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Vol.2 1つ1つ目の前の仕事を大事にこなしていたら見えた、次のステージ

今年6月新たに社外取締役に就任した小脇美里さんは、ファッションエディター、ブランディングディレクターとしても活躍しています。働く女性たちやママたちから絶大な支持を集める小脇さんが、オイシックス ・ラ・大地でそれぞれの輝きかたを見つけて働く女性たちのリアルな声をインタビューしていくこの企画。

第2回目は、ヴィ―ガン(※)のミールキットブランド「Purple Carrot」を担当する尾花美咲さんにお話を伺いました。
食品が大好きで、栄養士の免許も持っている尾花さん。「自分にしかできないことは何だろう」と模索しながら挑戦を続ける女性です。
(ヴィ―ガン・・・肉や魚、卵や乳製品など、動物性食品を摂取しない主義のこと)

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オイシックス ・ラ・大地 社外取締役
小脇美里さん
ファッションエディター/ブランディングディレクター。令和初のベストマザー賞・経済部門受賞。鯖江市顧問SDGs女性活躍推進アドバイザー。ママだからこそ実現できる取り組みを発信する新スタイルライフメディア「MOTHERS編集部」を立ち上げ、編集長を務める。1歳半娘と6歳息子の二児の母。

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オイシックス ・ラ・大地 サービス進化室 Purple Carrot Japanセクション
尾花美咲さん
大学で食物学を専攻し、食品メーカーに就職。企画マーケティングを担当した後、オイシックスに転職して3年目。書店巡りや益子焼の陶器市を訪れることと、仕事終わりに美味しいビールを飲むのが幸せ。最近はヨガも始めた。

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ヴィーガンの勉強から始まり、地球の未来を考えるまで

小脇さん:
 尾花さんはPurple Carrotを担当されていますが、昨年の緊急事態宣言中のテレワーク時に異動と引き継ぎをされたそうですね。新しい役割を担当する時に遠隔でのやり取りで不安はありませんでしたか?

尾花さん:
 引継ぎは大丈夫でしたが、私は全くヴィーガンではなかったですし、知識もないところからのスタートは不安でした。「ヴィーガンとは何か」ということから学び始め、こうして1年勉強し、携わってきたことで、段々とやりたい方向が見えてきたところです。

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小脇さん:
 私も米澤シェフ監修の「ベジボロネーゼ」などを作ってみましたが本当に美味しくて。肉料理で有名な「The Burn」のシェフである米澤シェフがヴィーガン料理を手がけることに最初は衝撃を受けましたが、それが逆に新鮮で。あの外出できない時期に、家庭でレストランの味を楽しめて贅沢な気分でした。

尾花さん:
 実は利用者の8割は、ノンヴィーガン。元々ヴィーガンではない人たちです。Oisixでも肉を使った商品も販売しています。しかし、今後の環境問題や地球の未来を考えたら、お肉ばかり食べていていいのだろうか?というちょっとした問題提起なんです。。もちろん、お肉だってあってもいい。でも、この社会を保っていくためにもヴィーガンという考え方も必要になってくるだということは、Oisixと米澤シェフの共通認識として通じ合いました。私たちの提唱する「時々ヴィーガン」という選択肢があることを、ヴィーガンについて、地球環境についてもっと知ってもらいたいと思っています。今回の米澤シェフとのコラボレーションで、ヴィーガン商品を初めて買う、Oisixを初めて頼むという人が増えたのは良かったです。
 ヴィ―ガン食のみの「フルタイムヴィーガン」の方は日本に4%程度と言われていますが、それを増やすよりは「フレキシタリアン」と呼ばれる週に数回、ゆるくヴィ―ガンを取り入れる人たちを増やしていきたいですね。

小脇さん:
 新規顧客の獲得にもつながったのですね。母親としては、栄養バランスを考えると食卓から肉を完全に排除することは悩んでしまうので、「時々ヴィーガン」というのはすごくいいですよね。「Purple carrot」を通して、「実は今日はお肉を使っていなんだよ。なぜなら、こういう理由でね……。」と、子どもと食と地球環境について話すきっかけにもなりました。こうしたちょっとした取り組みから始められたらいいですよね。

適職に悩んだとき、宏平さん(髙島社長)からの一言で気が楽に

尾花さん:
 私は昨夏結婚し、夫とチームになったことで自分以外にも頑張る理由ができた気がします。リモートワークも増えたので、夜、夫と一緒にご飯を食べることでオンオフの切り替えができるようになりました。仕事とプライベートの時間が自然と分けられるようになりましたね。
まだ子どもはいませんが、いずれは授かれたらいいなと思っています。子どもを産む前にこの仕事をやってみたい、人とのつながりを作っておこう、という思いはあります。先輩たちを見ていても、子どもを産むことがキャリアの大きな転機になる気はしています。

小脇さん:
 女性はライフステージでの選択肢が本当に多いですよね。

尾花さん:
 私は今29歳なので、悩む時期に来ているのを感じます。食品が好きで、大学も食物学科で学び、仕事も一貫して食品系でやってきました。でも、「私にしかできないことは何だろう?」と考えるようになり、上司にも相談しました。今までは振られる仕事にとにかく力を注いできましたが、これから何を磨いていこうかと自分から考える時期というか。
 上司が、私が相談したことを伝えてくれたようで、宏平さん(高島社長)がフィードバックをくれたこともありました。「オイシックス・ラ・大地で大事にしているロジカルシンキングと、ここにはないマーケットを作っていけるという嗅覚の両方が尾花さんにはある。その両方が長けているのは素晴らしいから、その力を伸ばしていくと唯一無二の存在になれるよ」と言葉をもらい、このまま頑張っていける気がしました。宏平さんが一人一人の社員にきちんと興味を持って接してくれているのを感じ、ありがたかったです。

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小脇さん:
 年齢は関係ないと頭では分かっていながらも、女性にとっての30歳とか40歳とか、節目の年って、やっぱり大きなターニングポイントで、悩む時期ですよね。

尾花さん:
 本当にそう思います。自分は子どもで、大人の女性ってすごいなとずっと思っていたけれども、気付いたら自分がそちらに近づいていった気がするというか、もうそちらのグループにいる。そうなると手に職ぐらいは身につけたい、と焦る気持ちもあります。
 でも、歳を取ること自体には不安はないです。常に40代や50代の素敵な女性たちをみてきているので、ああなれたらいいなと思うと歳を取ることは楽しみなステージですね。

アラサークライシスから新しい気づきへ

小脇さん:
 目標にされている人はいますか?

尾花さん:
 ロールモデルを探したこともありますが、いつもうまく見つかりません。あんな人になりたいと思う反面、私にはなれないなと思ってしまったり。社内にも素敵な女性がたくさんいますが、やっぱり自分がそのステージに入ってみないとわからないかなと感じています。
 今までは「何者かにならないといけない」というアラサークライシスと言われるような焦りを持っていました。でも、よくよく見てみると、何者かになった偉い人たちほど目の前のことを一生懸命やっている人が多いことに気づきました。自分で仕事を選ぶなんておこがましいと思うようになりました。「置かれた場所で咲く」、というのが私のやり方なのかもしれないなと。
 自分が目指したところで、需要と供給が合わなければ意味がないですよね。それが合うところを見つけていければいい。前は、何でも頼まれたらやるタイプで、実はそれがコンプレックスだったんです。もっと専門が必要なのではないかと。でも今は仕事をいただけることがありがたいと思っています。

小脇さん:
 私も編集者としていろんな分野の仕事を頼まれて、自分の得意なことってなんだろう?と常に模索して、焦りを感じていたのですごくよくわかります。編集者としては、ある意味でちょっとマニアックというか、私の得意なことはコレですというような、専門性のある方がいいと思っていたんです。でも、ご縁をいただき商品開発をさせていただき、気づけばヒットになっていたり、大好きな安室奈美恵さんの引退の書籍を担当させてもらえたり。与えられたことをとにかく一生懸命やっていたら、結果を評価されるようになってきていました。そうすると、私は実は、何か物事を一般の人の目線に立って分かりやすく落とし込むのが得意なのかもしれないと思ったら、段々と自分のポジションが分かってきたんです。「普通の感覚」をわかりやすく伝えていくのが特技なのかなって。依頼されたものをとにかく一生懸命取り組んでいたら、段々と形になり、分かってきたという感じです。しかも子どもを産んでからなので、35歳くらいから!!だから尾花さんの年齢の頃は、まだまだ焦っていました(笑)。

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いつかチャンスが来たら掴む勇気を持ちたい

小脇さん:
今後はどんな働き方がしたいですか?

尾花さん:
 夫は夢を抱いて、挑戦する派。私は安定派。だから彼の挑戦に合わせながら働き方を柔軟に変えることは必要だと思っています。だからこそ働き続けられる環境は大事ですね。オイシックス・ラ・大地では、時短勤務や副業をしている人もいますし、他社の取締役も兼任している人など、いろいろな働き方をしている人がいて素敵だと思います。
 これからはいただいた仕事を大事にしながらも、趣味の料理や栄養士の免許を活用できるようなこともできると良いなと思っています。料理はプロほどの技術はないですが、趣味がてら料理教室などやってみたいですね。いつかチャンスが来たら掴む勇気が欲しいです。

小脇さん:
 今おっしゃったみたいに「お料理作るのが好きです」とか言葉にしていくことってすごく大事ですよね。私は料理が苦手だけど、子どもにおいしいものを食べさせたいし、自分もおいしいものを食べるのが好きだから、食事の時間に関するプライオリティはものすごく高くて。だからこそ、Oisixに出会って助けられ、さらにこうして関わらせていただくようにもなれた。お片付けが苦手だからこそ、お片付けグッズを考えて販売したら、とても売れました。だから、苦手なことや、好きなことはちゃんと口に出していくってすごく大切。それがチャンスにつながっていくこともきっとありますよ。

尾花さん:
 そう考えると夢がありますよね。ちゃんとしたものになってから発表しなきゃいけないと思ってしまうけど、途中でもいいから「自分の好き」は誰かに発信したほうがいいですね。プロではないけれども、私のそういう発言も何かに生きることがあったら嬉しいです。

小脇さん:
 今はもう有名な人だからといってモノが簡単に売れる時代ではありません。でも、思いのある人やアマチュアでも「好きや、苦手」を消費者の目線で生かせる人が注目を浴びたり、人の心を動かしたりできる。尾花さんのそういう「好きの力」もきっとこれからもっと生きてくると思いますよ。応援しています!

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