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【京都合宿】 鴨川を眺めながら話したこと 〜京都おいしいもの記録を添えて〜

大学の同級生三人で、岡山にデイサービスを立ち上げる過程で考えたことの記録として始めたこのマガジン。はやくも9回目になりました。

そういえば最近、すこしずつ「note読んでるよ!」と言ってもらえる機会が増えてきてとっても嬉しいです。noteを定期的に更新するなんて、ぜったいに一人じゃできないタイプなので、誰かとこうやって考えをまとめていけるのはありがたいなあ…。

いまさらなんですがメンバー紹介を簡単に。詳しくは、マガジンの最初の3記事が自己紹介になっているので、そちらも見ていただけると嬉しいです。

<プロジェクトメンバー>

土井脩平(どい しゅうへい) | リーダー

岡山県倉敷市出身。これまでに、急性期リハ (※1) や通所リハ (※2) に携わる。現在は、愛知県豊田市のデイサービスの管理者として勤務しながら、シニア・障がい者向けの旅行支援を行っている。自分自身も旅行好き。

中山千香(なかやま ちか)| サブリーダー
広島県広島市出身。回復期リハ (※3) に約4年間携わったのち、現在は訪問看護リハビリステーションにて勤務。平日 / 休日を問わず暇さえあれば本屋を訪れる本好き。

小武悠(おだけ ゆう)| パートナー(立ち上げ伴走)
広島県三次市出身。これまでにヘルスケア企業でのWebメディア運営や、ロボット会社での開発/営業に従事。現在は京都市にある (株) NINIでカフェ/ホステルの運営やマーケティング業務に携わる。普段はだいたい鴨川にいる。

※1. 急性期リハ:病気や怪我などの発症後の早い段階でのリハビリ。
※2. 通所リハ:介護が必要な人が自宅から施設に通いながら行うリハビリ。
※3. 回復期リハ:急性期後、主に自宅に帰ることを目指して行うリハビリ。


鴨川を眺めながら、三人で話したこと

今回のnoteでは、先日3人が京都に集まったときの話を書いていこうと思います。

実は「一緒にデイサービスを立ち上げよう」となってから、三人が直接会って話すのは初。二人はぼくが働いているNINIROOMに泊まり、鴨川沿いを歩いたり京都の北に位置する丹波町まで足を伸ばしたりと一泊二日のプチ合宿のような集まりでした。

普段のオンラインミーティングではできないような、アツい話をしたような気がするので、覚えている範囲で書いていこうと思います(ただ食べていただけのような気もします。)

せっかくなので、話の合間で食べた、京都のおいしいものも紹介していくことにします。お楽しみに!

【1食目】 キッチンくじらのお弁当を鴨川沿いで食べたときにした話 with NINI姉妹

今回の京都合宿の目的のひとつは、ぼくが働いている (株) NINIの代表であるあいのさん&もねさん(以下、NINI姉妹)との壁打ちでした。

左:姉の西濱愛乃(デザイナー)
京都工芸繊維大学デザイン経営工学科修了、ヘルシンキ工科大学大学院交換留学後、外資系設計事務所を経て (株) NINI設立。
右:妹の西濱萌根(プランナー / マーケター)
神戸大学発達科学部卒業。Panasonicでの商品企画、開発営業、宣伝企画を経て (株) NINI設立。

誰が相手でもバンバンと、ロジカルかついろんな角度から意見を伝えるあいのさんともねさん。頼りになる、おもしろい姉のような存在です。

しゅうへいとちかは、NINI姉妹と会うのは初めて。
鴨川沿いにレジャーシートを広げて自己紹介を済ませた後、くじらさんのお弁当をもぐもぐしながら、自分たちがつくろうと思っているデイサービスのことを話していきました。

蚊にさされながらアツい話をしました

「自分自身がいきたいと思ったり、親に行ってほしいと思えるデイサービスってなんだろう?」といったテーマから始まり、お弁当のおかずがなくなる頃には、「介護が必要になる前からデイサービスのことを知ってもらうにはどうしたらいいか?」といった内容の話をしました。

そこで出てきたアイデアのひとつが、デイサービスが介護が必要となる以前の人も対象とした「趣味や知的好奇心をベースにしたコミュニティの拠点」となること。

参考事例としては、大阪府高齢者大学校で行われている高齢者の方の学びを起点としたコミュニティづくりや、ライフの学校で行われている地域住民と、高齢者の方との接点をつくる取り組みなどがあります。

介護が必要になる前からデイサービスのことを知ってもらうこと。地域の方にも場づくりに参加してもらうこと。

すごく面白いなと思うと同時に、いかにしてデイサービスを利用されている方の心理的安全性を守るかが鍵になりそう。利用日や時間を変えながら、同じデイサービスの場をさまざまな用途で活用していくのも面白いなと思います。

たとえば、広島県三原市のデイサービス (1階) とデザインオフィス (2階) を併設したふくし拠点「暮らり」さんの取り組みがとても参考になります。

暮らりでは、普段デイサービスとして使っている空間をデイサービスの営業時間外に地域に開けた食堂(こみきち食堂)として開放したり、ゲストを招いたトークイベント(くるまざ暮らり)などを開催しています。

ぼく自身はまだイベントに参加したことはないのですが、どうやって運営しているのか、どんな方が集まるのかとても気になる…。行ってみたい!

そんな話で盛り上がってきたところで蚊が増えてきたので、いったんNINI姉妹との鴨ピクミーティングは終了。くじらさん、ごちそうさまでした。

撮り忘れてたと思ったくじらさんのお弁当。ちかが撮ってくれていました。さすが!

1食目 | キッチンくじらのお弁当
所在地:京都府京都市左京区聖護院山王町43−20
野菜がたくさん入ったくじらさんのお弁当。大学院時代から今に至るまで変わらずお世話になっています。特に魚のフライ系がおすすめ(というより、単にぼくが好き)。レギュラーメニューのにんじんしりしりは、安定感のある美味しさで食べると安心します。
もともとはカフェでNINI姉妹と打ち合わせをする予定でしたが、その日のお弁当の主菜がサバの磯部揚げだったので、急遽、くじらさんのお弁当を携えて鴨ピクミーティングに変更になりました。
メニューは毎朝Instagramにアップされます。くじらさんのInstagramでは、その日のお天気も知ることができるので要Check!

【2食目】出町ふたばの豆大福を食べながら、鴨川を散歩していたときにした話

NINI姉妹との鴨ピクミーティングを終え、三人で鴨川をプラプラと北の方へ。余談ですが、ぼくは鴨川にいる人たちの雰囲気が大好きなので仕事でNINIROOMにいるとき以外は、だいたい鴨川にいます。

その日も、昼過ぎからたくさんの人が思い思いに過ごしている鴨川。短パンダメージジーンズ姿でヨーヨーをする麦わら帽子のおじさん、謎の楽器の演奏に合わせてアクロバットを披露する謎の少女、麦茶をタッパーで飲みながらトランペットを演奏する青年。

鴨川の心地よいカオスが好きです

鴨川を北上しながら、目指していたのは「出町ふたば」です。詳しいことは後述しますが、とても人気のある和菓子屋さん。

この日は30分の行列。これでも短いほうかも

行列に並んで大福をゲットした後、近くのスーパーでスミノフを購入し、鴨川デルタに移動。橋の下に座って、このときに話していたのは「自分たちの強み」について。

もともと、ぼくたち三人は大学の理学療法学科で知り合いました。わたし自身は理学療法士の仕事はアルバイトで2年弱ほどしか経験していないのですが、二人はキャリア6年目。

ですが、これまでの話し合いでは「何でも屋」という言葉をキーワードに、できるだけ専門性の枠組みに縛られず、多面的にその人と向き合いたいと考えていました。(詳しくはしゅうへいの記事を参照)

自分たちがつくりたいサービスのアウトラインが見えてきた今、普段のオンラインミーティングで三人で話し合っているのは「いかにして、思いを形に落とし込むか」という内容です。そこで考えなければいけないのが、他の事業者との違う自分たちの強みはなんなのか、ということ。

なかなか深い問いなのですぐには答えが見つからず、しばらくは三人でぼーっと鴨川を眺めて、おのおのの思いに耽っていました(が、上述のタッパー麦茶トランペッターのひと吹きで現実に引き戻されました)。

ただ物思いに耽ること数十分

きっと「専門性を活かしてサービスを差別化すること」と「なんでも屋的に利用者さんと向き合うこと」は相反することではないんだろうな、という予感がしています。

いまは、参考になる他の事業者のサービスがどのようにして強みや専門性を活かしているのかを分解しながら、自分たちの強みについて考えている最中です。

物思いに耽りながらも豆大福を頬張ります

2食目 | 出町ふたばの豆大福
所在地:京都府京都市上京区青龍町236
京都市のアイコンのひとつ、賀茂川と高野川がY字に合流する出町デルタを西に入った行ったところにある出町ふたば。人気の和菓子店で、この日もたくさんの人が並んでいました。30分待ちの行列に並びながら「平日なのに、たくさん人がおるねえ」と話をしていましたが、その日は土曜日でした。ぼくはシフト制なので曜日感覚があまりありません。

それはともかく、このふたばの豆大福は絶品なので、京都に来た際にはぜひ食べてほしい一品。ごろっとした豆の食感とほどよい塩味は、幼い頃に感じていた「和菓子 = テンション上がらない」という概念を打ち破ってくれる、"アガる和菓子"です。

【3食目】ぼたんの猪肉料理を食べた話

出町デルタでアツい話をしてすっかり日も傾いた頃、いったんNINIROOMに戻り、夕食のためにご近所にある居酒屋「ぼたん」に向かいました。

ここでは大学の別の同期も合流して、ただただ楽しい話をしていました。

そのためこの段落は、ただのぼたんさんの紹介になります。この日食べたのは、ぼたん肉を使った肉豆腐やパスタ。調理方法がよいのかわかりませんが、ぼたんの猪肉料理はくさみや野生っぽい感じがまったくなく、ほんとうに美味しいです。ぜひ食べてほしい。

ぼたんのあとは鴨川に場所を変えて、しっぽりと飲み直し。久々に大学生に戻ったような夜だったな〜。

大学の同期と一緒に。楽しい時の写真っていっつもブレてる

3食目 | ぼたんの猪肉料理
所在地:京都府京都市左京区聖護院山王町41−41
こちらも大学院時代からお世話になっているお店。ボタン(猪肉)料理をメインに、パスタや一品系などが揃う居心地のよい居酒屋です。店内にかざられたボタン(服の方)の絵や小物にユーモアを感じます。
おすすめは、トリュフ塩のフライドポテトとしらすのパスタ(ボタン料理じゃないんかい)。ぼたんのフライドポテトは世界一うまいです。
NINIROOMに友達が来た時のお決まりコースは、たいていぼたんに行ったあとの桜湯。ぜひあそびにきてね〜。

【4食目】おピザはんの京丹波きまぐれ白みそピザを食べながらした話

京都合宿の大きな目的の二つ目は、京都府と兵庫県の境にある京丹波町のピザ屋さん「おピザはん」に向かうことでした。

ここは、ただのピザ屋さんではなく京丹波町にある通所介護施設「くろまめさん」が営なむお店です。

厨房の窯でピザを焼くのは、平日はとなりの施設で介護スタッフとして勤務している方。ピザの材料に使うのは、敷地内にある畑で採れた色とりどりの野菜。この野菜は、施設を利用されている高齢者の方と一緒に育てているそうです。

おばんざいのメニューは、じいちゃんばあちゃんから教えてもらったそう。畑で豆が採れたそうなので、この日は特別に豆ごはんもついてました。

テーブルに並ぶピザは鮮やかで美しく、白みそを使ったものや京丹波の名産である大黒しめじを使ったオリジナリティあふれるものも。本当に美味しいので、近くに行った際にはぜひ足を運んでほしい。


印象的だったのが、おピザはんに到着したときに駐車場でたまたま出会って、明るく挨拶をしてくださった方がいたこと。あとあとわかったのですが、その方が「くろまめさん」の代表である稲葉さんでした。

気さくでエネルギーあふれる代表の稲葉さん

「おピザはん」の建物は、納屋をリノベーションしたつくり。くろまめさんの利用者さん経由で知り合った、設計士の方と一緒に話しながら改装を進めていったそう。窓が広くとってあり、曇りの日でもとても明るく居心地のよい店内でした。

もしばあちゃんがくろまめさんに通っていたら、ここで一緒にピザを食べたい
チラ見えしているピザを食べる動物の絵画に、ただ心地よい空間というだけではない気迫のような何かを感じます


ピザを食べ終わったころ、代表の稲葉さんが声をかけてくださり改めて自己紹介。普段は介護施設の見学はされていないそうなのですが、特別にご案内していただきました。

7年前に新築したというくろまめさんの建物は、桜の床材をはじめ、自然素材を使った温かみのある空間でした。

自然素材を使ったお風呂。香りも良くて温泉の壺湯みたいにリラックスできそう。

施設を案内してくださった稲葉さんの「介護は医療の延長線ではなく、暮らしの延長にある」という言葉が印象的でした。できるだけこれまで暮らしてきた環境を再現しながらも、随所に快適に過ごせるための工夫が凝らされていました。

施設の外のテラススペースにはBBQ台があり、天気が良い日にはここでご飯を食べることもあるそう。

くろまめさんでは、様々な方が思い思いに過ごされていました。「自分のばあちゃんも元気がなくなったらこういうところに来て欲しいなあ」と思ったり。あらためて、稲葉さん、おピザはん・くろまめのみなさん、ほんとうにありがとうございました!

4食目 | おピザはんのピザ
所在地:京都府船井郡京丹波町富田井上82
介護施設くろまめさんに併設された日曜日限定のピザ屋さん。ピザの野菜には施設で採れた野菜もたくさん使っているそうです。
食べたのは「おばちゃんのおもちピザ」「大国しめじときのこたっぷりピザ」「京丹波白みそピザ」の3種類。なかでも、白みそピザは感激。おもわず目を閉じてしまう美味しさでした。また行きたい!

京都合宿を終えて

アツく、おいしい二日間。
このnoteの記事も今までで一番ボリュームのある内容になりました。

普段はオンラインで話しているからこそ、おいしいものを一緒に食べたり、同じ風景を見ながらする話は大事だなあと思います(言葉だけじゃ共有できないものってあるよね)。

次に三人で直接集まるのは、夏の終わりに岡山で。立ち上げを予定している町へ足を運び、町の様子や物件などを見てまわる予定です。

まだまだこれからだけど、少しずつ形になってくると同時にいろんな方に出会ってアドバイスや温かい言葉をもらってほんとうにうれしい。いつか、なにかの形で恩返しできたらいいな〜。

あとがきのあとがき vol.1 | 鴨川のヨーヨーおじさん

今回から、勝手に「あとがきのあとがき」コーナーを初めてみようと思います。デイサービスのことはいったん置いといて、ふだん考えていることや見たものについて話すコーナー。
※見切り発車のため今回だけで終了する可能性あります。

vol.1で紹介するのは、鴨川のヨーヨーおじさん。今回のnoteの中でもサラッと一文だけ紹介していました。繰り返しになりますが、鴨川には多種多様な人が集います。ヨーヨーおじさんはその中でも、圧倒的な個性があふれる、鴨川のレジェンド的な存在のひとりです。

ホットパンツ並み短パンダメージジーンズと麦わら帽子が目印のこの方。平日・休日を問わず、通勤時などに見かけます。おもむろにポケットからヨーヨーを取り出し、シュルシュルしています。かと思うと、鴨川の中に入って石を積み上げる達人でもあるこの人。またある日には、子どもと一緒に土砂の上でラジコンを走らせていることも。人間的な奥行きの深さに、いつも畏敬の念を抱いています。

ぼくの中で、鴨川といえばこの人!なひとりです。

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