肢の一つなんじゃないかなと思っています。子どもが何かを頑張れる時ってやはり親がちゃんと見てくれているからだと思うんですよね。だから、そんな存在が会社にいたらきっと皆、すごく頑張れると思う。

世永さん:
 みんなが元気で仕事していることが嬉しいし、そうなるように「元気?」「大丈夫?」「何か話聞こうか?」ってついお母さんみたいになっちゃうんです(笑)。でも、それが私の働き方であり、役割な気がします。食でつながり、みんなが元気で仕事しているのを「よかった、よかった」って見守れる役割でありたいと思っています。

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