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ちいさな輝き

押尾コータローさんの「ちいさな輝き」って曲をご存知ですか?

MBS(関東ならTBS?)のテレビ放送が全て終了した後、道路と街並みを映した映像と共に流れてくるギターの曲。

現在もこの曲が使われているのか分からないのですが、この曲を聴くとひきこもり時代の眠れなかった時期を思い出します。


自己紹介の際に少し書かせて頂きましたが、私は15歳から20歳までの5年間の殆どを家の中で過ごしました。

ひきこもっていた頃の私は昼夜逆転していました。

真夜中って本当に静かじゃないですか。
物音もしなくて。
この世界に自分しかいないような感覚に陥って。

それが嫌で嫌で堪らなかったので、家族が起きている時間に寝ようと頑張っていたのですが、寝ようと焦る程寝ることができないという悪循環に陥っていました。

無音の時間がとにかく怖いので、寝られない間はずっとテレビを点けていました。
「この世界にいるのは自分一人だけじゃない。」と思わせてくれるものであれば内容は何でも良しで、例えば深夜に放送されているプロレスの試合なんかもよく見ていました。おかげで少しだけプロレスのことが分かります。(若くして亡くなられてしまったのですが三沢さんが好きでした)
通販番組もよく見ていました。
ただ、音がないと途端に不安が襲ってくるので、天気予報でも無音で流れているものはだめ。テレビ放送が終わった後に流れる砂嵐なんて最悪で、一目見ただけでこの世の終わりみたいな気持ちになっていました。


そんな私の最後の砦であった、押尾コータローさんの「ちいさな輝き」と共に流れる道路と街並みの映像。
同じアングルしか映さないので一見無機質な映像にも見えるんですが、たまに小さいんですけど車が道路を走っていて、それを見つける度、「あぁ、今の時間も生きてる人いるわ私だけとちゃうわ」と、当時の私をほんのり勇気づけてくれていました。
そうこうしてると新聞配達のバイクの音も遠くの方から聞こえてきて、着実に真夜中から朝に向かっていくのを感じ、不安しかない心の中も少しづつ安心感で満たされていき、安心感が不安感に勝った時にいつの間にか眠りに落ちている、というのを毎日繰り返していました。


当時の眠れなくて不安でいっぱいの私を勇気づけてくれていたちいさな輝きがテレビで今も流れているのかは分かりませんが、当時は本当に助けられました。

真夜中の無音が嫌だった私がラジオを聴くようになる話は、また今度書かせて頂きます。

※こちらは以前ブログで書かせて頂いたものを加筆修正したものです。

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