コテンラジオ「やなせたかし編」に感動してアンパンを食べた話
コテンラジオという歴史系ポッドキャストで「やなせたかし」氏が紹介されていました。
アンパンマンの誕生秘話からやなせたかし氏の苦労人生まで聞けて、胸がジーンとなりました。
身近すぎてスルーしていたアンパンマンを再発見させてくれたコテンラジオさんに感謝です。
https://open.spotify.com/episode/4vC6qHGtuJG2ute4Rlvhlo
アンパンマンのやさしさに触れる人が増えたらいいなっと思います。
ここからはアンパンを食べる過程を記した駄文です。
モサモサのパンみたいな個人的体験談ですが、良かったらお付き合いいただけると嬉しいです。
1日目「体調不良」
金曜日の夕方、わたしは強い吐き気におそわれた。
おそらくお昼に食べたサバが原因だろう。
赤と黄色のシールが貼られたスーパーのサバは、その日に食べなければいけなかったのだ。
冷蔵庫の前で「まぁ2日目でもいける♪いける♪」と若者ぶった昨日の自分にアンパンチをおみまいしたい。
30代の胃袋はバイキンにすぐ負けてしまう。悲しい。
クローゼットの中から体温計をゴソゴソ探しだし、わきにさす。
ピピッ
体温計の数字を見ると、体がグッと重くなる。
だから体温計は苦手だ。いつでも我々に病人というラベルをはりつける。
どうせならサバに貼ってあった割引シールみたいに熱を下げて欲しい。本来の機能は果たせないが精神衛生上は安心できそうだ。
それと同時に「明日の美容室15時30分までに治るかな。。。」と現実的なことも考えていた。
食欲はなく夕食はポカリ1本、ハムスターのようにチョビチョビのんだ。
残り少ない体力をつかってシャワーを浴び、20時には布団に入る。
布団に入ると体がずっしり重い。
アンパンマンでいうと水をかけられて目がバッテンマークの状態だと思う。
頭はズキズキと痛み、毛布をかけても寒気がする。
寝る前に、おそるおそる体温をはかった。
39度の熱があった。
このとき頭に浮かんだのは「ダメだ、美容室キャンセル入れなきゃ。。。」だった。
愛と勇気をふりしぼって「ホットペッパービューティー」で予約キャンセルを押す。
メールを確認しようと思ったが、もうわたしの意識は夢の中だった。
2日目「アンパンマンみたよ」
8時に起きた。外は明るく、小鳥がさえずっている。
田舎の小鳥は「チュンチュン」じゃなくて「チュン!チュン!」な気がする。
アンパンマンで言うとドキンちゃんとコキンちゃんくらい違う。
熱は36・7cに落ち着いてホッとした。
今日はゆっくりすると決めたので「アンパンマン」の映画をみることにした。
コテンラジオの「やなせたかし」編が素晴らしかったので「ぜったいアンパンマンの映画みよ!」と決めていたのだ。
さっそくアンパンマンの映画をレンタルする。
レンタルした映画は「いのちのほしのドーリィ」
コテンラジオのヤンヤン氏がチラッと紹介されていた作品
アンパンマン映画で検索すると、ランキング上位をキープしている映画である。
しょうじきな話をしよう。
アンパンマン映画をみる前は軽率なきもちがあった。
「子ども向けだけど楽しめるかな?」「アンパンマンがバイキンマンをやっつけて平和を取りもどすんだろうなー」と思っていた。
ゆだんした。
泣いた。
すごい泣いた。
34歳おじさんが画面にむかって
「アンパンマンやめてー!」
「えっ!? ドーリィー!!!」
目に涙をうかべ、鼻水を垂らした。
アンパンマンの「なんのために生きるのか?」の回答が素晴らしかった。
生きることに悩んでいる人がいたらアンパンマンを勧めてあげてほしい。
わたしも心があたたかくなる活動をしようと心にちかった。
映画をみたあとはむしょうにアンパンが食べたくなった。
久しぶりにアンパンマンをみた方ならわかっていただけるだろう。
アンパンマンが自分の顔をカポッとちぎりわたすアンパンの美味しそうなことこの上ないのである。カバオくんいいなって思う。
わたしはパン屋さんでアンパンを買うため、Googleマップで検索を始める。
ジャムおじさんがいそうな個人のパン屋を見つけて自転車をこいだ。
店内にはところせましとパンが置いてあった。
カレーパンマン、しょくぱんまん、メロンパンナちゃん。
パンの香ばしい香りが鼻腔をくすぐり、どれもおいしそうだった。
無事にあんぱんを購入して、帰路に着く。
途中で、自転車を漕ぐ力がなくなってきたが愛と勇気で乗り切った。
あんぱんまん・・・いや、あんぱんは美味だった。
ジャムおにいさん、バタコおばあちゃんのパン屋は美味しかった。
いつも食べてるあんぱんより、あんこがびっしり詰まっている。
あんぱんを食べて愛と勇気が回復した。
もう明後日くらいには元気いっぱいアソパソマソになりそうな勢いだ。
おじいちゃんの荷物をもち、道をさえぎる大岩をどけて、カバオくんに私の顔を分けてあげる。
ぼくは妄想に心おどらせルンルンだった。
しかし、アンパンマンはスター的存在だ。
ぼくが簡単になれるはずがなかった。
ふとテーブルの上に置きっぱなしの体温計が目にとまる。
「まぁ、しまう前にもう1回はかっておこうかな。。。」
ピピっ
おれさまはバイキンマンになっていた。
熱が38度近くまで上がっていた。
アンパンマンになりたくてあんぱんを食べたら、バイキンマンになってしまった。
自転車で3キロ走ったからだろうか。それともはやる気持ちがおさえられず、立ちこぎしたのがよくなかったのか。
しかし、美味しいあんぱんが食べたかったのだ。
おれさまは再び安静にすることにした。
次はバイキンマンの魅力がつまった「クルンといのちの星」をみた。
アンパンマンが他の敵にやられそうになるのをバイキンマンが助けるシーンがステキだった。
コテンラジオの中でもヤンヤンマン、、、。
いや、ヤンヤン氏がバイキンマンは大事な存在だと話されていた。
そういえば豚汁マン、、、。
いや、妹が「娘はアンパンマンよりバイキンマンの方が好き」だといっていた。
このままバイキンマンとして生きるのも悪くないかもしれない。
おれさまはメカを開発するスーパー人材として世の中を闊歩していくべきではないだろうか。
・・・どうやら心をカビるんるんにやられたようだ
すべてがたおすべき敵にみえてしまっている。
早めに布団に入ることにした。
布団の中でもひたすらアンパンマンのことを考えていた。
頭の中ではアンパンマンマーチが流れている。
ふと
「ここにいるから大丈夫だよ」
と体をポンポンされた記憶がよみがえった。
わたしも大切な人にとってアンパンマン的存在になれたらと思う。
あたたかい思い出に見守られながら、夢の中に入った。
3日目「回復」
36・3c。
バイキンマンは去っていった。
ありがとう、私の中のアンパンマン。
ありがとう、やなせたかし先生。
ありがとう、コテンラジオ。
おわり。
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