2. 好きの呪いを甘く解く。
学生の頃に好きだった男の結婚式。
呼ばれた女は過去に彼が好きだった女とわたしだけだった。
彼にとって、わたしは一体なんだったんだろう。
たらふくご馳走を食べて、
おなかはもうはちきれる寸前だったけど、
わたしはわたしを甘やかしたくて寄り道をする。
意味もなく高円寺で途中下車をして、
見たこともない、ぶあついマカロン。
トゥンカロンと言うらしい。
体には悪そうだけど、
今のわたしにはこれが絶対必要な気がした。
引き出物の紙袋の中に投げ込んだ席札がふと目に留まる。
「これ